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マクロミルの新Mission・Visionに込められた想いとは?策定の裏側に迫る!

事業領域を拡大し、総合マーケティング支援企業への変革の最中にあるマクロミル。7月に社内で開催された全社キックオフでは、未来を見据えてMissionを見直しつつ、Visionを刷新することが発表されました。
そこで今回は、新しい指針ができるまでの過程や、込められた想いについて迫るべく、代表執行役社長の佐々木徹さんと、この策定プロジェクトを外部からサポートいただいた株式会社takibi様に、広報の岩原が詳しくお話を伺ってきました。

新Mission・Visionのキービジュアル

【新Mission】
私たちの使命は、お客様のより良い意志決定を支援するために、お客様が心から満足し、感動するサービスを提供することです。そして、利益を追求し、企業価値を高めながら、社員がそれぞれの可能性に挑戦できる場所をつくっていきます。

【新Vision】
Build your Data Culture
私たちは、データネイティブな発想でお客様のマーケティング課題を解決し、ビジネスに成功をもたらすData Culture構築の原動力となることを目指します。

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▲完成した新Mission・Visionのキービジュアル


株式会社takibi 様
ブランドマーケティングで企業を成功へ導くパートナーとして、ロゴデザイン、ブランドスローガン開発、マーケティングKPI策定、広告、CM・動画、Webサイト、SNS運用、ノベルティなど多岐にわたるアプローチを実施されています。代表取締役社長である朝倉昇誠様には、マクロミルの創業時より様々な面でご支援いただいており、これまでにCI(コーポレート・アイデンティティ)策定・刷新や、ノベルティ、会社案内、TVラジオ広告制作など、幅広く関与いただいています。

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代表取締役社長 / Account planner
朝倉昇誠様

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Account planner
関口健太郎様

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これまでtakibi様に制作いただいたノベルティの一部


※本記事は社内報「ミルコミ」Vol.165(P24~29)に掲載した内容から掲載しています。マクロミルの社内報は社外公開していますので、ぜひ他コンテンツもご覧ください。

マクロミルに対する「光の当て方」を変える

― まずはMission・Visionの見直しを行うことになった背景から伺っていきたいと思います。当初は、「データ利活用支援(データコンサルティング)事業」のブランディングについて検討を進め、今後マクロミルが目指すべき方向を考える中で、Mission・Visionの見直しを行う必要性を実感し、今回の策定に繋がったとお聞きしました。どのようなきっかけで本プロジェクトが始まったのでしょうか。

佐々木:マクロミルとしてお客様の課題解決を続けていくためには、マーケティングリサーチ事業だけに留まらず、「リサーチ」×「DATA」の会社への進化が必要だと、以前から社員の皆さんにもお話してきました。その中で、一つ形になりつつあるのが、主にお客様のDMP*におけるデータの利活用を支援する事業(以下、データコンサルティング事業)です。私自身、そこに大きな可能性があると感じていて、マクロミルとしてもギアを上げて事業規模の拡大をしていきたいと考えていました。ただマクロミルに対するお客様のイメージは、いまだに「ネットリサーチの会社」が根強い。そこでどうしたらマクロミルのデータコンサルティング事業を認知いただけるか、さらにはマクロミルに対するパーセプションを変えられるのか、もう一度ブランディングを考え直したいと思い、takibi様にお声掛けしました。

*DMP…データ・マネジメント・プラットフォーム。インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームのこと。

― 最初に佐々木さんからお話があった時、朝倉様はこのプロジェクトについてどう感じられましたか。

朝倉様:率直に面白いし、意義ある取り組みだと思いました。そもそもブランディングは、モノに対する光の当て方だと考えています。モノ自体は変わらなくても、光の当て方一つでそれが高価に見えたり、安価に見えたりする。マクロミルさんは、これまでずっとリサーチ会社のカテゴリーに入っていましたが、実は他にも沢山提供できていることがあって、どう光を当てればより上位のポジションとして捉えられるかという話なんですよね。

