「ユーミンはサイボーグ」
来月69歳になる松任谷由実
レコード CD―その1枚も持っていない
だが
1973年の「ひこうき雲」が
すばらしく すばらしく
聞いて涙 詞を読んで涙
歌詞を書き写す 61歳のぼく
2番にあるフレーズ
「ほかの人には わからない」
ガツンとくる
――わからない
わからないのである
人の命の先――
寸前までに 彼が 彼女が
思っていたことなど
わからない
そんなことを頭に浮かべ
メロディーに乗せ
10代で その歌を作った
荒井由実の才能に目を見張る
実は
1970-80年代の日本の音楽は嫌い
大嫌い ダイッキライで 当時は背を向けていた
だって
そんな
心を打つフレーズ
言えば すぐわかるじゃん
日本語で歌い
耳にすぐ届くフレーズ
かっこ悪い 悪すぎる
さだまさしだろうが 中島みゆき
荒井由実 よしだたくろうだろう
彼ら 彼女らが日本語で歌う
みな かっこ悪すぎて
まともに聞いたこともなく
40年 50年がたち
今 ぼくは聞き返している
日本語で届く
「若者の気持ち」「人の気持ち」
それをかみしめる
だがしかし
テレビに映る68歳
再来年 1年2カ月後には古希という
「ユーミン」
サイボーグのようなご面相で
歌唱時とは異なる
低い声で おしゃべりする
異次元のお方
ビッグネームはみんな
異次元 異世界に住む人びと
若い日に
あの歌
英バンド プロコル・ハルムの青い影を
すっかりいただいたような
あの歌だけど
あれ1曲をこの世に出しただけで
「ユーミン」はすばらしい
と
今さらながら思う
初めてCDを買い
コンサートのチケットを取ってみようか
そう思う
一万分の一の力もない ぼくは
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?