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お金を出しても食べられないアナザー北海道グルメ「家庭のラーメン」を語りたい

ご当地グルメを食べるのは旅行の大きな楽しみだと言える。

北海道で言えば、ジンギスカン、味噌ラーメン、スープカレー、寿司、ソフトクリームなどを食べておきたい。

そう思う人もいるだろう。現にぼくもそうだった。

しかし、北海道に住んで10ヶ月。道民の人たちと交わらないと食べれない北海道グルメもあることにぼくは気づいた。

それをアナザー北海道グルメと呼び、ここで紹介していきたい。

お金を出してもなかなか食べれないアナザー北海道グルメの第一弾は北海道の家庭で作るラーメンである。行ってみよう。

家庭で作る札幌味噌ラーメン


札幌といえば味噌ラーメンである。すみれ、彩未、信玄など、札幌市内には名店が軒を連ねる。

しかし、ぼくの取引先である札幌育ちのミセスKさんは札幌味噌ラーメンの名店、彩未が好きではないらしい。

「近所の彩未?あれなら自分で作ったほうが美味しいし、コスパいいよ!」

そう言ってはばからない。

「ええ!?ぼくの福岡に住む知り合いの先輩なんて、彩未が人生で食べた一番うまい味噌ラーメンと豪語してるのに。」

近所に住んでいると、札幌味噌ラーメン最高峰の彩未すら美味しく感じなくなるのか?

ぼくは一瞬そう思ったのだが、どうやら違うらしい。

「どうやら道民にとってラーメンは家庭料理の一つ」らしいのだ。

ぼくの育った横浜では家庭で食べるラーメンといえばインスタントラーメンか、パッケージに2食入ってる生ラーメンである。

しかし北海道ではコスパを重視する。4〜5人いる家庭は、生ラーメンを買って、小さなスープの素を人数分用意するとのことだ。

生ラーメンの麺は、札幌味噌ラーメンでお馴染みの西山製麺所だったり、函館の丸豆製麺所などをスーパーで買う。

スープはベルのラーメンスープの素を入れたり、出来合いの小さなスープを買って入れる家庭もあるなどまちまちだ。

深鍋で作る家庭もあれば、中華鍋で作る家庭もある。

ここまで書いて思ったのだが、生麺は札幌味噌ラーメンの名店も西山製麺所を使う。

家庭と名店のラーメンは同じ材料を使ってる。

それならスープを多少工夫すれば家庭でも美味しくなるので、札幌育ちのミセスKは「自分でも作れるし、コスパいいよ」とぼくに言ったのではないだろうか?

味噌ラーメンに限らず、ラーメンが家庭料理というのは、北海道の他の地域でも同じらしい。

ウチの苫小牧出身の道民彼女も同じことを言っていた。

簡単にラーメンを作ってほしいとリクエストしないでほしいと。

ラーメンは時間をかける。昼にラーメンを食べたいなら、朝ごはんを食べ終わった後に圧力鍋に火をかけ、玉ねぎ、にんじんを煮込む。

その間にバラ肉や煮卵を仕込んで、食べる直前にもやしを炒める。

これが自分の作るラーメンであり、ラーメンは簡単に作れるものではないらしい。

スープ付きのパッケージ生ラーメンやインスタントラーメンは一人暮らしで作るイメージだそうだ。

ウチの彼女の実家も、函館の丸豆岡山製麺所の生麺と塩ラーメンスープを買い、鶏皮でダシを取って作ってたという。

ラーメンの作り方に関しては、どの家庭も自分のやり方がある。

北海道のラーメンとは単なる観光地用のグルメではなく、家庭料理でもある。

家庭のラーメンはお金を出してもなかなか食べられない。アナザー北海道グルメだと思った次第である。

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