マクロミルの撮影ノウハウを大公開!~広報スタッフが活かすクリエイティブのチカラ【写真編】
皆さん、はじめまして。マクロミルでインハウスデザイナーをしている田代です。広報を担当している部署のクリエイティブデザイングループに所属しています。チームの主な業務内容は、社内外の広報活動をクリエイティブの面から支援することです。
この連載では、マクロミルのクリエイティブデザインについて、いくつかのテーマごとにノウハウを公開していきます。デザインのプロでなくても活かせる、ちょっとしたテクニックをお伝えしますので、みなさんの仕事にもお役立ていただけたらうれしいです。
第1回となる今回は「写真編」。趣味でカメラを買ってネコを撮っていたら、いつの間にか仕事でも活用できるようになり10年近く経ちました。そこそこ実績が貯まってきたので、皆さんに共有したいと思います。
写真で全社・他部署へ貢献。活用できるビジネスシーンはたくさん
マクロミルでの主な写真の活用事例は以下の通りです。
社外向けのウェブサイトやパンフレットなどでは、プロのカメラマンに依頼している企業が多いかもしれません。マクロミルでは、かつてプロのカメラマンに撮影を依頼していた時期もありましたが、自分たちで撮影してみようとカメラを導入してもらいました。
マクロミルの社内報「ミルコミ」では、カメラが大活躍しています。Webで社外公開していますのでぜひご覧ください。
マクロミルのリアルを伝える社内報『ミルコミ』
マクロミルでは上記のような事例の中で、役員や社員を社内外へアピールしたり、人事による採用活動や、営業活動を行う皆さんへも撮影の協力をしています。
最近ではウェビナーなどオンラインで発表する資料で、登壇者のクールなビジネス・ポートレートを掲載しているシーンを見かけるようになりました。ビジネスシーンでの高品質な写真の活用は、その人の自信や信頼感、プロフェッショナル感が伝わり、さらに企業としてのブランド力向上に寄与すると思います。
また、会社の歴史的な歩みを写真に記録することは、広報の仕事として必要とされてきたと思いますが、それ以上に写真にはもっと情緒的で人の心を動かすチカラがあると思います。ある規模の人数で共通のミッションやビジョン、バリューを共有しながら働く会社という場所では、その成果と共に何かしらの人間ドラマが生まれているはずです。その人間ドラマを切り取った写真を社内外へ発信することは、記録以上の特別な効果があると思いませんか?さらにSNSを活用すれば会社やサービス・商品の魅力を波及的に社内外へ伝えることができるはずです。デザイナーやクリエイターのみならず、広報を担当されている方々がもっと積極的に写真を役立ててもよいのではないでしょうか?
スマホでもいいのですが、カメラを導入しませんか?
プロのカメラマンに外注するのではなく、自分たちで撮影機材を用意し撮影すると、撮影枚数に限りはありませんし、スキルやノウハウが蓄積していきますので、ぜひトライしていただきたいです。
コストが理由で購入が難しい場合、レンタルサービスを利用するのもアリです。年間を通してイベント時などのタイミングでレンタルサービスの利用計画を立てると、さらに効果的に活用できるかと思います。マクロミルでは複数のレンズをレンタルした実績があり、とても便利だったと記憶しています。
マクロミルで働き始めて20年近く経ち、デザイナー・クリエイターの制作環境が大きく変化してきたことを感じます。特にクリエイティブ業務に関わる機材は低価格化のトレンドがあり、その最たる例がカメラです。2022年現在では価格の低下と同時に、ミラーレスにより小型化し、オートフォーカスの性能が圧倒的に向上することでピンぼけ等の失敗ショットが少なくなりました。さらに高画質になったことで、我々のようなプロではない一般の会社員でも、撮影に関する基本的な知識さえあれば、かなり高品質な写真を撮影することができる時代になりました。
現在はスマートフォンで手軽に写真を撮る時代ですが、照明の少ない室内で雰囲気のあるシチュエーションを撮影したり、ボケ味を活かしたポートレート撮影、セミナー登壇者やインタビュー対象者といった微妙な距離感の被写体を撮影したいケースなど、まだまだスマートフォンでは難しいシーンがあります。人の心を動かす高品質な写真を撮影するには、以下の2つのポイントを満たしたカメラ+レンズがあると、手軽にプロ並みの高品質な写真を撮影することが可能です。
この2点に関する詳細は他の情報源にお任せしますが、簡単に言うとカメラのセンサーはレンズから入ってくる光を受け止めデジタルデータに変換するための重要なパーツで、この大きさが画質を大きく左右します。レンズに関しては、F値(開放絞り値)の数字が小さいほど、被写界深度の浅いボケのキレイな写真を撮ることができ、レンズ選びの際に重要な指標になります。
