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それでも「よろしく」と言いたいんだ

言いたいことを自動翻訳で英語にしたら「よろしくお願いします」が“Best regards“となりました。

何か違うんだよなー、そうじゃないんだよな、と感じました。

○「よろしく」が訳せない

英語で「よろしくお願いします」にあたる言葉はありません。他の言語でもピッタリのものは存在しないと思います。たぶん。

唯一近い、韓国語で「잘 부탁합니다(チャル ブタカムニダ)」がありますが、

잘「よく、うまく」+ 부탁합니다「お願いします」なので、厳密に言うと、特に"よろしく"の部分が、日本語で伝えるニュアンスと少し違うように思います。

“よろしく“の表現は便利すぎて、知らない人に説明するのは難しい言葉です。代わりの言葉が簡単に思い浮かびません。

「よろしくは“よろしく“しかないでしょ」となってしまいます。

○「よろしく」が持つニュアンス

例えば自分が「よろしくお願いします」を言う場面を想像して、ニュアンスを掘り下げてみました。

私の勝手な想像ですが、<言い訳><甘え><お願い><信頼>が混ざっているように思います。別の言葉で表現してみたら、こうなりました。

ー「よろしくお願いします」で言いたいことー

・新入り/未熟者ゆえに何かあるかもしれません。<言い訳
・ミスするかもしれないし、失敗もするかもしれません。<言い訳
・わかっていないことが多くて、迷惑かけるかもしれません。<言い訳
・でも引かないでください。そのために事前に言っているんですから。<甘え

・とにかく一生懸命がんばりますので信じてください。<信頼
・ご指導ご鞭撻いただけるとうれしいです。<甘え><お願い

・何かあったら、頼りにしてますから。<信頼
・いざという時は、フォローしてください。<お願い

・いろいろあるかもしれませんが、うまくやってください。<お願い
・見守ってください。必要ならば面倒みてください。<甘え><お願い

という具合です。

よろしくの表現、広がりますね〜!

○「よろしく」で一番言いたいことは

ここで仮説を立てました。

“よろしくお願いします“で結局のところ一番言いたいことは、「私たち信頼関係成り立っていますよね何かあったらフォローしてくださいね」ではないかということです。

自分自身が、挨拶でもメールでも、最後にこれを言うのは、フォローしてほしいと思う時と、ちょっとした逃げの時に使っています。甘えられるのも、信頼関係があるからこそ。

ぬるい考えかもしれませんが、“よろしく“と事前の言い訳でジャブを打っておくことにより、後で失敗しても、相手に「仕方ないなぁ」とフォローしてもらいやすい状況を作っているのです。

いろんな思いをたった一言「よろしくお願いします」で済ませ、言った側も、言われた側もこのニュアンスを受け取っています。なんていう素晴らしい言葉なんでしょう!

これを感じ取れる日本人ならではの、独特な日本語ですね。

英語だったら内容をはっきり「(例)ミスをしたら、フォローしてください」If I make a mistake, please follow up. と言わないと、“よろしく“の伝えたいニュアンスが伝わらない思います。

しかも、ピンポイントすぎて、一部のことしか伝えられないのです。メールの締め“Best  Regards“は逆にぼやけ過ぎ。

その点“よろしく“は、甘え/言い訳/お願い/便利で逃げ?そんな表現であっても、信頼関係がベースにあって、様々な思いを包括した素晴らしい言葉です。私は今後も「よろしくお願いします」を使っていきたいと思います。

では早速。今後ともどうぞよろしくお願いします。


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