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「生産性カウンセラーⓇ」のコラム(NO.6)組織論


みなさんは、マンガ「ONE PIECE(ワンピース)」をご存知でしょうか?

ほとんどの方がご存知だと思いますが、2015年6月にギネス記録に認定されており、2017年10月時点で世界累計発行部数が4億3000万部を突破、日本だけでなく世界的にも有名なマンガとして幅広い人気があります。


研修等の中で、「すべての経験から学ぶ」というお話をよくさせていただきますが、このマンガも「組織論やダイバーシティ」「リーダーシップ論」を考える視点で見ると非常に奥が深い「学び」ができます。


今日は心理学的な視点から、このマンガ「ワンピース」を考察してみたいと思います。


まず、ワンピースの主人公ルフィの決めセリフである「海賊王に俺はる!」という宣言ですが、海賊王に「なりたい」ではなく、「なる」と断言しているところが特徴的です。


「なる」と言い切ることは、心理学的には「宣言効果」という、努力の延長線上で見通しのない目標を周りの人に「宣言」することで、自分の中で「背水の陣」の心理を作り、目標の成功確率を高める手法です。


また、言葉で言い切ることは、潜在意識に「できる」という自己暗示をかける効果があります。


また、主人公ルフィは「絶対的幸福」(他人と比較せず、自分の「モノサシ」で幸福を定義している)の価値軸を持っており、死ぬ瞬間まで「自己肯定感」と「幸福感」を安定させて「ワクワクする事」に没頭できる性格です。


こういった生き方や価値観に憧れや共感できる部分があるので世界的にも愛されていると思いますが、実は資源もない日本で戦後の焼け野原から世界第2位の経済大国を作り上げた昭和世代の方々の特性(価値観)とルフィは似ている部分があります。


その価値観の特徴とは、

・仲間との絆と大切にする 
・やる気と気合いを重要とする
・組織への帰属意識が高い
・理性より義理人情を重視
・目標に向かって考えるよりまず動く


こんな特性があります。


少し「視点変化」して見た時、皆さんの会社の上司や経営層の方はこんな特性(価値観)を持っておられると思いませんか?


これだけなら、昭和世代の人にしか愛されないマンガになるのですが、このマンガは主人公ルフィだけではなく、多様性を持った様々なメンバーで構成されており、その多様なキャラと自分を合わせて楽しめるマンガにもなっています。
(それぞれのメンバーに夢とストーリが描かれており、感情移入します)


また、このマンガの素晴らしい部分は、「いいと感じる」部分が人によってかなり異なる部分です。


若い世代の人と話すと、主人公ルフィではなく、ゾロ、ロビンなど「我が道を行く」タイブが好きな人が多かったりします。


その価値観の特徴とは、

・多様性を大切にする (自分と違う価値観を尊重できる)
・義理人情よりも理屈を重視する(行動に理屈を求める)
・のめりこんだ分野の情報収集と分析が好き(個人特性が強い)
・関心ごとに合わせて仲間を作る (フラットな関係性を大切にする)
・集団行動より自分の関心ごとを優先 (しがらみに影響を受けない)


こんな特性があります。


特にミレニアル世代の皆さんはこんな特性の方が多いと思いませんか?


こんな様々な世代の特性を持ち合わせたメンバーが「1つのチーム」として形をなしている所がこのマンガの素晴らしいところかもしれません。


ちなみに、私がこのマンガで最も好きなセリフは、ルフィの「おれは助けてもらわねえと生きていけない自信がある!」です。


自分の事を完璧な人間になろうとも思わず、その事を恥じたり悩むことなく受け入れ、宣言する。


こんな弱さをさらけ出せる「リーダー」が本当に強いメンタリティを持ったリーダーだと思います。


これから大きく変化が起こる「第4次産業革命」とは、個々人や組織の「特性」を生かし、「多様性」を発揮し、より大きな意義目的(ゴール)を目標に夢を共有して楽しく仕事をしながら「新しい価値」を生み出せるか、こんな「自分たちとの戦い」になっていくのではないかと考えています。


様々な世代の方と、ワンピースをテーマに雑談しながら、価値観を共有したり、未来の夢や目標を創造していく事も楽しいのではないでしょうか。


(※このコラムは2018年10月作成メールマガジンの再編集です)

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