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絶望から希望へと変わった1日

 前回のnoteで書いたように、自分たちの車は砂漠のど真ん中で砂にはまって動けなくなってしまった。その後、現地のガイドに助けてもらい、無事に砂漠から抜け出すことが出来た訳だが。
 またもや車が壊れてしまった。自分たちも途中から気付いていたのだが、何かしら怪しい液体が漏れていたのだ。ボンネットを開けてみるとシリンダーヘッドのカバーにヒビが出来ていてオイルが噴き出して漏れてしまっていた。さらには無理に走らせてしまったことでエンジンのタイミングチェーンと近くのバルブリフターがイカれてしまった。これらのパーツを手に入れるには現在地から6時間かかる首都までパーツを取りに行ってもらうしかないのだが、その値段が法外に高かった。車を首都までトラックで運んでもらうにも10万円近くかかってしまう。
 ただでさえ車にお金がかかってしまっている自分たちはどうにかしてこの費用を節約しようと色々な方法を考えた。ヒッチハイクで首都まで乗せてもらいレンタカーを借りて牽引するか、ナミビア大使館で働く大学の後輩にレンタカーを借りて迎えにきてもらうか、その後輩にパーツだけ買って持ってきてもらうか、など色んな方法を考えた。結局、AT車の長距離牽引は故障の原因となるため不可能であることが分かり、トラックかトレーラーでの輸送を頼まなければいけないということが分かった。
 そこからは自分たちのコネというコネを使ってなるべく安くウィントフック(ナミビアの首都)まで車を運んでくれる人を探すだけだ。以前に滞在していたゲストハウスのホスト、日本に在住経験のあるナミビア人のエロおやじ、剣道を教えたナミビアの女性歌手など、出来る限りの人脈を使って探しまくった。結果、友達の友達的な人に5、6万円で輸送してもらえることになり、何とか車を運べることになった。修理屋さんも一度お願いした人のツテでJEEPの専門パーツを用意して修理してくれるところを見つけることが出来た。アフリカにいる人たちは基本的に社交的で人が困っていたら積極的に助けてくれる人が多いが、今回に関しては人脈も広げておいて本当に良かったなと思った。
 しかし今回の話の肝はこんなところではない。タイトルを思い出して欲しい。「〇〇から△△へ」タイトルを思い出せない人は若年性の認知症だ。そういえば最近、一緒に旅をしている蓮に「蓮って言葉を省略するクセがあるよね、さとたけ(佐藤健)とか」と言ったら「その癖、治したいんだよね。脳を使わなくなって認知症になりやすくなるらしいから」と言っていた。
 まあそんな話はさておき、タイトルは思い出せただろうか。答えは「絶望から希望へと変わった1日」だ。砂漠で車がハマって壊れたことが「絶望」だとすれば、「希望」とは何だろうか。それは、次回までのお楽しみだ。

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