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南禅寺の水路閣を見てローマの水道橋の疑問が解けた
Noteに初めて書いた記事はローマの水道橋でした。2020年4月、おそるおそる投稿したことを覚えています。
そのローマの水道橋にはヨーロッパ駐在中に行きましたが、その時から抱いていた疑問が南禅寺の水路閣で氷解しました。
行ったのはスペインのタラゴナのラスファレラスと、フランス南部のポンデュガールです。
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南禅寺の水路閣は、南禅寺の付属施設ではなく明治時代の疎水事業として境内を突っ切って敷設されたものです。琵琶湖から引いた水が京都の町を潤しています。
日本では珍しい水道橋と紅葉をバックに写真を撮る観光客で賑わっていました。
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スペインのタラゴナの水道橋はバルセロナから車で1時間ほどの高速道路の脇にあります。数台が停めることができるほどの小さなパーキングスペースに車を停め、山道を降りていくと水道橋が視界に現れます。観光客は数人程度。駐在中にぜひ実物を見たかったので、これがローマの水道橋か、と心が躍り興奮しました。
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フランス南部にある水道橋は観光スポットになっており、駐車場は広く案内所もあって観光客も多く、水道橋の下の部分には通行できる橋があります。
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ローマの水道橋は石を組み合わせたものでしたが、水路閣の壁面はレンガで覆われており、100年の時を経て南禅寺の雰囲気に合う落ち着いた色合いになっています。敷設された時によく南禅寺が了解したものだと思いましたが、それだけ明治政府の力が強かったのでしょう。
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タラゴナのローマの水道橋の上は歩くことができます。警備員も誰もいません。橋の上には手すりも何もありませんから落下しないように気をつけて歩きました。
ローマの遺跡といえば、コロッセオと水道橋が自分の頭に刷り込まれていましたが水道橋の写真を見るたびに、水道橋の上はいったいどうなっているんだろうと思っていました。長年の念願が叶い気持ちが高揚していましたが、はてさて、水はどうやって流れていたのだろう、と次の疑問が浮かんできました。水量は?流速は?漏れないのだろうか?と。
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この疑問を解決してくれたのが水路閣です。
水路閣を見た時も、紅葉をバックに写真を撮るよりも、水はどうやって流れているのだろう、ちょろちょろと流れているのだろうか、と真っ先に水路閣の上に行きました。南禅寺の三門の上に上がるのを断念するほど歩き疲れていましたが、この時は力が沸き階段を早足で駆け上りました。
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水が流れています。しかも水流は早く、なんと水量も多いです。水路閣は木々の間に敷設されていますので、両側には落ち葉がありますが、水路には落ち葉がありません。
ローマの水道橋の疑問が解けた瞬間でした。
明治の人たちの業績に驚嘆するよりも、ローマの水道橋の思い出に浸っていました。2000年前にはこうやって流れていたんだ、と。
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長い間抱いていたローマの水道橋の疑問が氷解した満足感に充ち足り、水路閣のことはどうでもよくなってしまい、疲れが急にどっと出て周囲を散策しませんでした。
ただ、どうして落ち葉が流れていないのだろう、と不思議に思いながら帰路につきました。次の探求のテーマです。
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