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Vol.61 農業協同組合発祥の地とも言われ「協同の精神」が根ざす美唄で、足りないを輝きに変える農家

(株)スタンドブルーファーム代表 岸本久靖さん

様々な困難が予想される2040年の美唄を見据え、
まちの若者が中心となり制作した新しいシンボル
『 Be Beautiful 美しくあれ。』

「美しさ」とは、外見や見た目のことではなく、
風土や文化に根ざし、協働して逆境に立ち向かう精神である。

それを体現するヒト・モノ・コトを通して、
美唄の魅力を再発見し、未来の美唄をつくっていく。


農業高校の教え子に触発され、自身も農家へ

農業高校の教員として勤務していた時に、熱量ある生徒たちとたくさん出会った。将来の農業従事者に触発され、自らも農家出身だったこともあり、農家の道を歩み始めた。

当時の教え子とは毎年のように農作業を一緒にし、互い刺激を与え合う関係性が続いている。修学旅行生の受け入れをしているのも、教員時代の経験が大きく影響している。

就農から試行錯誤の日々

就農から5年目の2023年は、「ゆめぴりか」と「ななつぼし」の2種類のお米や、にんにく、トマトなどを栽培している。

農業は試行錯誤の連続だ。品種を変えてみたり、育て方を工夫したり、また天候によっても大きく左右される。毎年注力するところを決めて、日々小さなトライアンドエラーを繰り返す。

近年力を入れているのが、個人販売力の強化。農産物に付加価値を付けて、その魅力を消費者に伝える。周辺地域や札幌の飲食店へ卸していたり、時にはおにぎり屋に自分も立ち、自ら作ったお米でおにぎりを握ることも。お客さんから美味しいといってもらえることが原動力になっている。また美唄の農産物を知ってもらうための一つとしてYouTubeを始め、できたこともうまくいかなかったこともあった。そうやって一生学び続け、その学びを頑張っている多くの農家に伝えたい。

力仕事や自然相手の仕事で、ハードな時もあるが、家族や地域に支えられている。

美唄に根付く「協同の精神」

それでもチャレンジをして良かったのは、チャレンジをするたびに仲間が増えていくこと。

JAみねのぶ青年部では理事(取材当時)も務め、他の農家との関係も深い。同業者として学びあったり、共同で企画をしたり、個だけではできない組織の力を信じて活動している。

誰かが困ったときに、支え合うのが美唄。農業協同組合ができたのも峰延が最初と言われたりするように、協働の精神が地域に根付いている。現在でも農業用機械を共同で所有したり、作業を手伝ったりしている。そんな美唄の人が好きだ。

それでいて、十分でないのが美唄。人ありきで、もっともっと良くしていける余白が残っている。

3農協が初めて一つになる新米収穫祭

全国でも珍しく美唄の中に、3つのJAがある。そして今回3農協が初めて共同で企画した「びばい新米収穫祭」。食・農と美唄というのを共通言語に、JAみねのぶの他に、JAびばいとJAいわみざわ(大富)が集まった。

美唄のお米は2流と言われたこともあり、それが悔しくて、美唄のお米の美味しさをまずは地域の人たちに知ってほしい。

当日は、新米炊きたてご飯の無料配布や「うまいのは俺の米コンテスト」が開催される。

チャレンジで溢れる美唄に

自分に言い聞かせている言葉がある。「チャンレンジを当たり前にする」

それがまちを変えていくことになったり、誰かの希望になったりする。自分が生徒から触発されたように、少しずつ挑戦の輪が広がっていく。完成したものよりも、未来に向かって挑戦を続ける姿こそ価値があるし、最高に輝いている。「岸本でもできるんだったら」というところを背中で見せられる存在でありたい。



社会が1ミリメートルでも良くなると信じることに使わせていただきます。一緒に今と未来を創っていけたら最高に嬉しいです!