1時間目こくご第4章

【vol.013】 コラム:起承転結とPREP法

こんにちは。まえぴょんです。


最近、noteに投稿してもその反応が薄いから、モチベーションが下がってきました(笑)まぁそれでもしばらく書き続けますけどね。文章を書くことは好きやし。


さてさて、その「文章を書く」という行為なんですけどね、不思議なもので我々日本人は学校でその「文章の書き方」を教えてもらうことはほぼありません。小難しい評論文の読解の仕方を教わることはあっても、理に適った文章の書き方を教わることはないのです。
(ここで欧米と決定的な差が生まれます)


学校で教えてもらう書き方があるとしたら、「起承転結」でしょうか?

「起承転結」を調べてみると、辞書には、


き‐しょう‐てん‐けつ【起承転結】
1 漢詩、特に絶句の構成法。第1句の起句で詩意を言い起こし、第2句の承句でそれを受け、第3句の転句で素材を転じて発展させ、第4句の結句で全体を結ぶ。起承転合。
出典:デジタル大辞泉


とあります。この辞書の抽象的な説明だけではようわからんでしょうから、具体を挙げるとこんな感じ。


起: 大阪本町 糸屋の娘 (大阪本町にある糸屋の娘は)
承: 姉は十六 妹が十四  (姉が16歳で、妹は14歳)
転: 諸国大名は 弓矢で殺す (戦の時、大名は弓矢で人を殺すけど、)
結: 糸屋の娘は 目で殺す (糸屋と歳頃の娘たちは目で殺すんだよ♡)


「起承転結」によって、そういうオチかいな〜、と話を面白おかしくしてますよね。


ただ、この例でも見てとれるように、「起」「承」での糸屋の娘たちの話から、「転」で大名の話が舞い込んでくるあたりで脳みそが一瞬混乱します(笑)全体の3/4をしゃべり終わった時点でまだ最後の結論が読めないので、前節で解説した「スキーマ」がなかなか引き出せません。


つまり、「起承転結」は物語を楽しませるには優れた型かもしれませんが、分かりやすい説明には不向きなんです。


それでも、文章の書き方や話し方を教わってこなかった我々日本人は、

「話をする時には起承転結を意識しろ」

と、話の内容に関わらず起承転結を強要したりされたりすることが多々あります。


ただでさえ理解が難しい話を伝えようとしている場合、このアドバイスは罪ですよ。話す人も聞く人も苦痛な時間を過ごすことになりますから。


無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つもの英雄なり
哲学者 ソクラテス
(紀元前469年頃 - 紀元前399年)


哲学者ってズバっと本質を突いたことを言い放ちますよね。ほんと、無知は罪です。だからまず知ることが大切です(とは言え知ってるだけでもあかんねんけどな、というのがソクラテス先生の崇高なお言葉)。


相手に分かってもらいやすい文章にするなら前節でお伝えした「スキーマ」をうまく活用することが大切なのですが、その「スキーマ」を活用した文章を作るなら、「PREP法」が便利です。決して「起承転結」じゃない。

PREP法は


Point(要点・結論)
Reason(理由)
Example(具体例・事例)
Point(要点・結論)


という文章構成要素の英語の頭文字を並べたものです。


「Point」:文章の要点部分です。最初に要点・結論を述べます
     →どのスキーマを発動させたらよいのか分かりやすい!
「Reason」:「Point」で述べた結論の理由を説明します
「Example」:「Reason」で述べた理由を裏付ける具体的な例を説明します
「Point」:最後にもう一度結論を述べて、まとめます


例えば、


「Point」:僕は部活動を辞めようと思います。
「Reason」:もっと彼女と過ごす時間を増やしたいからです。
「Example」:今の状態では、放課後に遅くまで部活をして帰宅部の彼女と一緒に下校できていないし、週末は試合で遠征して彼女とデートができないことが多いし。
「Point」:だから僕はさっさと部活を辞めて、もっと彼女とラブラブします。


こんな感じ。わかりやすいでしょ?私はこうして高校時代の部活を辞めました(実話)。


しかしまぁPREP法とて万能というわけではありません。


「Point」:糸屋の娘の目と大名の弓矢は同じなんです。
「Reason」:なぜなら双方とも人を殺すからです。
「Example」:16の姉にしても14の妹にしても歳頃の娘は一瞥で男を落としちゃいますし、大名は戦の時に弓を放って人を殺しちゃいます。
「Point」:だから糸屋の娘の目と大名が放つ弓矢は同じなのです。


うん、つまんない。多少分かりやすくなったかもしれませんが、つまんない。


だからやっぱり、


最後のオチにインパクトをつけて面白く書きたい → 起承転結
相手に分かりやすい文章を書きたい → PREP法


のように適材適所で使い分けることが大切ですね。


ちなみに小論文においても、このPREP法を用いることで採点者に自分の論点を分かりやすく伝えることが可能になるので、ぜひオススメです。間違っても小論文で起承転結なんて使わないでね。



さて、今日はここまでとします。

最近更新頻度が落ちているのは、単純にモチベーションの問題です。人様から評価されたりチヤホヤされたりすると調子こいてより活発になりますが、そうでなければ自分のペースでのんびりと、って感じになりますわね。まぁそれでいいんだけど。


では、次回からは物語文章の解き方を、「具体と抽象」の観点を用いながら紹介していきます。これも個人的には画期的やと思ってるけど、あんまり評価されんやろなー(白目)

じゃぁね!

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