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自分を好きになるということ

おそようございます。
書いているうちにこんばんはどころかおやすみの時間になってしまった。

訳あって高いところにおります。

ここは7階。
この田舎では高い方ですよ、下々の皆様。
月山の写真は昨日。すごく天気が良かった。
今朝は雨。

昨日、目の手術をいたしました。
なんかいらない膜ができて私の視界を遮るのでそれを取ってもらったのだ。

順調に回復しているみたい。
今朝、充血して旦那がびっくりしてちょっと騒いだけど。

予定通りなら明日退院だって。
いらない膜は取り切れたよう。


昨日の手術に向けて、一昨日、美容院に行ってきた。

自宅から車で5分ほどのところにあってずっと気になっていた美容院。

いつもの美容院は予約がいっぱいで取れなかったから、気になっていたところに初めて行ってみたのだ。

目の手術の後は、洗顔もシャンプーも禁止になるので、伸び放題になった髪をバッサリ切ろうと思って。

温タオルで拭くだけでもスッキリするだろうから、短い方が楽だろーなーと。

カラーとカットとシャンプーをお願いしてはじめての美容院はまずまずかな。

実は私、美容院に関しては、自分で自分のことがわからない人なので、どうしますか?と聞かれるのが嫌い 笑

『お任せ』で提案してくれる方が好きなので、いつも行っているところは割と辛辣なくらいに、クセというより、生え方の問題だよね、とか、ここ膨らむし、ここだけなぜか伸びるよね、とかバサっと言ってくれるところがむしろ好き 笑
それとアロマオイルでハンドマッサージしてくれるし。

私より私をわかってくれる人にお任せできることの心地よさ。
それを知ると1ヶ月に一度、自分にかける約1万円弱は高くないと思うのだ。

でも、時々、バッサリされることに心折れて別のとこ行こうかなと思うこともある 笑

実は、前回も予約できなくて別のところに行ったんだけど、そこのお兄さんも色とか長さとか決めてくれなかったので、もう行かなーいと思って。

美容院というものの位置づけが私の中では『癒し処』であり、何も考えなくても何も言わなくても肩を揉んでくれてきれいにカットしてくれてシャンプーして白髪まで染めてくれる、

『考える、選ぶことを放棄できる場所』
『自分が先導しなくてもいい場所』

であってほしい 笑

そりゃもちろん最低限の注文はします。
でも理想は全くの『お任せ』。わがままは言わない、いつもの、と一言言えば同じようにしてくれるなら最高。

またはそこにちょっとした流行りを取り入れて、今回はここをこうしてみました、ちゃんとmadieさんに似合うように(ここ大事)なんてのがあればなおよし、である。


今、この記事は病床で書いているわけだが、病院という場所も比較的、『お任せ』な場所である。

ドクターから手術ですね、と言われれば、拒否したり他の提案をこちらからしたり、と言うことはほぼないであろう。もちろんその権利もあるんだけど、医学的知識がないから、その道のプロであるドクターやナースたちにお任せする他はない。

まぁ、今回もどうしてもいらない膜が私の視界を遮っていてこのままでは世界が歪んでいるので、それを何とかするためには入院手術という方法を取らざるを得なかった。

やだなぁと思う所でもあるのだけど、ここ数年とてもバタバタ過ごしていた私にとって、休める!!という思いの方が強く 笑

これまた自分の意思決定などほぼしなくともことが進む、という楽な状況に置かれて、ちょっといきのいいまな板の上の鯉は、刺身もしくは洗いの状況を楽しんでいる 笑

手術そのものはどうだったか。

眼球の中の手術は先生の言葉を借りれば難しくはないけどデリケート。

視神経とか網膜とか見るために大事なものがたくさんあるから、それを傷つけないようにいらない膜を取るのは神経を使う、ということだろう。

そして、さらに嫌なことに、患者は全身麻酔でなく、局所麻酔だから意識はあって、ドクターたちの会話の始終を聞いているし、一応、瞳孔を開くための目薬をしてあまりよく見えない状況で手術をするのだけど、私も、今朝、診察で一緒になった女性も、目の中に管が入ってきて何かをしているというのは見えていて、ピンセットでいらない膜を摘んでいるのも、何か青い液体が入れられてそれが広がる様子もわかるのだ。不思議な光景だった。

あまり気分の良いものではなかったけど、まぁ、そんなにできる体験ではないし、その状況下に置かれて嫌だと思っても逃げることもできないし、『お任せ』する他ない。

で、この数日、そんな感じで、私にはほとんど決定権というものをほとんど与えられず、いろんなことが『お任せ』で運んでいる。

私は普段は妻であり、母であり、会社員だから、自分で考えて、決定して、行動することが多くて、土日で会社員ではない日でも、夫に今日はどうするー?と言われ、息子にどうしたら良いのーと言われる日々を過ごしている。

