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Netflixがゲーム事業に参入した理由

米ロサンゼルスで行われたイベントにてネットフリックスのゲーム事業部門幹部が講演し、同社の戦略について語りました。

彼はゲーム事業の目的を「ネットフリックスに戻ってきてもらう事」と語り、プレイ時間にはこだわっていないと話しました。それよりも毎日アクセスしてくれることが重要だ、というわけです。

スマホなどのモバイルゲームを中心に展開する、同社ならではの考え方と言えるでしょう。


▼ゲームはあくまで販促サービス?!

ネットフリックスはゲームのサービスで追加料金やゲーム内課金を徴収していません。これは、ゲーム部門が事実上、映画やドラマなどメインとなるサービスの「販促商品」にとどまっているという事です。

▼他人のふんどしを嫌うネットフリックス

ネットフリックスは、レンタルDVD事情からネット配信事情に進出した歴史を持つ会社で、もともと自社のIPを持っていません。

それは「他社のふんどしで相撲を取る」ようなもので、彼らのビジネスにとっては構造的な弱みでした。

彼らは一刻も早く「自分のふんどし」を手にしたかったのです。それがオリジナルドラマ、映画の量産につながっていきます。

ゲーム事業についても同じです。ようは、「他の配信サービスにはないオリジナルのもの」に、彼らは膨大なリソースをつぎ込む覚悟、信念を持っている会社というわけです。

他人様の持ち物をレンタルすることで薄利を得るレンタルDVD店から始まった会社ならではの積年の悲願、と考えると理解できるでしょう。

▼王者ディズニーも値を上げた(音を上げた?)

一刻も早く「一人立ち」を実現しないとまずいと考えていたネットフリックスですが、今ではそれを成し遂げつつあります。

IPの王者たるディズニーの配信チャンネル「ディズニー+」でさえ、今ではネットフリックスとの競争についていくために、赤字覚悟の激安価格で継続せざるを得ない状況にまで追い込まれています。

前回も伝えたように「マーベルズ」のようなMCU(マーベルシネマティックユニバース)の大作映画を、事実上「ディズニー+」の販促商品にせざるをえないほど苦しんでいます。

これを私は「体力勝負のフェーズ」と呼んできましたが、とうとうディズニー側が折れるような形で、12月からの値上げを発表しました。

もしもネットフリックスが、オリジナルコンテンツやゲーム事業への投資の決断をしなかったら、あるいはあと1年遅らせていたら、両者の立場は逆転していたかもしれません。

▼『オモシロ映画道場』はじめての方向け公演

メルマガではちょっと真面目ですが、「オモシロ映画道場」ではギャグ比率80パーセントで、こうした映画ビジネスの本質を学んでもらっています。

今回、初めての方向けの「リターンズ」公演を企画しまして、最後の公演が間もなく開催されます。

◆2023年11月28日(火)19:00~20:40予定(18:30開場)
木戸銭:1,500円
場所:横浜技能文化会館(関内駅 徒歩5分)

普段は1800円でやっていますが、特別価格でお送りしています。
残りいよいよ1回です。

⇒詳細と参加フォームはこちらです
https://movie.maeda-y.com/announcement.htm

皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

前田有一&桂竹紋による、唯一無二のお笑い映画セミナーです


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