見出し画像

激動の2020年。初の転職、起業の中で見つけた自分の"本音"

こんばんは。久しぶりのnote更新です。

毎年この時期になると、その年の振り返りと来年への豊富をまとめた記事を更新しているんですが、今年は兼ねてからお世話になっていたPanasonicと、noteがコラボした #はたらくってなんだろう というテーマにそって振り返っていきたいと思います。

まず今年のハイライトとして、はたらくという文脈では以下の変化がありました。

・大学を中退して入社し、執行役員を務めたスタートアップを退職した
・全くの未経験領域であるFintechのスタートアップに転職した
・副業的な立ち位置ではあるが、会社を起業した

※最初のテーマは以下の記事にその理由や背景はまとめたので、詳細が気になる方はぜひ合わせて読んでいただけると嬉しいです。(最近「このnote読みました!」というメッセージを多くもらえて嬉しいです...いつもありがとうございます!)

https://note.com/maekawa_nb/n/nfd44fae2ced4

さて、ハイライトを見るだけでもかなりパンチが利いた1年だったなと個人的に思いますが、その一つひとつの意思決定の中で考えたこと、悩んだこと、そして導き出したことを書き記していきたいと思います。


1. 追いかけ続けてきた自身のミッション

まず自分のミッションについて、身近な人にはよく話していたりするんですが、僕は『社会全体の幸福の総量を増やしたい』というのが最も頂点に位置しており、その上で『社会全体の幸せを阻害する主要因となる課題を解決する』というのを行動指針として掲げています。(※掲げたミッションになった理由は上記に添付したnoteに書いているので割愛します)

そしてこの行動指針の中で、自分なりに最も課題感を感じていたのが、大学在学当時に行き着いた"労働市場の課題"でした。

簡単に言うと、1日24時間の生活の中で、睡眠時間を除いた人間の活動時間において、最も構成比率が高いのは基本的には仕事をしている時間であり、この時間の充実度次第で人生の幸福度が大きく左右されると考えているんですが、それにも関わらず仕事に対してネガティブな感情を持つ人、また実際に不幸な環境で苛まれている人が多すぎると感じており、その課題を引き起こす要因が日本の雇用慣習(日本型雇用、新卒一括採用等)という仕組みであると当時は分析していました。

その上で、大学を卒業した将来を不安視する学生や、新卒入社後にギャップを感じて苦しむ社会人1年目、日々の業務に忙殺されて生きがいを見失いかけていた社会人2,3年目等、自分自身の原体験で感じた課題を引き起こす課題、つまり核となる部分に”新卒採用市場の仕組み"があると判断し、その仕組みを破壊的に解決できるような価値ある事業を展開する企業でチャレンジしたいと考え、新卒採用に一風変わった価値を提案する前職(株式会社エンリッション=shirucafe)に入社しました。

当時は経団連の指針が強固に順守されていて、新卒採用領域においては所謂「就活は3年生から」というルールが浸透しており、たとえ大学1,2年生のような低学年が就活開始を希望しても、仕組み上、十分な機会を得られないという課題が顕在化していました。それ故にプレイヤーである大学生にとっても「自分自身の将来を考えるのは大学3年生からで大丈夫」という誤った理解が一般化してしまっており、それこそが就活慣習における深い課題だと考えていました。(余談ですが海外諸国においては、高校在学時には将来を考え始め、大学1,2年生から長期休暇を利用してインターンに参加したり、自身の興味領域を広げたり、スキルを磨くような活動が一般的であり、グローバル視点でもこの慣習には変えうる余地があると思っています。)

※就活の海外比較に興味ある方は、是非コチラの記事を見てみてください。それ以外にも前職時代に書いていた就活市場の変革戦略案が色々あります。

こうした背景から当時には、大学1,2年生から参加できるインターンシップ事業や、地域格差・学歴格差をなくすオンラインビジネスコンテスト事業等を立ち上げつつ、クライアント企業への提案と大学生への普及活動に勤しんでいました。加えて昨年末には大手人材会社であるマイナビさんとも資本提携し、立ち位置が違う強みを生かしながら全国的により多くの企業に対し、講演会や研修会、イベント等を通して、あるべき採用の在り方や今後求められる活動を啓蒙していました。

そして、その活動がどこまで功を奏したのかは分かりませんが、結果として昨年からは経団連の指針が廃止移行となったり、通年採用を開始する企業が増えたり、今年に入ってからはコロナウィルスの影響もあってリモート勤務や、職場のDX、副業等もより柔軟性を持って認められようになり、僅か3年前と比較しても考えられなかったようなスピードで新卒採用市場は変遷していきました。このとき所謂規制に穴が開いた状態となり、それまではマーケットの行き詰まりで可能性を感じていなかった競合他社も、これを契機にこぞってサービスの形を変え、それが後押しとなって、日本の雇用慣習が名実共に変化していくことを肌で感じ、自分が掲げてきた目標の一つがクリアされていくんだと確信したと共に、一区切りをつけました。(今は変革過渡期なので何かとしんどいとは思いますが、この過渡期を乗り越えた先には新たな一人ひとりが充実したはたらく環境が整備されることを期待しています)


