「鐘を撞く」
カランカラン
と
十勝の、まだ厳冬には間がある
秋のぬくもりを少し残した空に
鐘の音が響いた。
これは愛を、
恋人たちが誓い合う鐘。
「カネを鳴らしてこい」
と
天から降ってきた声に背中を押された
僕は
広島に行った。
そこには、平和を祈る鐘がある
確かに
鳴った。
やや低い
いや、聞きようによっては甲高い
コーン
と
鳴った。
それを撞けば
平和になる
のか
いや
ただ、祈るだけである。
カネはあちこちに据えられている
そして、誰かに撞かれるのを
待っている
きっと。
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