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男子より女子の脚が太くなりやすい理由

「なんで男子は脚が細いヤツが多いの?」

学生の女子から飛んできがちな質問である。

確かに女子からすれば不思議に思うであろう。
部活で同じスポーツをしていて、練習量も同じくらい。それなのに中学生から高校生、それ以降になっていくと、男子は競技力が上がっていくのに、女子は頭打ちから下降傾向になる人が多い。

男子は筋肉質になってもそれほど太くならないが、女子は下半身を中心に太くなる人が多くなる。

ならば筋肉の量がカギかと思って筋トレをしても細くならない。
有酸素系の筋肉を付ければといわれ、やってみても細くならない。
すると、骨盤の歪み、姿勢の悪さ、むくみ、さまざまな理由を言われ改善法を試してみても何の変化もない。
なんなら今現在、運動もまったくしていないお母さんより太くなっているから、不思議過ぎでこんな質問をしていたりする。


実は、理屈的にはそんなに難しい理由ではない。

答えとしては、
男性は移動するとき(歩く・走る)、倒れることができるが、
女性は移動するとき(歩く・走る)、倒れることが苦手である。

たったこれだけである。

これがどういうことかというと、典型的なのは最高に速く階段を降りようとしたときに違いが出る。

中年前の男性ならば、階段をできる限り速く降りようとするとき、前足の着地で重さが乗る前に次の足が下に出て、その次の足に重さが乗る前にさらに次の足が出ている。つまり、上体が転ばない程度に下に落ちていっているような状態ができあがっている。
体を倒して落下させている。

ところが、女性はこれができる人が少なくなる。どうしても前に出した足に体重がそれなりに乗らないと次の一歩が出てこない。特に苦手な人では上側脚に乗ったまま、上の膝を曲げて一段下のステップに足を置いているような降り方になる。太ももの筋肉を最大に使っていることになる。

こうした違いが階段の下りだけではなく、普段の平地を歩いているときから起きている。

これは正しい歩き方とは全く別で、男性の場合、どんなにガニ股で歩いていてもそれなりに前に倒れるのだが、女性の場合は、後ろ脚に体重が残った状態で前足を出してしまう。

つまり、倒れれば重力で前に移動できるが、重心が後ろに残れば筋力で前に進む。

見た目の違いとして、後ろ脚になる膝が股関節よりも後ろに行かないから体を倒すことができないのである。

それにより普段から倍以上の筋肉を使うことになる。



そして、筋肉のつき方に差が出る。
●膝が伸びきって背伸びをするようについた筋肉は細くなる。
●膝が曲がって、つま先を上げるような状態になった使い方をすると、ふくらはぎだけでなく太モモも太くなる。

前者は、伸ばされた筋肉が伸ばされたゴムのように戻る力を使っているから、力はちゃんと発揮しても意識的な筋肉の収縮は小さく済む。
鹿が飛ぶように速く走るのに脚が細いのと同じである。

後者は、ゴムのような戻りはゼロで、筋肉の収縮の力のみで動かなければならないために、不要な筋肉の発達が生まれる。

筋肉と体の使い方によって太さが変わるということである。
例えば、踵を付かないで走るアフリカ勢のランナーは脚が細いが、踵を付いて走る日本人ランナーは太めである。
ハイヒールを膝を伸ばしきって履いている人の脚は細いが、膝を曲げている人の脚は太めである。


ちなみに、この質問をした一人の子が倒れるような体の使い方を果敢に挑戦した。

2週間辺りから細くなりだして、1ヵ月後には見違えるほど細くなった。

しかし、これを習慣化できずに3ヶ月後には戻ってしまった。

習慣化することが難しいのが実情である。

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