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読んでいる本が交差する
いくつかの本を同時に、生活リズムに合わせて読んでいる。
移動中に読む本は文庫サイズの本。眠るまえ、布団に潜り込んで読むのはハードカバーのずっしりした本。重くて持ち歩くにはやや厳しいかなと判断したものは、枕元において少しずつ読むことにしている。
この二種類が主だけれど、一気に読んでしまいたい本があると、移動中にも、就寝前にも読むことがある。十月の終わりから一気にハマった十二国記なんかはまさにそうだった。「仕事中にも隙あらば読みたい」くらいの勢いで読んでいた。現在発行されている最新刊まで一か月足らずで読んでしまったので、どこかぼんやりと日常を過ごしていたように思う。
ここまで熱心に読むのは例外だとして、普段読んでいる本は主に二冊。
いま読んでいる文庫本は「みみずくは黄昏に飛びたつ」。
村上春樹さんに、川上未映子さんがインタビューしたもの。この本、発売されたときに購入していなくて、「あー、読みたいな」と思いながら手を出しそびれていたもの。
村上radioを聞いているおかげで、村上さんの口調が頭の中でよみがえる。「なんだか、バカみたいじゃない(笑)」などと文字で書かれているのに、お話しされている口調がそのままで。川上未映子さんの口調を存じ上げないので、ちょっともったいないけれど、村上春樹さんがお話しされている箇所は、テープを聞いているような感覚にすらなる。川上未映子さんの声ではなく、坂本美雨さんの声で。
創作に対する意識が書かれているし、大事にされていることもお話しされている。もっとも、「そんな行き当たりばったりな感じで書いていけるだろうか……?」と、疑問に思うところもある。まだ半分くらいしか読んでいないのだけれど、この本を読んだのちに「職業としての小説家」を読み返そうと決めている。
もう一冊は「哲学と宗教全史」出口治明さん著 ダイヤモンド社より出版。
この本も、まだはじめのはじめの第一歩、くらいしか読めていない。最近すぐに寝てしまうせいか、読み進められず厄介だ。内容が難しいわけじゃなく、自分の体力的な問題。内容はすごく面白い。
哲学についても、宗教についても学ばず、理解せずにきたけれど最近になって少し勉強してみようと手に取った。出口治明さんはライフネット生命の創業者で、現在はAPUの学長を務められている。
「哲学と宗教全史」は、哲学が生まれた背景から始まっている。わたしはまだ「プラトン」あたりをさまよっている。しかし「イデア」という言葉が出てきた時に「おおお!」と、ひとりで感動してしまった。
「みみずくは黄昏に飛びたつ」で、村上春樹さんが「騎士団長殺し」で登場させたイデアは、プラトンの論ずるイデアではない、というようなことをかなりフランクにお話しされていた。
わたし自身は、そもそもプラトンのイデア論について十分理解しているともいえない。それでも「イデアといいながら、プラトンじゃないんだ」とちょっと驚いていた。
別々の本を読んでいたのに、内容がかみ合ってくることが時々ある。今回はすごく分かりやすい例だ。読もうと思う本の順番は決まっているわけじゃない。積読になっているものも含め、なんとなく気になった本から読んでいく。
今回の「みみずくは黄昏に飛びたつ」と、「哲学と宗教全史」はまったく別々の時期に読み始めた。けれど、無意識のなかで、呼応しているものがあるのかもしれない。
違った書籍を読んでいるのに、そのなかに交差する内容が見つかることがある。そこには自分だけの発見あり、クロスワードパズルの、タテとヨコのマスを埋めながら、キーワードが生まれる感動のようなものもある。
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