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フランスの小さな町の映画館


スイスのジュネーブから車で30分くらい、フランスの小さな街。
ある朝、バス停に向かってるとかわいい色の映画館を見つけた。
水色の外観に、中はローズの壁。この感性は日本人にはないなと一気吸い寄せられた。


一歩近づく…

なかをのぞくと、見覚えのある絵が貼ってある。
その先に店員さんがいるんじゃないかと、恐る恐る近づいた。
なんせ、フランス語でいろいろ説明できないので、挙動不審なアジア人と思われるんじゃないかとこわかった。

もう一歩

沢山のジブリ作品の絵!
全部アニメの絵だから、アニメの映画館なのか?
フランス語で尋ねることができず無念、いや店員さんがいないことに少しほっとした。

フランスではスーパーへ行っても、図書館へ行っても日本のアニメの本が沢山置いてる。やっぱり日本のアニメはメジャーであり、人気があるんだな。

普通のスーパーの本コーナー

ちょうど、ドラゴンボールの作者、鳥山明さんが亡くなられたばかり。フランスの人は知っているのかな、と気になった。そのほか、「推しの子」「SPY×FAMILY」など、ごく最近のアニメも、ちゃんとフランス語に訳されている。

妹の夫(フランス人)もかなりの事情通で、今回「めぞん一刻」と「ふしぎの海のナディア」を「あんなに面白いアニメはないので見てください〜」と、推してきた。「ふしぎの海のナディア」は子どもたちが3週間の滞在で毎日見続けた。私は子供の頃に聞いたことがあるような、ないような。はっきり覚えていない。

帰国前日、「めぞん一刻」をまだ見てない私に、「DVDに焼こうか?」と言ってくれたが、小学校の頃見てたのでと、丁重に断った。

日本のアニメ文化がフランスで人気と知ってても、これほどフランス人の日常に浸透しているのかと実感して驚いた。ドラゴンボールもまともに見たことのない私にとっては肩身が狭いような、でも日本人としてアニメ文化が誇らしいような、その二つが入り混じる複雑な気持ちを滞在中何度も味わった。

考えたら、フランス人アニメオタク(妹の夫)に、日本人の私が日本の作品を推されるシチュエーションって面白いな。「え?ほんとに知らないの?」とか嬉しそうだし、「こんなに面白いのに〜!」と頭を抱えて残念がる姿。

そういえば映画もしかり。小津安二郎監督、北野武監督、是枝裕和監督。「何度も映画を見て、あのシーンがたまらない」と、日曜のランチに家族で熱く話すのがフランス流だった。

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