構想録note版〈7〉

「構想録」とは読んで字のごとく、私が考えたオリジナル・ストーリーの構想を記録していく“創作ノート”です。

-統一惑星国家は必要過程か?-

私の妄想の世界へようこそ。

私は読書家ではないためSF小説はほとんど読んでいませんし、アニメなどの映像作品も全てを見ている訳ではありません。そのため、たまたま目にした作品がそうなのかもしれませんが……

よく宇宙を舞台にした作品で複数の惑星もしくは恒星系を領する、いわゆる星間国家の場合、その発端となった星(母星)が、一つの統一国家になっている状態が多い様に見受けられます。
アニメ「機動戦士ガンダム」の“地球連邦”が良い例でしょう。

そこで疑問に思ったのはタイトルの通り、宇宙へ進出して星間国家を形成するにあたって、母星が必ず統一されている、つまり惑星国家であるのは必要過程なのか? という事です。
確かに「国際宇宙ステーション」(International Space Station→ISS)の建造を見ていると、とても一国の国力では成し得ないことが分ります。

それでは、宇宙に複数の国家を設定し、今日の地球の如く、国家間の駆け引きを描くにはどうしたら良いか?

スタートレック・シリーズの様に、バルカンやクリンゴンといった母星が異なる様々な種類のヒューマノイド(種族)を登場させるのが、正攻法と言えるでしょう。
この方法だと文明・文化が全く異なるもの(国)同士の駆け引きととなり、そこに生じる“ギャップ”などが作品の面白さの一つとなります。

ただ私の場合、ヨーロッパの有り様が念頭にありましたので、例えばパソコンのOSの如く最低限は共通したマインド・価値観を持つ者同士にしたいという方向性がありました。

そこで数年前に考えたのが以下に記す大まかな初期設定です。

◆惑星リアムス

地球から1万数千光年の距離にあるローオウ星系の第4惑星。(←要再考)

ローオウ星系は銀河系中心部から太陽系と同じく約3万光年の距離に位置する。

大気の組成はほぼ地球と酷似する。

自然(居住)環境は寒冷地が多く、「地球よりは」やや厳しい。

ヒューマノイドの哺乳類に因る高度な文明が発達し、21世紀の地球同様、種族(民族)もくは文化圏毎に、多数の国家が存在していた。

これらの国家は武力衝突又は平和的手段に因り寡占化が進むものの、惑星単位の統一国家出現を見る事は無く、大国及び国家共同体(EUの様なもの)が個々に宇宙へ進出(植民)していった。
資源の枯渇や環境破壊等に因り、各国家はその生存拠点を徐徐にだが確実に、リアムスから宇宙の新天地に移していった。〈単一惑星上の領域国家から星間国家への変革〉

よって、数光年の範囲に渡り、惑星リアムスの国際情勢をそのまま投影した様な多くの星間国家が形成された。

星間国家移行後も、度々紛争が起こり、領域の割譲・国家の解体及び形成が行われた。

宇宙進出後の惑星リアムスは、人口が進出前の20分の1以下となり(←要再考)、往時の面影は無く衰退。小国家が散在するのみとなった。
その後、リアムスに残存する諸国家は存続のための必要性から、国家連合をえて惑星規模の統一国家を形成。

専制・立憲君主制・象徴制等、そのあり方は様々だが、リアムス諸国は全てが君主制国家である。「王を戴かざるは恥辱であり、戴かざる国は必ず滅ぶ」といわれ、「共和制」という概念はあるが、それは嫌悪するべきものとされている。

飽くまでも君主制に固執するリアムス人のロジックは、独特のものであり、地球人には理解し難いものもある。

但し、地球でいう“民主主義”の概念は存在し完全に否定されている訳ではない。

地球側はこれらの国家群を「リアムス文化圏」「リアムス諸国」等と呼称している。

地球は21世紀初頭であるが、この時点で、惑星リアムスの諸国が宇宙へ進出して、地球時間で700年近くが経過している。

次回は「リアムス諸国」設定紹介です。

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〈この項おわり〉