【私詩】「ＨＲ」

ぼく
無職無給の日々が続いてるって――
つづっていたりするけれど
それはウソ
失業手当という収入はある
まだ何カ月かは出るのである
だから「切迫感」もなく過ごしてる
それが今の　ぼく

自分が弱いとか
デキが悪いとか
醜いとか　アタマが悪いとか
貧しいとか　恵まれていない
運が悪い　生まれが悪いとか

さえない日々に思いを巡らす

世間の風は冷たく
そう　やはり　ひどく冷たく
ぼくが　妖精さんだったと
知っていたの？
そう苦笑いしたくなる

自分を盛ったり飾ったり
ウソぎりぎりまで　やる
忙しないせわしない

そんなことをみんなやっていて
その中に入って
ぼくも　また　生きてゆくのか
生きてゆくってそういうこと

限りなくウソに近く
盛って飾ってでも
生きてゆく

それが現役で働くということ

ＨＲ（Human Resources）業界だけが
うるさくて元気だ