それの何と疲れることか。

そもそも、女は舵取りが苦手だ。多分。
社会で活躍している女性たちは多分、その舵取りが得意なんだろう。

女は受け入れることは得意でも、先導きって進み、選択決定するのは苦手な人が多いと思う。

そこは男性の方が本来得意なはず。

でも、最近の男どもは(と十把一絡げにしてはいけないけど)どうも、草男子だか何だかよくわからないけど、女の子たちに振り回されている男が多いなと思う。

昔の男尊女卑に近い、家長制度はどうかとは思うが、いざという時はやっぱり頼りになる存在であってほしいのだ。

うちの旦那はアスペルガーなので自分のことは得意でも、人の気持ちが理解できないので、家族の問題を自分の問題として捉えることができないようで、私がかなりワーワー騒がないと自分ごととして考えてくれないところもある。耳がきこえないからある程度仕方ないところもあるんだろうけども。

てことで、よーするに私は普段、多分人よりも苦手な選択決定をやっている。

とても疲れるのだ。

だから、美容院や病院は私にとってものすごく楽な場所で疲れを取るにはもってこいなのです。

それと、ふと思ったのが、そうやって周りがチヤホヤと私の世話をしてくれるという状況は頼まなくても私のために何人もの人が動いているのをみているだけで、自己肯定感が上がるのだ。つまり『自分の存在価値を認めてもらえている』という感覚を得ることができる。

けして、褒めてもらっているわけでもなく、(いや、頭の形がいいですね、と言ってもらったけど。いつもの美容院ではそんなこと言われたこともない)私がそこにいるだけで、肩を揉んでもらい、髪を切ってもらい、血圧や体温を測ってもらい、顔を拭いてもらえて、いらぬ膜を取ってもらい、ご飯も出てきて、はしも洗ってもらい、トイレに立てば旦那がスッと腕を差し出してくれる。

そんなお姫様のような状況に置かれて、とても精神的に満たされている感じがしている 笑

こんな風に大切に扱われて、自分がここにいて良いのだという状況下にいるということ。

けして自己決定権が与えられていないわけでもない、比較的わがままが通るこの状況に甘んじていてもいいという何とも言えない心地のいい状況は、きっと赤ちゃんの時以来だろう 笑

そんな時間もあと残す所わずかなんだけども、家に帰りたくないわけでもなく、日常生活に戻りたくないわけでもなく、ほどほどに良い時間を過ごして、また日常に戻る。

自己肯定感を上げる簡単な方法は自己投資だと誰かが言っていたけれど、まぁこれも似たようなもので、美容院に行くことは女性にとって自己投資。髪を美しく整えるなんてのは自己満足だしね。

エステティックサロンに行くとか、あとはマッサージに行くとか、ヨーガもそうだし。

そうそう、ヨーガなんて、リードしてくれる先生の言う通りに、しかも周りも気にすることなく、自分のできる範囲でポーズを取る。そこにも自分の選択決定なんてものはなくて、あるのはできるかできないかだけであり、さらには『できない自分も今日の自分』として受け入れればいいのだからとても楽チンだ。

あぁ、社会全体がそんな風になると良いのにな 笑

私は自分のことがどうやら好きなので、そのまんまの自分を受け入れてくれる場所は大好きなのだ。

ホントは目を酷使してはいけないのだけど、この入院の間に、樹木希林さんと内田也哉子さんの本、『9月1日 母からのバトン』という本を読んでいる。




あ、酷使禁止という点から言えば、いまこの文章を書くことの方が本を読むよりやばいけども、多分 笑

その中にフリースクールが出てくるのだけど、数あるフリースクールの中でも比較的魁的な存在である、東京シューレは本当に自由な所のようで、不登校の子どもたちが、他はダメだったけどここなら、という理由に、学校的じゃない、自分の意思で活動できる、そして違いをよしとしてくれる優しい空気があるという。

違いをよしとしてくれる優しい空気。

つまりは、あなたはあなたのままでよくて学校に行けないことも別に悪くない、という空気が安心するということなんだろう。

やっぱり、社会全体がこんな風になれば、脚がなかろうと、耳がきこえなかろうと、IQが70だろうと、多少、人とズレていようとも、それはそれ、という空気でみんなもっと楽になるのに。そしてみんなもっと自分を好きになって、そして、死のうなんて考えなくなるのに。

あなたはあなたでそれがいいのよ。

あ、そうか、お気に入りの美容院は私の髪の毛の癖がひどかろうとも、それに合わせて仕方ないなぁと認めて、カットしてくれるから好きなんだ。

頭の形、いいですね、なんて本当かよくわからないことを言われるよりも、髪パサパサだからこうしないと、と言ってくれて、それをよしとしてくれて助けてくれるから好きなんだなぁ。

もう、仕方ないなぁとなんとかしてくれるあたたかさがある。

やっぱり次は、予約をなんとか取って、いつもの美容院へ行こう。


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