佐々木:最初に昇誠さん(朝倉様)や関口さんとお話した際、「データコンサルティング事業は面白いし、光の当て方次第で大きな可能性がある」と仰ってくださったんです。

ずっと変わらない、マクロミルらしさとは

― アウトプットに至るまでの過程で、印象的だったことはありますか。

佐々木:お客様に直接ヒアリングをさせていただいたことですね。「データ利活用におけるコンサルティングを行っていることをご存知ですか?」とご質問してみると、「マクロミルができる認識はなかった」と回答される方が多く、当然、コンサルティングファームに相談しているケースがほとんどでした。お客様からは、「マクロミルってリサーチだけじゃなかったんですね。思った以上に色々ご相談できることが分かりました」と仰っていただき、現在では従来コンサルティングファームが行っていた領域をマクロミルがご支援するに至っています。私は、マクロミルの事業変革を成し遂げたいと考えていますが、その自信を強めることに繋がったヒアリングになりました。

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関口様:今回一番の発見は、お客様のマーケティング活動においてDXを推進するには「戦略フェーズ」「実行フェーズ」に加え、「浸透フェーズ」が必要だということでしたね。

佐々木:そうですよね。企業のDX推進フローについては私も仮説を持っていたのですが、当初は戦略と実行の2フェーズしか想定していませんでした。しかしお客様とお話しする中で、DMPの構築後に、そこで扱うデータの利活用を現場の業務にきちんと落とし込む「浸透フェーズ」があり、それこそが重要だと分かりました。そこからさらに議論を重ね、既存サービスの「MAG(マグ)」を改組する形で、DX浸透に特化した新サービス「DX Buddy」を本格的にスタートすることにしました。DX浸透パートナーという立ち位置で、DMP構築やデータの利活用支援およびコンサルティング業務を提供していきます。

3フェーズ

▲企業のDX推進のフローを表す3フェーズ

― 上記スライドに記載のある通り、「例えるならDXとはフィットネスによる肉体改造である」という表現が分かりやすいですし、ユニークですよね。

関口様:対外的な認知を高めるためには、3つ目のフェーズが新しい概念であることをサービス名と一緒に発表することが効果的だと考えました。その前提で考え抜いた末、最終的には「企業の体質改善を行う」という意味で、一番分かりやすい「肉体改造」に例えました。

朝倉様:少し話が変わるのですが、一連のやり取りの中で感じたのが、佐々木さんは「自分たちにもできる」という想いを強く持っているんです。例えば、コンサルティングファームと同じことをマクロミルも提供できるはずだと、その可能性を信じている。ファイティングポーズを取っている。佐々木さんのそういうところがかっこいいと思いますし、何とかしてその想いを実現していただきたいなと感じました。

佐々木:ありがとうございます。本気で勝ちにいきたいと思っているので、そういった意味ではファイティングポーズを取っていると思います。今、マクロミルはこの事業領域を説明するのに「データコンサルティング」という言葉を使っていますが、いわゆるコンサルティングファームと同じフィールドで戦ってそのポジションを奪うというよりも、「この領域は本来ならデータを扱う私たちが提供するものであるはずだ」という想いでいます。

―「DX Buddy」という新サービス名はどのように決まったのでしょう。

関口様:これも多くの案の中から厳選しましたね。「DX Buddy」は、昔から変わらないマクロミルらしさにあふれたサービスだと思っています。「マクロミルらしさとは何か?」をお客様にヒアリングしたところ、お客様との距離感が近く、フレンドリーな関係性を築けていることだと分かったんです。あくまで想像にはなりますが、コンサルティングファームだとやり方やノウハウだけを授けて終わりという、どちらかというとドライな印象があります。一方で、マクロミルさんがものすごく評価されていたのは、お客様が求める本質的な成功を共に考え、チームの一員として溶け込みながら一蓮托生で進めていく姿勢でした。これって今も昔も変わらないマクロミルさんらしさなんですよね。その雰囲気を上手く表す言葉を探して、複数提案した中で、最終的に「Buddy」を採用いただきました。「DX Buddy」はこうして生まれたわけなのですが、「Buddy」と聞くと、いわゆる海猿と呼ばれる海上保安官の人のように、対等な関係でゴールを目指す印象が強く伝わるので、とても良いですよね。