2. ミッションを追い続けて発見した"3つの気づき"

さて、ここまで一貫して雇用慣習の変化に人生をかけて勝負してきた訳ですが、結果として以下3つの理由で別の環境にいくことを決意します。

①自分が信じる道(理念)を捻じ曲げたくない
②世の中にはまだまだ幸福を阻害する深刻な課題が存在する
③社会にインパクトを与える器になるにはもっと修行が必要

それぞれにふれていきます。

自分が信じる道(理念)を捻じ曲げたくない

自分の座右の銘として『有言実行』を掲げているように、自身が掲げた理念やそれを達成する道筋に対して、一貫した志とそれに基づく行動を行うことに強くこだわりを持っています。そうなってくると時に目指す方向性が自分と他者(企業)が合わないことがあります。勿論全部が全部という訳ではありませんが、中でも根源的な目的となりうる部分においては、自分の理念から反した状態で前に進むと、まるで自分にも他者にも嘘をついているように感じ、その最果てには例えその選択によって成功しても、また失敗しても喜怒哀楽が生まれない、一種他人行儀になってしまうという結末があることを今年は強く感じました。その闇に飲み込まれていた期間が一定期間あったのですが、色々な方と相談する中で最終的には自分自身に嘘をつく生き方をしたくないと決断し、今後の人生においては"自分が信じるもの"を追求していこうと思い立ちました。

②世の中にはまだまだ幸福を阻害する深刻な課題が存在する

これは外的要因が大きいのですが、最初に整理した通りに最も頂点に位置するミッションは社会全体の幸福総量を増やすことであり、当時の知識・経験範囲においてそれが労働市場の課題であると分析していました。一方で歴史上にも刻まれるであろう今年のコロナウィルスによる影響によって、1つ大きな気づきを得ました。それは、『世の中には経済的な不安を感じている人が多い』ということです。当たり前と言ったら当たり前かもしれませんが、緊急事態宣言等によって労働が制限され、それによって給与確保が困難になるとたちまち経済困窮になるという実態を目の当たりにし、尚且つそれによって苦しむ声を多方で垣間見たことにその問題の深刻さを肌で感じました。一言で言うと「幸せはお金で買えないけれど、幸せになるために必要なものはお金がないと買えない」という当たり前のようで、本質的なことをこの経済的不安が蔓延する中で再認識し、気づけば自分にとってその解決の優先順位が著しく高まっており、ネクストキャリアの礎となりました。

③社会にインパクトを与える器になるにはもっと修行が必要

これは①に通ずる話なんですが、"理念を追求する"というのは口で言うのは簡単であるものの、それをやり切るのは非常に困難です。自分自身がスタートアップの経営に関与する中でもそうですし、周りのスタートアップの話を聞く上でも、得てして掲げたビジョンや達成したいミッションを目指してスタートしたものの、何らかの推進課題によって頓挫してしまうという例が後を絶たず、最終的に企業自体が撤退するケースも少なくありません。スタートアップの成功には複雑的要因があることは承知の上ですが、それでも中核的にいた自分が発揮できる価値の不足感や、知識や技量があれば解決できた課題を妥協案で意思決定せざるを得なくなった時の悔しさ、もっと一人ひとりと向き合っていれば起こりえなかった組織課題の対処等、挙げだせばきりがない程に力不足を感じることがありました。今の自分では、例え良い筋を持つ事業や企業に巡り合ったとしても、その企業を勝たせるまでの力を有していないという現実に焦燥感を抱き、0から能力を叩きあげられる環境に身をおいて、自分の苦手としてきたことやもっと強みとして伸ばせる部分にコミットしようと決意し、それらが満たせる環境を次のステージとしてフォーカスすることにしました。


3. 新たに掲げたネクストキャリアの必要要件

①②③の観点から導き出したネクストキャリアの必要要件としては、以下の3つに整理することができました。

1. 掲げる課題と解決を志す理念に共感でき、かつ"本物"の企業である
2. 世の中の経済課題の解決に携わることができる
3. スタートアップ経営に加え、財務・ITの知識/経験が身につく

