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どこからがO脚で、どこからがX脚か、考えたことありますか。

「私はO脚気味」
「私はX脚気味」

たまに耳に入ってくる会話であるが、何を基準に判断しているのだろうと思う。

人間にとっての真直ぐは、真直ぐではないことがほとんどである。

例えば、背骨。
背骨は正面から見たら真直ぐといえる状態になるが、横から見ると腰のところが反っていて、背中の辺りは丸くなり、首がまた反っている、S字状の湾曲がある。

この湾曲がちゃんとあることが真直ぐである。
この湾曲が無くなって、腰の部分が本当に真直ぐになったら、それは腰が丸まっていることになる。


なんともややこしいのである。


脚についても同様である。

まず、股関節は骨盤と太ももの骨がくっついているが、90度にくっついているわけではない。

太ももの骨は垂直に対して15度程度内側に傾いて、膝が股関節より中心に向かう。
そのまま真直ぐではなく、膝でX脚方向に4度程度曲がってつながる。
そして、スネの骨も垂直に対して少し斜めになっている。

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つまり、脚は膝関節で4度X脚になっているのが真直ぐということになるのである。

ではまず、O脚とはどんな状態からかというと、モモの骨とスネの骨が180度以上であること。モモとスネの骨が一直線異常になるとO脚ということになる。


次にX脚はというと、モモの骨とスネの骨が165度以下である。モモとスネの骨が15度以上でX脚の状態である。意外にも、かなり曲がっていなければX脚ではない。

すると、4度から15度弱までX脚というのは、実は正常範囲ということになる。

こう考えると、私の見る限り、現代の世の中にはX脚の人というのはほとんど存在しないように思う。
おそらく、X脚気味といっている人くらいが、本当は綺麗な脚の状態と考えられる。

逆に、モモとスネの骨が180度で、本来ならば真直ぐの状態がO脚となれば、世の中のほとんどの人はO脚であるといえるであろう。


この事実から、人間の特性を考える。

人間は2本足で活動する稀な動物である。

そして2本足で歩く動きは、片足の繰り返しである。
片足になった時、人間はバランスを取らなければならず、重心である体の中心の真下に足をつきやすくする為に、脚は股関節から15度中心に向かい、膝で4度X脚に動くことで、体の中心の1点で支えやすくなっている。

つまり、歩くときには片足になった足が、体の真下で付くように一直線上に足を運んで歩いていくのが理想である。

ところが、現代人は、歩くとき足を真直ぐ出せと言われると、大半の人が体の中心ではなく、左右それぞれの股関節の前に足を出す。つまり、2本線を描くように足を出して歩こうとするのである。

こうなるとX脚よりO脚の方が、足をつくためには都合良くなる。

あくまでも、X脚傾向は体の中心に足を出しやすくするための特徴で、一直線上に足を運ぶための物である。

昔から、歩くときに2本線上を歩くのは幼児か老人。
一直線上を歩くのが活発に動く世代。といわれてきた。

人間にとっての真直ぐというものをただ直訳的に理解すると大変なことになる。

体の重心の移動や受け止め方を考えなければならない。

頭の片隅にでも置いておいて欲しいものである。



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