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「富津岬の夜」

千葉・富津岬に向かう途中にある日本旅館に
古い友達の中川、久保とぼくは泊まった

その夜 大広間にいくつもの布団が延べられ
枕を並べて寝ようとした
部屋の中はまだ蛍光灯がともり
同じ広間では 研修で来ている若いサラリーマンの集団がいて 騒がしい
中にはタバコを吸いながら寝ようとしているものがいる
危ないじゃないか 火事になったらどうする!

中居に文句を言いに行った
すると
サラリーマンの集団の奥にレースのカーテンで間仕切りされたところ
そこに人影が動いた
女が着替えをしていた
なまめかしくカーテンの奥で 女の影が動く
隙間から覗いて見えたのは彼らの上司らしい女
顔を見ると それは秋吉久美子だった
ヤ・ラ・レ・タ!
どうして秋吉久美子が奴らの上司なのだ?!

ぼくはタバコの煙が来ないよう
布団をかぶって 富津の夜をやりすごすことにした

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