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■ひろゆきの「ご高説」がありがたいのか

マスコミってナニ?(4)
ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改

私は、長年大手マスコミの記者、編集現場で働いてきた。出世もできず、幹部(部長にすら)にもなっていない人間だが、世の中とその動きについては、個人的視点と同時に職業人の目でも見てきた―。
たとえば朝日新聞が、読売新聞が、毎日新聞が、東京新聞が、日経新聞が、産経新聞が…いろいろと内外の事象について紙上で発信したとしよう。共感する人(読者)、批判的に感じる人さまざまであるが、商業マスコミとしていずれも今日まで命脈を保っており、日々何百万、何千万の人びとにニュースを伝えている。そこでは、記者個人の視点、感想を織り込みながらも、〇〇新聞の目での見方であり、見解が発信されてきた。

一方、インターネットにより、私も含めた一個人でも同様に「持論」を展開、発信することが可能になり、マスコミでなくとも、マスコミ的影響力を持つ「人物」も結構存在するようになった。
私個人は、有名無名、専門性の有無を問わず、ツイッターを始めとしたSNS、個人のブログなどでの意見表明はほとんど注目も関心もなく、フォローする対象もいない。
しかし、マスコミのフィルターを通じて、彼ら彼女らが発信する意見を散発的に目にする。
ニュースは、紙の新聞6紙をザーッと目を通したうえで、ネットではYahoo!ニュースで見ることがほとんど。日経電子版を購入しているが、それも含めて朝日、産経など個別新聞のネットニュースを見ることは少ない。Yahoo!ニュースからそのソース原稿をチェックする時ぐらいである。

さて、長くなったが、ネットニュースでよく取り上げられる個人の意見発信の頻度が最も多い1人が、ひろゆきこと、西村博之(45)ではないか。ほりえもんこと堀江貴文(49)やZOZO創業者の前澤友作(46)らも似たような立ち位置のように思えないでもないが、たぶん彼らのツブヤキはひろゆきほど多くはないのだろう。
Yahoo!ニュースでは、中日スポーツ、スポニチなどのサイトでしょっちゅう、ひろゆきが登場する。
きのう25日には、中スポは「ひろゆきが年末ジャンボに夢託す庶民に「宝くじを買うと金持ちになれると考える頭の悪さのせいで貧乏のまま」と持論」として、ひろゆきの声を取り上げ、それだけで翌26日までに6千件を超えるコメントがついている。
すごい発信力だと思う。
ひろゆきそのものが、もはやマスコミなのである。

それだけ反応があるとしても、私自身はひろゆきのツイッターを読んだり、フォローしようとはまったく思わない。

彼の常套句であり、私自身もすばらしいセリフと思う「それって個人の感想ですよね」が彼そのもの、すべてなので、耳を傾ける必要はないと思うのだ。

マスコミたるもの、彼のご高説など無視すればよいのだが…そうはならないところが、後戻りできない現況ということだ。

ひろゆきの、ご高説など注目する必要はない。私にとって一番いま、書き込み・投稿を楽しみにしているのは、noteの「おんど」さんだけだ。

※2021年2月19日の「■われわれはマス「ゴミ」ではない!」から60本にわたって書き綴った、マスコミ界歴35年の筆者が、改めてマスコミ(新聞、出版、放送)界と社会、世界について書き綴る。マスコミ志望者必読。


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