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全ての考えや想いが繋がった新Mission・Vision

―「DX Buddy」が生まれた背景がよく分かりました。では、どういった流れでMission・Vision策定の話が出てきたのでしょう。

佐々木:私が代表に就任した際、今後マクロミルが目指すべき方向性を考えると、今がMissionやVisionを見直すタイミングだと思っていたんです。「DX Buddy」の話を進める中でtakibi様と一緒に考えていくのがベストだと思い、「DX Buddy」が生まれた直後、「次はMission・Visionの見直しを一緒に考えていただきたい」とお話しました。

― まずMissionは、冒頭の「マクロミルグループは世界的なマーケティングリサーチ企業です」の一文をカットしましたよね。Missionは企業が果たすべき使命かつ存在意義ですが、どのような議論を経て決定したのかを教えてください。

佐々木:Missionの文言を一から刷新することも選択肢として考え、takibi様から沢山のアイデアもいただきましたが、最終的には私の方でほとんど変えずにいくと決めました。もともとリサーチ会社に留まらない世界観の表現が必要だと思っていたので、冒頭一文目は削除しようと決めていました。ただ、それに続くメッセージの表現をどうすべきかについては、何度も繰り返し考えました。ご存知の方も多いと思いますが、二文目以降は、マクロミルの創業理念でもあり、20年以上もの間、掲げ続けてきた指針なんですよね。私自身もずっと意識してきたことでやはり強い思い入れがあり、会社経営として普遍的な考えが込められていると思ったので、最終的に改めてこのままでいこうと決意しました。

関口様:刷新することも想定していたので、あるべき表現を、かなりの人数が参加し、時間をかけて考えていた中で、最終的にこれまでのメッセージのままでいこうとスパッと判断されたのは、これぞ経営者、という感じがして感動しましたね。

朝倉様:やはり最後は自分の想いが出ますよね。何度も可能性を出し合ってこの結論になったので、元に戻したわけではなく、佐々木さんが新しく作ったと言っても過言ではないと思います。

― 続いてVisionについてもお聞きします。Visionは将来の実現を目指すありたい姿ですが、「Data Culture」というキーワードが出てきたのが大きな変化ですよね。どのような経緯でこの言葉を採用されたのでしょう。

朝倉様:佐々木さんはマクロミルの方向性について「データカンパニー」というキーワードを挙げていましたが、「データカンパニー」を掲げる企業は世の中に沢山ある。また、データで何を作っているかや、どう扱うかによっても意味が変わるので、そう表現するのは避けたほうが良いかなと。そこで、何か適切な表現がないかと探していた時に「Data Culture」という言葉をパッと思いついたんです。調べてみると、日本ではほとんど使われていなかったのですが、経営学誌「Harvard Business Review」や、McKinsey & Companyの季刊誌「McKinsey Quarterly」では、「Data Culture」をテーマにした論文が執筆されており、アメリカの知の巨人たちがすでにこの言葉を使っていたんですよ。その時、日本で初めて「Data Culture」を掲げる会社に、マクロミルがなってもらえれば、と思いました。なぜ「Culture」かというと、マクロミルの強みはお客様にロジカルに正しいということを教えるだけではなく、「トライ&エラーをして皆で一緒につくろう!」という風土自体を作れることですよね。これはまさしく「Culture」で、佐々木さんの構想と、お客様からの評価が繋がった瞬間でした。

