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好きなことがあるって最強だ!|『メタモルフォーゼの縁側』

ふだんは洋画を観ることが多いのですが、最近は邦画もたくさん観に行くようになって、素敵な作品に多く出会えています。最近鑑賞した『メタモルフォーゼの縁側』も心温まる優しい物語で、とても面白かったです!
そして、ごはんシーンもたくさん登場しました!

自分の好きなものについて話せる喜び

本作は、ボーイズラブ漫画をきっかけに繋がった女子高生と老婦人の交流を描いた人間ドラマ。
机の下の段ボールに漫画を隠し、こっそり楽しんでいた女子高生うららと、美しい表紙にひかれて初めてBL漫画を手に取った雪さんが、ひょんなことから交流を始めます。

最初から最後までふたりは「友達」と呼び合っており、好きなものについて思いっきり話せる友達ができた喜びに大共感!年の差を感じさせないやり取りに、こっちまでふわっと心が踊る、そんな楽しさをおすそ分けしてもらいました。

可愛い〜

わかる、わかるよ…オタクの陰の部分

学校で同級生が何にも隠さずBL漫画の話で盛り上がっていて、「なんか、ずるい」と思ってしまったうらら。好きなものはあまり流行ってほしくない気持ちや、自分は恥ずかしがって好きなものを好きと言えなかった小さな罪悪感。

わかる、わかるよ…。
このオタクが持つ「陰の部分」に共感してしまう人も多いのではないかなぁと思いました。人気になってほしいのに、大きくなりすぎるのは困る、あまのじゃくで厄介な感情。

だからこそ、わくわくしながら新しい趣味にはまっていく雪さんの好奇心と、よく知らないからこその行動力に影響されて、うららの意識が変わっていく様子が鮮やかで好きでした。

わたしは「タンポポ」が大好きなのですが、宮本信子さんって素敵だなぁと改めて思いました。

ヘタでも形にすることはとにかく楽しい

うららが初めて同人誌を作るシーンがあるのですが、自分の画力の無さに愕然としたり、もうやめてしまおうと思ったり、でも何とか走りきったあとにつぶやく言葉が「楽しかった」だったんです。わたしはこの言葉を聞いて、とっても勇気をもらいました。
劇中でうららは初めて同人誌を作るので、ちゃんと絵はヘタなんです。でも自分の手で何かを作ったり、始めたりすることに恐れることなくて、やってみればいい。「何かを作ることは楽しい!」ということを改めて教えてくれました。
(劇中ではただ楽しいだけじゃなく、落ち込んだり、不甲斐ない自分に涙する場面もあり、また「わかるよ、その気持ち」と共感するのです)

初めて道具を揃えたりするのって楽しいよね

本作は、高円寺にある文禄堂という本屋さんがロケ地として使用されているのですが、個人的にとっても思い入れがある本屋さんだったので映画の中で観ることができて嬉しかったです。小さいけどすごく良い本屋さんです。

▼▼『メタモルフォーゼの縁側』に登場するごはん▼▼

雪さんが作る料理をメインとして、たくさんのごはんシーンがありました。(いつもメモしながら映画を観ますが、今回はメモがいっぱいになりました✍️)

雪さんが作るカレー
リンゴをすりおろして、カレールーは細かく刻んで鍋に入れていました(丁寧!)

雪さんが作るコロッケサンド
うららと参加するイベントのお弁当として、前日にコロッケサンドを作っていました。これを食べるうららの姿に、もらい泣きをしてしまうので注目です。

あと雪さんが作っていたのは、大根とイカの煮物や、山菜のかき揚げ(タラの芽、ヨモギ)でした。うららからのお誘いに、うきうきしながら台所に立つ雪さんがとてもキュートでした。

雪さんの家で食べるお菓子は、みたらし団子や雪さんの娘のノルウェーのお土産(チョコ?)でした。

あとは、うららとお母さんで餃子作るシーンがあったり、カフェでふわふわパンケーキを注文するシーンもありました(原作では、コメダ珈琲が舞台のようです)

(C)2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会

雪さんの家の縁側は、うららにとってセーフハウスのような存在で、雪さんにとってはお友達とおしゃべりできる場所。一人で生きていくこともできるかもしれないけど、少しだけでもこういう関係が作れたら、人生の温度がぽっと上がるかもしれない。

そして好きなものをちゃんと好きでいること、これって簡単なようで難しくて、一番最強なことなんじゃないかなと思える作品でした。

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