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巨匠達の強烈な熱を感じる東京藝大美術館の「買上展」 

5月1日は月曜日ですが都内の美術館は開館しており、仕事が休みだったので気になっていた展覧会に行きました。
東京藝術大学大学美術館の「買上展」です。
正直言ってそれほど期待していませんでしたが、溢れんばかりの才能を感じさせる巨匠達のデビュー作品に唸ってしまいました。恐れを知らない若者の作品らしい強烈なエネルギーを感じました。「俺の作品に文句を言ってみろ!」というような感じです。

「買上」とは、東京藝術大学が卒業および修了制作の中から各科ごとに特に優秀な作品を選定し、大学が買い上げてきた制度です。遡って、前身である東京美術学校でも卒業制作を買い上げて収蔵する制度がありました。本学が所蔵する「学生制作品」は1万件を超えますが、本展ではその中から約100件を厳選し、東京美術学校時代から現在にいたる日本の美術教育の歩みを振り返ります。

美術館のHP

巨匠たちの作品は地下の展示室の展示されています。

第1部 巨匠たちの学生制作

明治26年(1893)に最初の卒業生を送り出して以来、東京美術学校では卒業制作を中心に自画像などを含めた学生たちの作品を教育資料として収集してきました。本展では、卒業後に日本近代美術史を牽引した作家たちを各分野から選りすぐり、その渾身のデビュー作が一堂に会します。
横山大観 児島虎次郎 萬鉄五郎 下村観山 和田三造 高村豊周
板谷波山 橋口五葉 金観鎬 白浜徴 山本鼎 吉村忠夫 菱田春草   南薫造 松田権六 西郷孤月 朝倉文夫 伊原宇三郎 和田英作 小村雪岱   山口蓬春 小林万吾 富本憲吉 吉田五十八 北蓮蔵 岡本一平 山本丘人
平福百穂 近藤浩一路 山崎覚太郎 津田信夫 藤田嗣治 東山魁夷
石田英一 建畠大夢 小磯良平 中沢弘光 小絲源太郎 赤松麟作
李叔同 吉村順三 高村光太郎 中村岳陵 高山辰雄 松岡映丘
広島新太郎 六角大壌 青木繁 北村西望 平山郁夫 熊谷守一 今和次郎

美術館のHP

展示室に入ると直ぐに横山大観の作品。企画の「つかみ」は満点です。
スマホのMagnifier機能を使って細部まで見ました。


横山大観

自画像もいくつかあります。青木繁の作品には名前の横に何か書いてありましたが、読めませんでした。

青木繁 自画像 1904年

高村光太郎が制作したブロンズ像には先生達も瞠目したのではないでしょうか。

高村光太郎作のブロンズ像 獅子吼 1902年

建築物もあります。

鎌田友介 2011年

作曲作品。オケ用の譜面が置いてあり、自由に中を見ることができます。といっても私は楽譜を読めないのですが。。。

最も印象に残ったのは東山魁夷の「スケート」(撮影禁止)。よく知られている魁夷の作品とは作風が異なり、ブリューゲルの「雪中の狩人」を思いだし、ほのぼのとしました。「卒業作品はこんなだったのね」と微笑んでしまいました。

昼も近い時間だったので、オークラが運営している美術館のカフェか、東京都美術館の精養軒の海苔弁でも食べに行こうかと思っていると、平日なので学食が開いていました。この美術館には何度も来ていますが、学食が開いているのは初めてでした。折角なのでカレーを食べましたが美味かったです。

学食のメニュー
本日のカレー 550円

若々しい素晴らしい作品と学食のカレーで若返ったような気分になりました。
5月7日までの会期ですが、お勧めの展覧会です。

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