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佐々木:全てが繋がった、というのが一番重要ですね。マクロミルは創業以来、データを取り扱うことを生業としているので、我々はいわば「データネイティブ」な存在と言えると思います。普段の業務でそれを認識することはあまりないかもしれません。ただ、我々の根源的な強みの一つが「データネイティブ」であることなのは、お客様へのヒアリングでも確信が持てましたし、やはりお客様のことを思って汗水流す「Buddy」感がマクロミルらしさだなと。データネイティブな発想でお客様の意思決定を支援する、そしてマクロミルが介在することによってお客様の中で徐々に「Data Culture」が構築されていく、ひいてはデータを活用してお客様がより良い意思決定をサステナブルに行える原動力でありたい、という想いが新しいVisionに込められています。

朝倉様:「皆で一緒につくろう!Buddy」感という言葉が出てきましたが、中にいる人はその強みに気づきにくいものです。強い競争優位であればあるほど当たり前に感じてしまう。実はそれこそが本物の価値だと思います。

― 新しいVisionが掲げられた今、社員へ期待したいことは何でしょう。

佐々木:社員に期待することは二つあります。一つは、今私たちがやろうとしていることは新たなビジネスを「開拓」することで、大きなチャレンジだと認識してもらうことです。もう一つは、マクロミルの事業にもっと誇りを持ってほしいということ。マクロミルの事業は決して下請け業務ではなく、お客様のビジネスを成長させる「Buddy」であると自信を持ってもらいたい。マクロミルには本当に優秀な人材が揃っています。変化を恐れず自信を持って、一緒にチャレンジしていきたいと思っています。

朝倉様:少し壮大な話になりますが、どのような領域でも時代が変わればゲームチェンジが起きます。例えば昔ならコンピューターは高価なものでしたが、今は以前に比べると手に入りやすい。あらゆる答えを誰もが簡単にWebで検索して見つけやすくなっている。言うならば一人ひとりが高性能なコンピューターを持っている状態です。すると何が起こるか、ただ答えを教えてくれる人よりも、人の感情を理解して動けたり、チームのムードを作ったりする人の方が価値がある時代が来るわけです。その時にマクロミルさんの「Buddy」感はものすごく大きな強みになりますよ。社員の皆さんがその価値に気づき、誇りを持てると良いなと思います。

要素分解をして改めて自分たちを知ることが大事

― Visionの「Build your Data Culture」について、建造物を表現したキービジュアルが印象的ですよね。どのように制作していったのですか。

朝倉様:当社ではマクロミルさんの企業ロゴも作成させていただいたのですが、そのデザイナーさんに今回も依頼しました。そして、マクロミルロゴのデザイン要素を分解してもらい、それを積み上げることでBuild感を作り出しました。Cultureは一つの要素で成り立つものではなく、様々な要素が積み重なってできたものなので、その感じが伝われば嬉しいです。

佐々木:昇誠さんが仰っていた光の当て方の話が核心をついていると思っていて、「DX Buddy」やVisionのキービジュアルも、議論は全て要素分解からスタートしたんですよね。やはり、自分たちを改めて知ることがとても大事だと思います。振り返ると、一貫してマクロミルの可能性を信じてくれたtakibi様は、パートナーとして最適でしたね。

― マクロミルとtakibi様の関係にも「Buddy」感があるのかもしれませんね!

佐々木
:まさに「Buddy」感でしたね。私たちもtakibi様のようにプロフェッショナルな仕事の進め方を参考にしたいですし、改めてご一緒できて本当に良かったです。これからもよろしくお願いします!

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※本記事は社内報「ミルコミ」Vol.165(P24~29)に掲載した内容から掲載しています。マクロミルの社内報は社外公開していますので、ぜひ他コンテンツもご覧ください。

この記事を書いたのは…

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写真撮影 / コーポレート・コミュニケーション・IR本部 柳川亜紀子


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