この2つのポイントを満たすカメラ・レンズは、以前よりはコスパが良くなったとはいえ、割と高価なものです。導入にはかなり障壁があると思いますが、プロのカメラマンに複数回発注するコストや撮影のノウハウが社内に残ることを考えれば、充分に元は取れるばかりか、活用次第ではコスト以上の効果があるでしょう。
マクロミルでは、これまでにいくつかのカメラを活用しており、現在は、フルサイズミラーレスカメラに、F2.8通しの標準・望遠レンズを使用しています。また撮影機材として、背景シート、三脚、クリップオン・モノブロックストロボを導入しています。これらの機材は一度に購入したわけではなく、必要に応じて徐々に導入していきました。高価な機材を導入してくれたのは、写真の効果を会社も認めてくれているからだと思っています。
特にF2.8の70-200mmのズームレンズは、メーカー各社が特に画質にこだわったモデルで価格もそれなりですが、背景がとろけるようにボケて被写体はシャープにフォーカスされた高品質な写真が撮影可能です。さらに言うと、可能であれば、レンズは標準ズームレンズ(24-70mm)と望遠ズームレンズ(70-200mm)があると便利です。下記にそれぞれのレンズ別で著作権フリー素材から撮影サンプルとなるような画像を掲載すると共に、オススメの撮影シーンをご紹介します。
無味無臭でカンタンに撮影したスナップ写真ではなく、所謂「アー写」(=アーティスト写真:宣材写真)のように、被写体の魅力が100%詰まった写真であることが大事なポイントです。下にスマホとレンズ交換式のフルサイズミラーレスカメラで同じ被写体を撮った写真をご覧ください。
同じモデルでも条件によってこれだけ違った印象になります。また、複数人が被写体となった集合写真でも、チームワーク感や一体感、スタッフそれぞれのキャラクターや働くシーンのエネルギッシュ感などを表現することができると思います。カメラとレンズ以外にも、照明の活用や撮影場所の選定、モデルとカメラマンのコミュニケーションの工夫によって、もっと質の高い写真を撮影することができます。
撮影した写真データの管理
写真を趣味にしている方は分かるかと思いますが、撮影した写真データをどこにどういったルールでアーカイブしているか、検索は簡単にできるかという管理がとても重要です。マクロミルでは、撮影した写真データは「Box」というストレージサービスにアーカイブしています。Boxに保存後、ファイルに一定のルールで適切なタグ付けを行います。そしてAdobe LightroomでRAWデータを編集・現像しJPEGで書き出し関係者やモデルになった社員たちに共有しています。
皆さんの会社では、ストレージサービスを利用していなかったり独自の社内ファイルサーバーを活用していたり環境が様々かと思いますが、Boxはストレージ容量が無制限なだけでなく、各データにタグ付けすることができ、スタッフ名やシチュエーション、利用した媒体名等でタグ付けしていれば後から検索することが可能で写真ファイルの管理上とても便利なのでおススメです。
Google Photosも有用です。PCのブラウザベースで閲覧・管理できるほか、アプリがあるのでスマートフォンでの利用もできます。さらに「フェイス グルーピング」という機能では同じ人物の写真を自動でグループ化してくれます。これがかなり高精度で、人物の写真を管理する上でかなり便利な機能になっています。
使いたい写真データを探すのに何時間も掛けてしまってはデジタルで管理する意味はゼロです。業務上使用するさまざまなデータ同様、写真のデータも有効活用するためにきちんと管理したいですね。
最後に
会社によっては予算の兼ね合いでカメラを導入することが難しい場合があると思いますし、上記で紹介した機材がないと絶対ダメだというわけではありません。カメラの導入が難しい場合は、スマートフォンを使ってひとまず始めてみるのもよいかと思います。アイデア次第では面白い企画が考えられるでしょう。その他の手段として、社内のホビーカメラマンを巻き込んだり、前述した撮影機材レンタルサービスを利用する手があります。高価なカメラやレンズがお手軽価格でレンタルできますので、イベント時などにぜひ活用していただきたいです。どんなアイデアで写真を活用するのか、ぜひ面白い企画を考えてみてください!
次回、機会があれば動画制作についてお伝えします。
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