化粧をするようになったのは生徒の影響です

初めてデパコスを購入した。

メイクにかける時間は五分。日焼け止めと眉毛描くだけだった私がメイクに興味をもったのは、生徒の影響だ。

保健室に集まる、いわゆる目立つ女子たちの手には、いつも鏡やら櫛やらポーチが握られている。
保健室にある大きな姿見で何度も自分の姿を確認し、時には髪を整え時には化粧直しを始める子たち。最近は男子も同じように櫛で髪を整えている。

私からすれば5mm前髪を短くしたことや、アイプチで一重が二重になるくらいの差は大したことがないように思えるのだが、彼らは外見をとても気にする。
それもそのはずで、誰よりも鏡で自身の顔を見ているからだ。

私は自分の顔があまり好きではない。
だから鏡を見たくなくて、化粧も最小限になっていた。
でも最近のメイク道具や子どもたちがもつ技術は凄くて、努力すれば自分がなりたい顔に近づくことができる。
誰かを真似る、という考えはあまり好きではないが、理想を追求したり、メイクをすることで自分を好きになること自体は素敵なことかも、と思った。



鏡であらためて自分の顔を見つめる。
目尻の皺や目の下のくすみ、おでこの横じわ、シミ。
本音を言えばメイクで全てを隠したい。が、できないことはわかっている。
それでも下地をつけて、コンシーラーを塗って、ファンデとパウダーをつけたら肌の色が明るくなった。自分をちょっと好きになる。

店員さんが「どういう雰囲気になりたいとかありますか?」と尋ねてきたとき、私はすぐに答えられた。

「自然体で、健康的に見せたいです」

言ったあとに自分でビックリした。
「自然体」がすぐに出てきたのは、自分のことを意外と気に入っているのかもしれない。

もっと若いうちからいろいろ試したかったなぁと思いつつ、思春期の頃はニキビがひどかったのでメイクをしたら余計に悪化していたかも。
だとすればホルモンも落ち着いて経済的にも余裕がある今で良かったのかな。


あと、保健室常連の女子たちには化粧直しで授業に遅れないことと、TPOに合わせたメイクをするように伝えていこうとは思う。

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