ここは先ほどの環境を変える理由になった3点にそれぞれ呼応する要件なので、詳細は割愛しますが1,3だけ少し補足したいと思います。

1については改めて自分自身の能力を最大化するトリガーに理念の共感というものがあると認識したので、例え解決する課題が自分の思い描くものと同一だったとしても、それを解決する理念に賛同できなければ参画しない、と決めました。加えて"本物"という言葉を付け加えたのですが、これは個人的な経験範囲の中で、やはり”口だけ理念"というのは実態として多く、コーポレートサイトは華やかに作成されているものの、実態の社内の意思決定基準は別の観点が重要視されていたり、経営者がカルチャー作り・浸透にコミットしていなかったり、VC等のステークホルダーに実態と異なった方針の話をしていたり等、その判断する要因は色々とあるんですが、例え未熟で不完全であったとしても本物であろうとする企業であることを自分は重要要件として定義しました。(※理念を重視してキャリアを考える方で、特にベンチャーを志向する方はこの視点を考慮することをオススメします)

3については"スタートアップ経営"と一括りにすることは難しく、業界や業種が変われば勿論色が変わりますし、経営者の価値観によっても十人十色になるものだと思っています。何が正解なのかは、取り得る意思決定オプションという絶対基準だけでなく、決定時の外的環境やトレンドなどにも左右されるので一概には判断できませんが、だからこそ新たなタイプの経営者と共に前に進んでいく中で新たな視座視点を手に入れることを目指していきたいと思っています。また財務・ITの知識という点ですが、まず財務はスタートアップ経営の成功確率を高める上でいかに重要なものなのかを経験で理解し、一方で一度ある程度体系的に知識を詰めば色んな企業で応用が利く範囲にあるので、自分が若年の内にミッチリ身に着けておきたいというのが背景にあります。他方でITにおいて、今後携わっていく事業においてテクノロジーの理解力が低いことが経営推進のボトルネックになることはおおよそ間違いないと思うので、プログラミングをできるレベルまではスコープしていませんが、技術者と十分に議論できるレベルまでは身に着けておきたいと考えています。


4. 行き着いたセカンドキャリア

さて、そんな必要要件を経て、選択したのがこの2つになります。

a)貸付投資ファンドを運営するファンズ株式会社(Fintech Startup)
b)戦略人事のBPOを中心に、理念のある会社の総合的な価値向上をサポートするGame Changers合同会社(起業)

それぞれ簡単に紹介させてください。

a)貸付投資ファンドを運営するファンズ株式会社(Fintech Startup)

まずは2020年7月1日から貸付投資ファンドを運営するファンズ株式会社に入社しました。当社が手掛ける「Funds」という事業は、事業体としてはソーシャルレンディングの枠組みで、個人が1円から上場企業を中心とした優良企業に貸付できるサービスを提供しています。(最近ではメルペイとの連携をリリースして一部界隈で話題にもなりました!)ファンズはまさに自分が課題に感じていた個人の経済的課題というテーマにフォーカスし、独自の解決手法(まだない答え)を大事にしています。また有難いことに入社までには面接が5~6回くらいあったのですが、その過程の中で様々な方とお話する機会を頂き、社長含むその人たち全員が同一の表現で理念を言語化し、それを元に活動しているという話を聞いて、本物の気概を感じました。そんな素晴らしい環境のめぐり合わせがあり、転職活動中には3~4社しか面談していない中でも自信をもってお世話になる決意をすることができました。今は絶賛金融、Fintechという領域を多勉強中ですが、少しでも早く価値を出していきたいと思っています!(是非金融界隈の皆さま交流させてくださいmm)


b)戦略人事のBPOを中心に、理念のある会社の総合的な価値向上をサポートするGame Changers合同会社(起業)

次に時は同じくして2020年7月8日に、戦略人事のBPOを中心に、理念のある会社の総合的な価値向上をサポートするGame Changers合同会社を起業しました。こちらは前職から引き続き採用・雇用というテーマにおいて、自らが培ってきた知見や経験を還元することをメインにしており、変わりゆく労働市場を間近で観察しつつ、あるべき方向に向かっていくように主体者となる企業を陰から支える役割を担っています。また有難いことに退職後、各所から仕事を依頼していただいて、今では捻出可能なリソースの範囲の中で、大好きな企業のサポートに邁進している状態です。現状においては前職から提唱していた"採用ブランディング"という取り組みの導入を検討している企業の支援が中心にはなっているので、その枠組みでもし興味ある方がいらっしゃったらお気兼ねなくご連絡ください!(このあたりのナレッジを集約し、企業の人事戦略を担う方に向けたメディアも提供しています(https://recruiting-branding.com/)

P.S Game Changersには数少ない自分が心から信頼している優秀な後輩たちや、意欲が高くて優しい先輩方に助けられており、彼ら/彼女らと一緒に好きな仕事ができるのがとても幸せです。この場を借りて感謝を伝えます。いつもありがとうございます!!

