変 化

新たな生活への免疫

 少年工科学校へ入校し、指導者・先輩の豹変に免疫がついた頃、私は時間の使い方について大分余裕ができてきていた。しかしながら、余裕ができてからの新たな試練が待っているものである。

新たな試練

 少年工科学校には体育祭というものが例年5月に催されている。普通の高校でも似た様なものだが、中身が致命的に違った。まず、通常は紅白でチームが別れたするのが常だが、この学校は違う。3つのチームに分かれそれぞれが競い合うのだが、全ての学科・風呂・洗濯などが終わった後に地獄は始まる。「応援練習」というものだ。

応援練習

 「応援練習」というのは、建前としては応援対決の際に行うパフォーマンスの練習だが、中身としては、声を出す(がんばれ〜的な?)、基本基礎動作(自衛隊的な)、がメインであった。その中で、各学年に別れて大声を出し、声が小さいと応援団長とともに腕立てを1日あたり200〜300回ほど行い、約2時間の地獄絵図が出来上がる。終わる頃には手の感覚はなく、腕がほとんど上がらない。それが平日の19時から21時で毎日続くのだ。正に「応援練習」と言う名の「しごき」だった。

競技練習

 「応援練習」とは別に「競技練習」と言うものがある。内容としては至って普通であるが、競技によっては非常に危険なものもある。代表的なものが「棒倒し」と「騎馬戦」である。学年ごとの競技となるため、練習相手は後輩または先輩となるわけである。体力的に劣っている下級生については「恐怖」と「安全にこの危機をくぐり抜ければならない」のただこの2つの思いだけだった。

身体の変化

 毎日の「応援練習」・「競技練習」により体に変化が起き始めた。筋肉量が1ヶ月前と格段に向上しているのである。体を動かす分、喫食する量が増え、ハードなトレーニングを行う。15歳の体は変化しやすいもので、あっという間に体重が10kg増量した。そして、「応援練習」で1日間の腕立てが400回を超える様になっていた。



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