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介護は人を追い詰めるのか

177本目。世の中で”介護”をするのは、僕たち介護職だけではない。

家族の方が、まず最初に介護に直面します。
ぼくら介護職などは、その後に登場する。

まず、家族が介護に困るようになり、
介護の専門に任せる、という流れ。


介護職、看護師などは、仕事として介護するので、
家族の人ほど困らない。

・介護についての知識や経験があるから
・他の介護職などと交替で仕事するから
・他人なので割り切れる


介護をすることについて、
知っているか逃げられるか

知識と、気持ちを保つこと
これらはとても大事だと感じます。

終わりがない苦労の中・・・


ヤングケアラーという言葉をご存知でしょうか。

子供や10代、20代などの若い人で、
親や家族の介護に追われている状況にいる人

のことです。

最近介護の研修で知り合った20代の女の子は、
母子世帯で、色々苦労もあったようです。

そして現在は、
お母さんが高次脳機能障害とのことで、

でお母さんの介護をしながら、
介護施設で介護の仕事をしている。

基本的に優しい子ですが、


「もう、死んでくれと思うことが何度もありますよ」

という衝撃的な言葉が、口をつくときもあります。


お母さんの体調管理を考えて食事を用意するけど、
勝手に食べちゃって体調崩すとか、色々あるようで、


仕事もしながら、こんなに頑張ってるのに、、、


という、終わりの見えない、もどかしい気持ち
を常に抱えてしまうようです。

周りの20代に、同じような経験をしている人はいないようで、
友達に相談することもないといいます。

「言っても、引かれるか、わかってもらえない
 とわかってるし。。」


周りに助けてと言えたり、公的サービス(デイとか訪問介護とか)につながれれば、少しばかりは逃げられる。

彼女の場合は、介護の知識があることで、
公的サービスに繋がっている。

それでも、24時間の中にあっては、
家族だけの時間が圧倒的に多い。

そこでは、息が詰まるようです。

逃げられない、いつまで続くかわからない。


いかに、頼るか
いかに、逃げるか

気持ちを保つことを意識しないと、
やさしくすることさえ難しくなる。

当事者の話は、重く切ないものでした。

そんなヤングケアラーを、支援する団体もあります。
24時間テレビなどにも出ていた、宮崎さんの団体はクラファンしていたりしますので、リンク貼っておきます。


看護師さんでも、家族となれば、、、



訪問看護の事業をされている看護師さん。
看取りケアを積極的に対応されているとのこと。

介護や生きるか死ぬかという場面に、
むしろ慣れているプロ

そんな看護師さんでさえ、

ご自分の家族の介護となると、話は違うようで、、、


仕事では、落ち着いた対応ができるのに、

家族には、「なんでできないの?」
など感情的に怒ってしまったり、

とても冷静ではいられない、、、と。


似たような話は、他の専門職の方からもよく聞きます。


仕事で接する利用者さんは、あくまで他人

他人と家族
なにが違うのか。

家族とは、長い付き合いもあるので、
元気なころのことをよ~く知っている。

長い時間をともにしているので、
人間関係もできている。


そこには遠慮も少ないし、
こうあって欲しいという期待などもある。

仲が良ければ、死んで欲しくない、元気でいて欲しいと思うし、
仲が悪くても、死んでもらいたくない、苦労かけるなよと思ったり、

感情が先に出る。

介護における家族と他人の違いは、
思いのほか大きいように感じています。

介護は他人に任せてよし


家族だけでは大変なのが、介護。

少しでも他人を入れることで、息を抜いたり、
知識や技術を教えてもらったりして、少しでも負担を減らしながら、

持続可能な形で臨むのがいいのではないかと思います。


介護は、日常生活をうまく送ることができない人
が対象になります。

つまり、支える家族の日常生活に
思いっきり影響する
ということ。


仕事をしたり、育児をしたりしている家族は、
ただでさえ忙しい。

その中に、介護が入り込んでくるわけですから、
やることが増えて、時間が取られるし、気持ちにゆとりもなくなる。

容易に人を追い詰める


可能なら、事前に準備できることはしておきたいですね。

介護がはじまる前にできること


・介護の制度や仕組みのことを、知っておく
・親がどうして欲しいか、知っておく
・困ったら、困ったといえる練習をしておく

知っておく助けを呼ぶ、が大事

地域包括支援センター、ケアマネ、要介護申請
など知っておくだけでも違う

助けてくれる人たちです。


親がどうして欲しいとおもっているのか、
を知っておけると、さらにいい。

・自宅で最期を迎えたいのか
・延命したいのか
・誰に介護して欲しいのか

など、予め知っておくと、
意識がないなど、本人の意思を確認できない時に慌てなくて済む。


帰省した際など、話しておけるとベスト

「お父さんのもしも、のとき、後悔して欲しくないし、こちらもしたくない。少し話できないかな」

などと切り出せればいいですが、難しい場合、、、
カードゲームで気楽に、、、という作戦も(^^♪

CLUECARDはよくできてる♬


日本人は、こと「人様に迷惑をかけてはならぬ」
という価値観が強い。

とはいえ、介護において抱え込んでしまうと
追い詰められるので、、、


他人に頼るのは、大切。

普段から、頼り頼られることに慣れていくことも大事。


助けたい、と思ってもらえる自分でいると
助けてもらいやすい

助けたい、と思ってもらえるためには、

普段から、人を助けること


返報性の原理というものがあり、
親切にされると、親切を返したくなる人間の心理があります。


与えることで、与えられる

まずは、自分から助ける


情けは人の為ならず


助けてもらいやすい人になりつつ、
知識を得て、困ったら助けを呼ぶ


家族のみなさんが追い詰められないように
無理なく介護をしていけたら、と思います。


そして、ぼくら介護職は、
安心して任せてもらえるように励んでいかないと、です。


がんばんべ!!

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