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30代男が女性誌コーナーに通った話

皆さんはどんな雑誌を読まれているでしょうか。

「雑誌なんてそもそも読まない」という人がそもそも多そうですが、本屋に行くと未だに雑誌コーナーは店頭の一番目立つところに鎮座し、今なお本屋の営業を引っ張っている稼ぎ頭であることが伺えます。

そんな雑誌コーナーに行くと様々な雑誌が存在しています。趣味系からビジネス、ファッションなど多種多様な雑誌がありますが、目を引くのが「女性雑誌」のバラエティの豊かさです。

と、言っても特に男性は「言われれば何となく分かるけど特段気にしたことはなかった」くらいの事実でしょう。自分もそうでした。

しかし、愛知県岡崎市で地域の中小企業専門のコンサルで数多の実績を上げていらっしゃる秋元祥治さんのセミナーで「男性なら女性誌などの自分が全く触れてこなかった分野の雑誌を本屋で読む時間を設ける」ことを推奨されていて、自分も本屋へ足を運びました。

ちなみに秋元さんのセミナーはめちゃくちゃ勉強になる上に非常に楽しく学べるように設計してくださっているので、特に新規ビジネスを始める方などにとっては機会があれば講演会など行かれることを超絶オススメします。

結論、女性誌コーナーはめちゃくちゃ楽しかったです。月並みな言い方ですが、やはり自分が知らない世界を覗いて新しい刺激を得ることはかなり楽しいものでした。

今日はそこで得た知見や自分なりの仮説をメモとしてまとめてみようと思います。あとこのへんの知識を持っておくと女性心のわかるモテ男になれると思います。ヨ。

なお、以下はあくまで女性誌を読んでみて感じたことですので、すべての女性(及び男性)がそうであるという断言や決めつけをする意図はないということをご了承下さい。(便宜上部分的にそうも捉えられるような書き方をしている部分もありますが、あくまで雑誌の傾向から類推できる側面という前提で読んでいただけると助かります)

あくまで「女性誌を作る側はこういう女性のニーズに応えようとしている」という自分なりの仮説を書きます。


「なりたい自分の姿」を雑誌に投影している

女性誌と一言に言っても本当に様々あります。しかし表紙を一目見るだけで「これはどんな女性向けか」ということがひと目でわかります。

女性誌の表紙を飾る女優やモデルがその雑誌の読者層を端的にビジュアルで表しています。

10代~大学生向けの雑誌であれば若くて元気なモデルな一方で、30代でバリバリ仕事をやりながら子育てもしているような女性向けの雑誌は落ち着いたトーンの衣装をまとった女優が表紙を飾っています。

一様に水着を着た若い女性の表紙がズラッと並ぶ男性向けの雑誌とは対照的で、女性誌はターゲットとなるセグメントに分けて細かくその女性たちの「理想像」にふさわしいビジュアルを選定しているように感じます。

そう考えると、男性の場合は雑誌に対して自分とは切り離された魅力的な他者(あるいはモノ)を求めるのに対し、どちらかというと女性は自分自身と雑誌に重ね合わせることで自分のなりたい姿を紙面に投影するような楽しみ方をしているように感じました。

中身に関しても、若年層向けの雑誌はメイク用品や有名人のメイクのやり方などがどの雑誌も大抵かなりなボリュームで割かれているのに対し、年齢を重ねていくと服の着こなし方や人間としての生き方や価値観などに雑誌の焦点が移っていくように感じました。

若い女性の場合は他の誰かに外見を近づけようとするある種のコスプレのような変身願望を持つのに対し、歳を重ねるとどちらかというと内面的な自分なりの生き方についての迷いや悩みへの救いを求めているようになるように感じます。占いの特集や関連本が根強く人気なのもこういった背景があるように感じました。


想像以上の韓流人気、追従するジャニーズ

これはティーン向け雑誌に顕著な傾向でしたが、ほとんどの雑誌で韓流アイドルの特集に多くのページが割かれていました。韓流アイドルが若い女性に人気、とぼんやり把握していたくらいのおっさんにとっては、この力の入れように大きな衝撃を受けました。

それに呼応するかたちでか、やはり女性のメイクも韓流っぽいトレンドがまだまだ主流なようで本当に若者文化に対しての韓流のインパクトはものすごいと感じました。

それに対して国産アイドルたるジャニーズも負けてはいませんが、最近の若い子たちが好きなジャニーズの見た目にも韓流化の流れがくっきり見て取れました。

人気がある男性は皆どこか中性的な印象を持ち、バッチリファンデーションもリップも塗った韓流メイクの潮流にジャニーズのトップ人気アイドルも追従しているように感じました。

一方やはり女性誌も年齢層があがると一気にそのような傾向はなくなってしまうのですが、この韓流化の流れが今のティーンの女性たちがもっと歳を重ねたときにどうなっているのか世間の動向を見ていきたいと感じました。


生き方や心と向き合いたい

女性誌コーナーの横には女性向けと思われる実用書も並んで置かれているのですが、そちらに関しても女性らしさが垣間見えます。

メンタルに関することや、人間関係、自分がどう見られたいかというトピックに関連した書籍が並んでいます。先程も述べましたが占いの本も多いです。

https://amzn.to/3Jc2LK0

一方で男性はやはりビジネスでの成功の秘訣やお金に関することなど、「どう社会で勝ち上がるか」といったという書籍が雑誌コーナーの近くに置かれているのも比較対象として興味深かったです。


女性は「人」に興味がある

女性誌を見たざっくりとした総論として、女性は「人」への関心が高いのかなぁということを考えました。

女性は雑誌の中のモデルたちの姿や生き様に自身を投影し、メイクやファッションの特集で憧れの誰かに近づく秘訣を探っています。

女性の大きな関心事は「自分の心をどうコントロールするか」「自分がなりたいあの人になるにはどうすればよいか」などの自分自身への変化や、「憧れのあの人はどんなことを考えているのか」「あの人の普段の姿を知りたい」などという他者への興味にあるように感じました。

いずれも中心は「人」がいて、大げさに言えば女性は人という媒介を通して世界を見る傾向があり、自分の身体が世界の一部であるという認識も強いのではないでしょうか。だからこそ人間関係に悩み、自分を他の世界の誰かに投影して近づこうとします。

一方男性は、自分のなりたい姿というよりも(若くて健康的な)魅力的な異性やモノ(楽器、フィギュア、電車、、)など自分とは切り離された対象(変身不可能な対象)に対して関心がある傾向が見えます。
男性にとっての世界は自分と明確に区別され、それはときには感情の矛先であり、コントロールの対象であったりするように感じます。


顧客セグメントは雑誌で分割すると良いのかも

ちょっとこの事実をビジネスっぽく転嫁するならば、従来より行われている手法ではありますがマーケティングで用いられるターゲットセグメントは読んでる雑誌で分けるのは非常に有効なんだと思いました。「この商品は20代女性をターゲットにしている!」というより「この商品はCamCamを読んでるような層だ!」というとよりターゲットの解像度があがってきます。

もちろん前提として「雑誌を読んでいる人」という縛りが出てきてしまうため世間のすべてをくまなくセグメントできるという類のものではないのですが、ターゲットを議論する際のコミュニケーションツールとしてかなり優秀に感じました。

こんな感じで自分の知らない世界に飛び込んでみることで得られる知見は非常に大きいなぁと感じました。しかも本屋に寄るだけならお金もかかりません。

次の回ではそんな本屋について、今後本屋はどのような戦略で生き残りをしていけばよいのかを考えてみました↓

では、また。

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