Human Asset Branding_紹介資料

それ以外にも、ボランティアの中で日本最大級のスタートアップカンファレンスであるIVS(https://www.ivs.events/)の運営に参加していたり、友人が起業した会社のアイデンティティー作りを手伝ったり、先輩経営者の方々に揉まれながら新規事業の模索・本の執筆を準備したり、経営者ご用達のコーチングを受けに行ったりなど、これまで一貫して一つの領域に特化していくような進み方だったので、羽を伸ばすように自分の限界を決めずにやれる範囲で活動領域を広げていっています。コロナの影響で中々直接お会いできるシーンも少なくなってきていますが、会うたびに良い意味でサプライズを提供していけるように頑張っています!


5. 2020年を通して考え抜いた "はたらく" ということ

さて、色々と自分語りをしてきましたが、今回のテーマである #はたらくってなんだろう というテーマに集約して締めくくろうと思います。

まず、これまで僕は"仕事"とは『大人だけができる遊び』と定義してきました。

どういうことかと言うと、原理に立ち返れば”遊び”と”仕事”とは本質的な点で異ならないというのが僕の考えにあります。具体的には、例えば遊びの代表格である「鬼ごっこ」で考えてみると、鬼になれば逃げる子を捕まえることに達成感を感じ、逃げる側は鬼から逃げ切ることに達成感を感じます。しかしそこまでのプロセスは逃げ切れるか否かという不安な感情もあれば、逃げている最中は体力の限りを尽くすわけで当然しんどいですよね。また、より色んな人から逃げ切れるために、日々の生活でスピードを高めるトレーニングをする訳です。つまり自身が充実感を感じる目的や結果のために、必要なプロセスを経ているんです。

こんなに鬼ごっこについて説明されたことは初めてかと思いますが、こういう切り取り方をしてみると、今皆さんが行っている"仕事"とも同じことが言えないでしょうか?

例えば営業においては、顧客に価値ある商品を販売し、その結果顧客の成功と感謝を得ることに達成感と充実感があり、それを達成するまでの過程として商材勉強やプレゼンテーション能力の向上、関係構築能力の磨き上げなどのプロセスを経ていく訳ですよね。この整理で考えてみれば、遊びでやっていることと内容は違ったとしても、原理は何ら変わらないと考えています。ただし子供の時に背負えるリスクはほぼ皆無ですし、個人の範疇で扱えるスケールには限りがあります。一方で大人になれば企業という法人に所属し、自分の持ちうる資産やリソース以外も動員した形でその原理に携われる点で、『仕事とは、大人だけができる遊び』と定義できるんじゃないかと思っています。

この延長線上で、2020年のこれまで紹介した変遷の中で感じたこととして、原理原則は変わらないとしてもやはり "なぜその結果を追い求めるのか" というwhyにあたる部分が、自分にとっては大事でありますし、何より企業と個人がリンクする唯一無二の価値指標なんじゃないかなと改めて思いました。

組織活動においては勿論自分一人だけで会社を動かす訳ではないので、多種多様な価値観を持つ方と協働することは必須です。そしてパーソナリティーな話だけでいえば、自分と同じ価値観を持つ人等いないに等しい割合といっても過言ではありません。そんな中で共通して一つのベクトルに向かって進んでいくためには、軸となる指標が必要であり、その中心に位置しているのが"理念"であると経験から実感を得ました。また、理念をただ掲げるだけでなく、いかにそれを"浸透させるか"が重要であり、最終的に組織の末端まで理念が浸透し、あらゆる企業活動が理念の体現となる"ブランド理念経営"を実現している会社に大きく魅力を感じるようになりました。

企業としてブランド理念が明確であれば、その企業で働く事を希望する人からしても入社前後でミスマッチが少ない状態を創り出すことができますし、何より企業理念と個人理念が整合している状態であれば、自分自身の理念を追求すること=企業理念を追求することであり、ひいては企業成長を実現するものとなり、その結果として企業が利益を上げて、それが社員に還元され、より個人のはたらく中での幸福感が高まるサイクルを生み出せる可能性を秘めていると個人的には感じています。

長くなってしまいましたが、僕にとってはたらくということは、"自分自身の理念を追求すること" であり、それこそが"大人だけができる遊び"なんだと思っています。なので、企業に入ってやりたい事を見つけるのではなく、やりたい事を追い求めていった果てに自分にとって唯一無二の企業があるはずで、もしそれに巡り合えていないというのであれば、もっともっと自分が楽しいと思う事や、充実を感じること、やりがいを感じること、没頭してしまうことに向き合って欲しいと思っています。そして何より自分自身が最も幸せに感じる瞬間を大切にして、自分が幸せになる選択を見つけ出して欲しいです。(自分へのメッセージも込めて)

、、、

ということでいつも通りの長文になってしまいましたが、2020年の「はらく」をテーマにした振り返りはこんなところで締めたいと思います。2021年も皆さん何卒よろしくお願いいたします!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?