自分のやりたいことが何なのか
最近よく行く大阪の美容院で美容師さんと話をしていた時、「このお店東京で出したいんですよね、独立とかじゃなくて、自分を育ててくれたこの店に今度は貢献したいんです」と話をしてて、年下なのになんて熱い男なんだと思った。(間違ってもキュンとしたなんて話ではない)
高校生の時にすでに自分の将来やりたいことと向き合って決断していて、今もその道に対して努力していると考えると、自分にはそんなことが全く出来ていなかったな、と後悔することがある。
「良い大学に行くことが全て」と、とにかく勉強することの大切さばかりを日々先生から聞いていた高校時代、自分で考えることすらなく、先生の言う通りに日々勉強していた。今になってあの当時の学校教育に口を出せるなら、少しくらいキャリアプランとか将来と向き合う時間や助言があっても良いのではないかと思う。(それくらい自分で考えろというゆとり世代への攻めの意見はもう耳が痛い)
高校ではとにかく大学にいけるようにと日々奮闘し、大学に何年か通った後「さあ、あなたのしたい仕事は、メーカー、商社、金融どこで出来ますか考えて見て下さい」なんて訳のわからない就活がやってくる。大手企業にいけることがベストとされ、全員同じ髪型服装をして、面接では模倣回答のような自己PRをし、本当はその企業のことなんて何もわかってないくせに「私が御社で貢献できることは、、」なんて大口を叩く。結果働き始めた後に、多くのギャップを感じて、辞めようか辞めないかと日々悩むのだろう。
将来やりたいことがわからない、というのはそこに向き合うべき時間とタイミングがこの日本の教育の中にあまりないのだから仕方ない。最近、就職活動のルールの廃止が決まるなど、相変わらず政府に振り回されまくりの学生がきっと多いのだろう。今になって何か学生に伝えたいことと言えば、このイケてない日本の就職活動制度から少し違った方法を考えてみることも大切だと思う、ということ。
そんな中、最近総務省が行っている「ふるさとワーキングホリデー」という画期的な取り組みがある。学生や転職活動中の社会人が、ある期間海外ではなく日本の地方企業に勤め、仕事を学ぶ、というもの。参加企業は農業や観光業が多いものの、IT企業や建築業など様々な中小企業が参加している。総務省の狙いは地方創生やUターンIターンであるのだろうけれど、ここで得られる学びは凄く大きいと思う。
従来通りのインターンのほとんどはプログラム化されたものであり、ある程度その取り組みで学生の本質をみるのが企業の狙いであるため、学生は実際働いた時の自分の姿を見つめることは出来ない。得れる情報はOB訪問での聞き取りなどで、人の話を聞いたところで、結局自分のことはよくわからないままだ。そんな時にこのワーホリの制度を使って、実際に企業に勤めるお試し期間みたいなものがあれば、少し違った形の自己分析ができるのではないかと思う。
実際そんなことに気がつかなかった当時の私は、このクソみたいな就職活動に(だんだん口が悪くなってきた)学生時代既に疑問を感じていて、「とりあえずやりたいことなんてわかんないし、海外行ってきまーす!」と親に言ったら、死ぬほど怒られて諦めた思い出がある。当たり前だ(笑)結局、就活をして、とりあえず企業に勤め、恐らくは本来やりたいと思ってない仕事の中から、自分はこれがしたいのかも?こんな上司になりたいのかも?と自分に思いこませ日々頑張ってみたけれど、最近それをやめた。もちろんこの話は人によって違って、そうやって就職活動をして勤めている会社でしっかり自分のやりたいことを見出してキラキラしたキャリアを築いている人もいて、忍耐力とか適応性という言葉を出されると、少し辛い部分がある。この文章はある意味の、泣き犬の遠吠えみたいなものであるのは明らか。だけど、同じように悩む人は沢山いてるはずで、その中の誰かにこの話が響けばなあ、と思う。
退職して、このふるさとワーキングホリデーという制度を使って地方のデザイン事務所に2週間ほど勤めてみた。短期間ではあるがそこで得たものが沢山あったので、学生や社会人に関わらず、こういう制度を使うチャンスがあれば試して見てはどうだろう。もちろんこのきっかけで自分の成功話でも語れたら説得力があるのだろうけど、それにはあと何年かかるかわからないので、とりあえず。地方で働くことや中小企業で働くことの魅力なんかもまたお話できればな、と思う。
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