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アジアの微笑みタイランド【#行った国行ってみたい国】

初めてタイランドを訪れたのは20数年前。
南部のクラビーから入った。
雨季だったせいもあり台風の後で、
膝まで雨で浸水した道路をバスで進んでいった。
街の中をボートで漕いでいる人もいるし、
結構な大惨事と思いきや、
不思議と街の人の表情が明るい。
泳いでいる人もいれば、
子供たちは一様に楽しんでいる様子。
洪水の街中で微笑む人たち。
それが僕のタイの第一印象だった。

クラビーから始まり、
1か月かけて南北を縦断したけれど、
ピーピー島のヤシの木が優しく揺れる
白い砂浜と青い空だけの景色。
バンコクでは新旧文化の織り交ざった
都会のカオスな喧騒の中を探検し、
スコタイの仏教寺院に幸福の夜明けを感じ、
チェンマイの山あいから流れる風の中で
タイマッサージに体を委ねる。
ゲストハウスのオーナーも、
トゥクトゥクの運ちゃんも、
怪しいお店の客寄せも、
屋台の売り子にマッサージのおばちゃんも、
タイで暮らす人たちの人懐っこく
優しく受け入れてくれる微笑み。
そうあの微笑みは異邦の旅人の
心を和ませてくれる。



20年前と比べればバンコクを中心に
街並みはアップデートされているだろう。
マハナコーンタワーのガラスの床の展望台から
バンコクを見渡せば、洗練された街並みに驚くかもしれない。
ジョッドフェアのマーケットのモダンな
露店に気持ちも弾むことだろうが、
それでもタイの微笑みは
街角の小さな祠にも宿り、
今も変わらずに旅人たちを迎えてくれるだろう。
ワット ポーに肘を立てて横になっている
黄金のブッタは悠久の時を超えて
今も変わらず微笑んでこう言っている。
「何を急いでどこに行くんだい。
まずはゆるりとひとやすみ」
あの微笑みにまた会いに行かなければ。

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