見出し画像

「朝のババア」

朦朧としたアタマ おぼつかぬ足元
新聞を取りに部屋を出る
朝 オートロックのマンション 集合ポストまで新聞を取りに行く
誰かとすれ違うか 1階までエレベーターで降りて昇っての5分ほどにも 誰かとすれ違うか
マスクをして 外廊下へ
▼ボタンを押す エレベーターのカゴは下から上がってぼくの目の前を通り過ぎる
あ 上の階に住むババアだ
ババアが降りてきたら乗り合わせねばならない
それはイヤ
ぼくは別棟まで行き 違うエレベーターで降りる
集合ポストに着くと 先に来ていたババアとスレ違う
新聞を手にしたババアに
オハヨウゴザイマス

会釈するが 顔が見えない
どんなババアか
20年住んでいるが ババアを認知したのは最近
昔からいたババアか
単に 新聞を取りにいく時間がこれまで重ならなかっただけ―
どうでもよい どうでもよいこと
ぼくが1分早く出れば ババアとタイミングも合わない それだけのこと が 1分早く 遅くが できない

とにもかくにも ババア 長生きしろよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?