為替と金利と株価の関係【アメリカ利上げとインフレについて解説します】
今回は金融の基本部分を解説していこうと思います。
これを知ることで以下のことが分かります。
少し退屈な部分もあるかもしれませんが、できる限り簡単に分かりやすく説明していきますので頑張ってついてきてくださいね。
では早速いきましょう!
金利と株価の関係性
金利というと、ゼロ金利・マイナス金利・利上げという用語が思い浮かぶかと思います。
現在日本ではマイナス金利を導入しており、アメリカはゼロ金利からこの半年間でどんどん利上げをしているのはニュースなどでご覧になられているかと思います。
その金利と株価の関係について解説していきたいと思います。
結論から言うと、
傾向にあります。
なぜそうなるのか解説しますね。
政策金利という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、
この金利は日本では日本銀行から各銀行がお金を借りる際にかかる金利のことを言います。
アメリカにもFRB(米連邦準備制度理事会)という中央銀行があります。
そのFRBがゼロ金利にすることで各銀行が低金利で企業に対してお金を貸すことができます。
企業はお金を低金利でお金の借入ができれば設備投資に充てることができるため業績アップが見込めます。業績が上がれば株価も上がる傾向にあります。
逆に今のアメリカのように利上げをして金利を上げるとどうなるかというと、企業は銀行からの融資を受けにくくなるため業績が上がりにくくなる可能性がある為、株価が上がらない傾向にあるということです。
アメリカは2020年3月にゼロ金利政策を行いました。いわゆる金融緩和です。
FRB(日本で言う日本銀行)が各銀行に金利を0%で借入ができる状態にしたことで、企業も銀行から安い金利で資金調達ができるようになりました。
その結果企業の業績が回復すると見込んだ投資家のお金が株式市場に流れ込みNYダウの平均株価は一気に上昇したということです。
このようにFRBや日銀は全体を見通して金利の調整を行なっているというわけですね。
今回アメリカのFEBがどんどん利上げを発表していますが、その度にNYダウ平均株価は大幅に下落しています。それは日本の株価にも影響があります。
FRBはアメリカの急激なインフレを懸念して利上げをしているのですが、利上げをすることでなぜインフレが改善されるのか?そして今後のアメリカや日本の景気はどうなるのか?など後半で解説していきます。
為替と株価の関係性
為替というといわゆる1ドル〇〇円ということを連想すると思います。
となります。
円だけ見てると混乱しますが、
1ドルに対して円の価値が上がった(円高)か下がった(円安)かということですね。
1ドルという同じものを90円で変えたものが110円も払わないと買えなくなっているので、それだけ円の価値が下がってしまったということになります。
現在は1ドル=約140円なので円安と言われているんですね。
(2022年11月22日現在)
ではその為替が企業の株価とどのように関係しているのかを見てみましょう!
円安・円高は企業にとって株価に大きな影響がある
結論、
よって企業の株価は円安・円高にものすごく影響します。
輸出は車などを日本から海外に売ることで輸入は海外から仕入れることになります。
例えばトヨタが車を海外に売る(輸出)した場合、1ドルが80円(円高)の場合と110円(円安)の場合だと販売するドルは変わりませんので円に換えた時に1ドル=110円(円安)の方が利益が多く生まれますよね。
なので、輸出企業は円安の方がメリットがあります。
逆に原材料などを輸入に頼らざる得ない企業の場合は円高の場合は安く仕入れることができるのですが、円安になると仕入れ額が高騰してしまうので円高の方がメリットがあります。
現在は円安傾向にあるため原材料の価格が高騰しています。
余談ですが、円高だと日経平均が下がる傾向があります。
その理由は日経平均は日本を代表する225銘柄の上場企業における平均株価によって算出されます。
円高で日経平均が下がるということは225銘柄に多くの輸出企業があるので円高の場合下がるということになります。
アメリカで歴史的金利引き上げと物価の関係
アメリカの政策金利は4%まで上昇しています(2022年11月22日現在)
これは2007年12月以来の上昇となります。
政策金利の利上げはアメリカのインフレを懸念しての政策ということはご存知かと思いますが、
なぜ利上げをすることでインフレを抑えることができるのか?という点を解説していきます。
結論から言うと、
といった流れでインフレを抑えているわけですね。
ちなみに2022年3月からの利上げの推移は以下の通りです。
およそ半年で政策金利は0.25%から4%まで上昇しています。
なかなかインフレが抑えられなかったのですが、ようやく山を越えたと報道されています。
この間日本は一度も利上げをせずマイナス金利を続けています。
インフレが悪いわけではなく今回は急激に上がりすぎたのでFRBが調整を行なっている状態です。
物価が上がり、それと同時に賃金も上がり、消費が拡大することでお金が流通することで景気も良くなっていくのですが、
急激に物価だけが上がり、企業も販売価格を急に上げることで売上が減少するので、利益を圧縮せざる得ない。
当然、従業員の賃金はそのまま。もしくは採用を控え人件費を抑える傾向にあります。
賃金は変わらないため買い控えが起こり消費も縮小しお金が流通しなくなるので景気は悪くなっていきます。
アメリカの賃金は上がっているようですが日本はなかなかそのようにはいかないみたいです。
余談ですが、アメリカの賃金上昇と円安の影響で日本では年収300万円だったお寿司職人がアメリカで年収8000万円になったとのことです。
アメリカでアルバイトをしていた方が日本円で月40〜50万円の収入になるという情報もあります。
このまま日本の賃金が上がらず、円安傾向のままだと日本人がアメリカやその他の国に出稼ぎをする時代が来るかもしれません。(東南アジアの人たちが日本に出稼ぎで来ていたようなことが逆になってしまうか・・・)
今後日本やアメリカはどうなっていくのか?
アメリカはインフレや政策金利の利上げが落ち着いてくるとおそらく景気の後退が始めるのではないかと思われます。
理由としては金融政策サイクルがあると言われていますので、その流れからするとこれから景気後退のサイクルに入ります。
概ね5年のサイクルで回っているようです。
アメリカは2020年3月よりゼロ金利を始め、企業の株価が上がり、2022年3月から利上げを始めました。ということは次は「景気後退」→「金融緩和」という流れになる可能性があるということになります。
必ずしもこの通りになるわけではありませんが、こう言ったことを知っておくだけでちょっとした先読みができますね。
これからもアメリカの動向に注目しましょう。
日本はどうなるか?
2023年4月に黒田総裁の後任が就任されますがそこで大きな政策が発表になる可能性もあります。
消費税の増税や新しい税金が増えたり社会保障費が上がっている中で賃金上昇につながる政策をお願いしたいものです。
アメリカに注目し準備をする
日本の景気や株価や金利を見ているだけでは後手後手になります。
なぜなら景気のサイクルはアメリカから始めると言われているからです。
アメリカは消費国(輸入国)で日本や中国は輸出国に分類されます。
アメリカの景気が良くなれば輸入は増え、輸出国の景気も良くなります。
その逆でアメリカの景気が悪くなれば、輸入は減り輸出国の景気も悪くなります。
日本でもトヨタの車を輸出しても売れなければ景気は良くなりませんよね。
さらに米ドルは「基軸通貨」でもあることから世界の先頭にアメリカがあるわけです。
アメリカの景気の動向を知ることで日本や世界で起こることがおおよそ想定できるということになります。
まとめ
今回は為替・金利・株価からアメリカのインフレと利上げの関係を深堀し、さらに今後の予測について解説させていただきました。
まだまだこれからどんな時代が来るのか見当もつきませんが一緒にアメリカの動向をチェックしていきましょう。
それではまた。
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