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元気でいること

養護教諭の仕事はいろいろあるが、1番は元気でいることだと思っている。

その理由はいくつかある。

まず、子どもにとっての身近な健康モデルだということ。
保健指導は「知識だけではなく実践が大事」と伝えているのに、自分がそれをできていなければ口先だけになってしまう。(反面教師のものもあるが)

次に、心身の余裕がなければ頼ることを遠慮する人もいる。保健室を利用する人には、それだけ繊細な人もいる。

あとは単純に元気でないと大量の仕事をこなせない。



でも当然、元気じゃないときもある。
24時間365日元気ではいられない。人間だもの。

この間は偏頭痛が酷くて薬も効かなかったので、時間休をもらおうと手続きをしていた。
そこで体調不良の生徒が来室。
時間は放課後。生徒のバイタルは正常だったが、私と同じように頭痛があり、部活動に行くか悩んでいた。

「熱はないから部活に行こうと思う。」そう話す生徒に、

「そう。私は頭痛酷いから今から帰るけどね。だからここで休むことはできないよ。熱があろうか無かろうが、しんどいときはしんどいんだよ。」
と言い、帰り支度をする私に生徒が笑った。

「じゃあ自分も帰ります。」

「うん。帰ろう。1人で帰れる?お大事にね。」


体調が悪いときは無理をしない方法も示すことも、立派な指導だと思っている。



そんなことを言いつつも、健康診断や特別な行事があれば私も無理をするときだってある。
頑張った自分を褒めるけど、やっぱり休めばよかったなとも思う。

だって替わりはいる。

いない・できないと思い込んでいるだけで、仕事の替わりはなんとかなる。
準備不足と共有不足、見通しの甘さの問題で、私の課題でもあるけど学校組織の課題でもある。

そういうこととは関係なく、無理をする人もいる。


無理して元気でいる人は、他人に優しく、自分に厳しい。
誰かに迷惑をかけてしまう、心配をかけてしまうという気遣い。
甘えている、自己管理できていないと思われる不安。
真面目で良い人だから無理をする。

でも弱っているときも立ち上がれない日も生きていればあるんだから、無理することはない。

自分のことで精一杯のときに人のことまで考えられるくらい器の大きい人は、元気なときはたくさんの人の支えになるのだから充分だと思っている。


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