運動指導は道徳である。
アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを提供しているメディアです。
今回は"少しだけ"深いお話です。
紫陽花の写真は、内容と何の関係もありません。
運動の目的
いきなり質問ですが、運動の目的は何でしょうか?
少し考えてみてから、読み進めて頂ければと思います。
是非1分程考えて、答えを書き出してみて下さい。
※スマートフォンのメモ機能で構いません
さて、どの様な答えが出たでしょうか?
・スポーツで勝つため
・健康の維持増進
・趣味
・ムキムキや美ボディになりたい
他にも色々とあります。きっとどれも正解です。
運動の目的というのは、多種多様であるということが分かればOKです。
つまり、運動指導者はこの多種多様なニーズに答える必要があるのです。
運動も目的達成の為なら何でもありか?
ということは、運動指導の目的は、指導を受けている人のニーズに答えることということになるのですが、果たしてそれだけで良いでしょうか?
例えば、スポーツで勝つために運動指導を受けている選手がいたとして、その選手は勝てばそれでいいでしょうか?
勝つためであれば、ドーピングしたり、他の選手が怪我をする何かを仕掛けたりしてもよいでしょうか?
健康の維持増進の為であれば、それを邪魔しているものすべてを"排除"してもよいでしょうか?
趣味の為なら、家庭や仕事を軽視してよいでしょうか?
ムキムキや美ボディの為なら、無茶な食事制限をしてもよいでしょうか?
これらの問いに対しては、明確に「NO」と答えておきましょう。
そうです、目的達成の為であればあらゆる手段を講じますが、道徳的にいけないことは、いけないのです。
運動指導の目的とは
運動指導の目的とは、もちろんニーズに答えること、すなわち目的を達成することのサポートであることは間違いありませんが、その為に選択する手段は、道徳的であるべきなのです。
つまり、選手やお客様に道徳を教える場面があるということを理解しておきましょう。
確かに、一時的な近道は存在します。
先の例のように、勝つために薬を飲めば勝てるかも知れませんが、それで得られることは何でしょうか?
負けることは失敗かも知れませんが、道理に適った手法の選択で失敗したならやり直しが効くかもしれませんし、もしそこで引退したとしても、その経験が何かに活きるかもしれません。
アスリートであれば、ドーピングやずるい方法で勝つことには抵抗があるかも知れませんが、それでは健康の為、美ボディの為にもそれを当てはめることが出来るでしょうか?
過度な食事制限や無茶な運動を指導する、運動指導者(と呼べるかは知りません)が多くいる現実は……正直申し上げて、とても残念に思います。
アスリートも運動指導者も同じ心持ちで
アスリートは試合相手や、グラウンドに一礼をしますよね。
これ、古臭くもなんともなく、とても大切なことです。
例えばバーベルやプレートを大切に扱いましょうというのも、同じような思考です。
運動指導者として、選手やお客様にはその様な心を大切にするように、しっかりと"教育"しましょう。
私は選手やお客様に「先生」と呼ばれるのはあまり好きではないので「前田さん」と呼んで頂いていますが、言葉の種類は何であれ、そういった"教育"の局面が仕事にあることは、常に意識をしています。
だからこそ自分自身がまだまだ未熟だと思うことが多々あるのですが、やはり選手やお客様には、心を最も大切にして頂きたいですし、運動を介して、心を成長させていただく、あるいは自分の心も成長することを大切にしています。
試合で勝つことを含め、目的を達成することはもちろん大切です。
プロスポーツであればそれは至上命題とも言えますが、それでもその為であれば何をしてもいいわけではなく、道理に適った手法を冷静に選択できるようになりたいものです。
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