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吉野石膏所のコレクションに驚嘆@練馬区立美術館

不燃建材の「タイガーボード」を製造・販売している吉野石膏が所蔵するコレクション展が練馬区立美術館で開催されています。
製品名は聞いたことがありましたが、その会社がこれほどのコレクションを所蔵していることに驚きました。正確には、公益財団法人吉野石膏美術振興財団の所蔵ですが、実質的には吉野石膏所が運営に深く関与している財団でしょう。
一般財団ではなく公益財団ですから、その活動には公益性が求められ色々な制約やそれ相当の運営コストがかかることでしょう。同じような美術系の公益財団法人の石橋財団が母体のアーティゾン美術館とは比べるのは野暮ですが、このように区立美術館で所蔵品を鑑賞することができるのはありがたいことです。

練馬区立美術館

美術館は2F、3Fが展示室になっています。2Fには印刷技術が開発される前の貴重な祈祷書などが展示されていましたが、鮮やかな色彩と絵に見入ってしまいました。こんな本を手にとって安楽椅子で読んでみたいものです。
企業や企業オーナーが絵画収集を行っているのは珍しくありませんが、本のコレクションはあまり聞いたことがありません。
国立西洋美術館で大成建設所蔵のル・コルビュジェの絵画展がありました。これは建築関係ということで納得できますが、タイガーボードと本の関連性が不可思議でした。
それはともかく、展示されている作品に加えて、彩飾写本の制作方法も展示されていました。

彩飾写本の作り方のコーナーがあります。緻密な作業をしていたことが分かります。

3Fにはピサロ、ピカソ、シャガール、若冲、松園、志功、藤田、魁夷、などの作品が展示されていました。
どれもこれも見応えがある作品ですが、やはり貴重書が群を抜いていました。
吉野石膏書のコレクションに驚嘆すると同時に、練馬区立美術館の企画力に改めて唸りました。






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