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■「男」か「男性」か

マスコミへの道(31)
新聞、放送、出版…マスコミ志望の方々へ

日々、さまざまな事件、事故がある。
法律に反して逮捕されると××容疑者と報道段階では呼ばれる。
これ、大昔は呼び捨てだったのである。
僕が業界に入るずっと前に既に容疑者呼称になっていたが、年を追うごと犯罪者はまだそれが確定しないあくまで容疑者ということで、人権をより重視するようになった。明らかにその人物がホシであったとしても、「××は▲▲の疑いで逮捕された」と、あくまで疑いのある者、容疑者でしかないためだ。

それでも、悪いことをした連中に対して、妙に丁寧に表現するマスコミが時々ある。
警察に逮捕されていない、防犯カメラやドライブレコーダーの映像であおり運転したり、ものを壊したりする連中について、「この男性、置いてあった植木を盗み…」などとテレビでナレーションがかぶせられるのを見たことはあるだろう。

きょう、各社が一斉に報じた、大阪ミナミであった、「カニオブジェ」破壊事件である。

発生時には、各社とも防犯カメラがとらえた破壊の一部始終を引いて、「2人の男が…」と表記。それが、その後この2人組が涙ながらに店の社長に謝罪し、弁済することで被害届を取り下げたもらったという。
それを受けて、マスコミ各社も「2人の男性が…」と表記を変えた。
中には、テレビ大阪の原稿のように、発生時は「男」、謝罪後は「男性」と同じ原稿の中で書き分けている。

こんなチンピラたちに、丁寧に「男性」と使わなくてもいいとは思うが、まあ、謝っているんだし、それ以上犯罪者扱いすることもないだろう。
ただ、最初に書いたように、海外ネタでもそうだが、明らかに犯罪行為を映す映像に、丁寧に「男性」「女性」という書き方、言い方をする例が結構ある。

こういう書き方に普通の人は特段違和感は持たないのかもしれないが、事件や事故の原稿など久しく書いていなくてもどうしても引っかかるのだ。


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