#16 読書感想文 モモ
読んだ本の紹介
モモという少女が「時間」というキーワードを軸に敵対する人たちと戦いをしていく物語である。今読んでも、「時間」ということを考えさせられるものであり、色あせない。
この本を読んだ理由
Amazonのkindleunlimitedで無料提供されていたので読むことにした。名前は知っていたが、読んだことはなかったので初めて読む。
あらすじ
少女モモの生活から描き出される。「時間」がいきなり話題になるかと思い、期待して読んでいくと最初はそんなことなく、「あれ」と個人的に疑問に思った。
その後、「時間」に関わる考え、行動、そして結果が私たちの前に現れてくる。
物語の中で、描かれていくのは、「子ども」、「時間」、そして「大人」といった今でも問題になるポイントが多く挙げられる。
そしてモモは敵対する相手に対してどのようなことをして、どのような結果になるのか最後まで気になってしまう内容である。
良かったところ
作者のあとがき、訳者あとがきなどまできちんと物語になっており、私たちは「時間」という中で考えさせられる。
私たちが思う「夢」や「社会」といったものが、一旦叶えられるとなぜか昔が懐かしく思うのは、「時間」であるかもしれない。戻らない過去は過去、未来も過去となり、私たちは「いま」を生きる。
モモがすごいのではなく、私たちはモモの周りにいる名もない人かもしれない。私たちはモモを通じて、生き生きとした人間を見るのか、それとも空想上の人物としてとらえて、日々の生活に戻るのか。考えさせられる。
気になる箇所
①他人のために生きるという考えは適度に考えれば間違っていない。ただ、行き過ぎると自分のためになってしまう。それも、自分が求めていない形で実現する。
②「大きな時計」といった「時間」に縛られることと、「花」といった時間には縛られないものの比較が見事である。私たちは梅の花などを見れば、「毎年」といった概念が生まれてくる。なぜ、今を生きられないのだろうか。
③自分の好きなように時間を扱って良いのだ。誰のために合わす必要もなく、自由に自分のために時計を気にせず生きていく。
④この前聞いた『忠臣蔵』の一言が今でも焼き付いている。「人はいずれ死ぬのですから、それがただ早まっただけです。恐れることはありません。」。今聞いている本でも、平安時代では人が若くして死ぬことが当たり前だったので「早くに死んだ」ということは書かれないとあった。私たちは、どうなのだろうか。