グラフィックデザインは最悪なクリエイティブだ【海外記事メモ】
こちらの海外記事のメモと感想になります。
グラフィックデザイナーの経験を持つ筆者が、グラフィックデザイナーでの仕事の経験と昨今の社会情勢から、デザイナーを目指す人への警告を書いています。
グラフィックデザイナーは最悪の仕事だった
筆者は数年前までグラフィックデザインを仕事にしていたようです。しかし、その仕事は最悪でした。
ワークライフバランスは存在しません。24時間クライアントの要求に対して応えられるような体制を求められます。クライアントにとってデザイナーは常に仕事をすることを求められ、余暇を過ごすことなど想定されていません。
それでもクライアントの要求(個人の感情に由来する)に振り回されながら単調な仕事が続いていきます。(上のイラストがそんなクライアントを示したものです)
グラフィックデザイナー人口の増加が少ない
さらに昨今の社会状勢を踏まえるとグラフィックデザイナーになること自体が難しいものとなっています。
潤沢な資金のあるデザイン企業はすべてのデザイナーへ十分な給料を支払うことができますが、小さい企業、特にグラフィックデザインを専門とするような事務所にとってはそれが難しく雇用が少ない状況が続きます。
そのような状勢もあってかアメリカ労働統計局の調査によると、2020年から2030年にかけてグラフィックデザイナー人口の増加は3%ほどとなり平均的な職業の増加率を下回っています。
そのため、グラフィックデザイン業界は優秀な人材確保が非常に難しい状況にもなり、業界全体が縮小していくことが予想されます。
グラフィックデザインはアートでなくサイエンス
グラフィックデザインの領域には継続的な学習が求められます。業界の状勢は日々変化し、スキルが十分になるということは決してありません。
また、唯一の正解となるような解決策も存在しません。良い方法も悪い方法もありません。デザイン作業は常に終わりないものです。
デザインにおいて最もコストがかかるのは市場へ投下してからになります。デザイナーの注意はリリース後も注がれなければなりません。
結局グラフィックデザインは最悪なクリエイティブだ
これはRedditに投稿されたコメントです。
グラフィックデザインはかなりの創造性を要する上に謙虚さ(意訳:給料が低くても我慢する力?)を求められます。
ただし、デザインを学びそれを職業とすることが無意味ということではありません。デザインを職業とするなら、グラフィックデザイナー以外の道でもっとより楽しく生産的なチャンスがあるかもしれません。
グラフィックデザイン+αの必要性
以下は感想です。
グラフィックデザインのようなデザインの歴史の中でも古くからある分野は今後ますます職人化(高度な技術を持つ少人数のみが市場を掌握する)が進んでいく気がします。
記事でも述べられていた通り純粋なグラフィックデザインの仕事の需要というものは先細りの状況にあります。
その理由は述べられていなかったので想像での補足になりますが、昨今デザインの領域が拡大していることでデザイナーに求められる守備範囲が広がり、相対的にグラフィックデザインの仕事領域が狭いものになってきたことにあるかと思います。
クライアントの依頼に対して適切なグラフィックを作る、という従来型の仕事だけではなく、ビジネスの方向性からデザインをトータルでマネジメントするようなブランディングや、広く社会の構造を考えるようなソーシャルデザイン、アプリやWebのUIデザインなど、デザイナーの活躍の幅はどんどん広がっており、グラフィックデザインはその中の1部分という認識が広まりつつあるような気がします。
そのため、グラフィックデザインのみを専業としてやるにはそれだけで他と差別化できるほどの圧倒的な技術力と実績が必要になると思います。
そのため相対的に分野が狭くなった専業グラフィックデザインの領域は、伝統工芸の職人のような細部までとことんこだわり抜いた魂の1作を作るような仕事が求められ、その分野での生き残り競争は少人数の席を奪い合う熾烈な争いになる気がします。
だからこそデザイナーとしての生存確率を上げるためには、少しでもデザインの守備範囲を広げる必要があるなぁと感じました。
自分もアプリなどのUIを作るデザイナーではあるのですが、HTMLなどのWebのコーディングを求められる場面がかなりあります。
その度に「できません、、」と断っているのですが、やはり自分のデザイナーとしての生き残りを考えると、そういったテクノロジーへの素養もやはりどうしても必要だなぁと感じます。
※そのあたりの整理はTakramの著作で説明されるBTCトライアングルの話が非常に明快なのでオススメです
アメリカも日本もデザイナー業界は似た問題を抱えているんだなぁ~ということを実感しつつ、継続して勉強していこうと思いました。
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@やました
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読んでいる本のメモをつぶやいています。
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