商店街のストリートにこたつ。「遊び」から生まれる「まちの居場所」
こんにちは、まちのこ団です。
今回は、2022年4月2日・3日、茨城県日立市駅前商店街(パティオモール)で行われたイベント「Living Street Hitachi」の様子をお伝えします。
商店街の真ん中に芝生。くつろぎリビング空間が出現
茨城県日立駅から徒歩すぐ。
駅前のにぎわいを支えていた大型スーパーマーケットの撤退に伴い、人通りがまばらになってしまった商店街。
春の穏やかな陽気に包まれたイベントの日、大勢の人たちでにぎわう光景が広がっていました。
“リビング=居心地のいい空間”をつくる
今回のイベントは、まちのこ団宛てに日立市より“駅前周辺の活性化イベント”のお話をいただいたのが始まりです。
地元日立市を中心に活躍されている方々やパティオモール商店街の方々と共につくりあげ、実施に至りました。
「Living Street Hitachi」は、「このまちに来ることを日常の一部に」をテーマに掲げ、「非日常」としての一過性のイベントではなく、「日常の一部」として過ごせる空間をつくることを目指しています。
それぞれが思い思いに過ごせる空間=居心地のいい空間をつくりたいという思いから、芝生やハンモック、こたつなどの「過ごす」仕掛けや、ビリヤードや様々な遊び道具で「遊ぶ」仕掛けをつくりました。
加えて一般的なマルシェイベントで行われている「買う」「食べる」要素も取り入れることで、長い時間滞在してもらえるよう工夫しました。
ツールを仕掛けたことに加え、会場全体を「居心地のいい空間」にすることを、スタッフ・ボランティア含め皆で考え続けました。
初日、午前中のうちに日陰になってしまった芝生エリアを、2日目は陽当たりのよい場所に移動したり、芝生を1列から2列にすることでゆとりのある空間に変えたり、キッチンカーで買ったものをすぐに座って食べられるように、キッチンカーの前にテーブルを置くレイアウトに変更したり、隣の席とほどよく距離感を図るためにテーブルを斜めに配置してみたり。
イベント開始から夕方頃までずっと遊んでくれていたお子さんと、こたつに入って眺めるお父さん、ハンモックで揺られながら読書する男性、などなど。
結果として、2日目の方が長い時間くつろぐ姿が多く見られました。
また、思い思いに過ごしてもらえるよう、「ステージエリア」とは別に設けた「飛び入りステージエリア」では、弾き語りやダンスパフォーマンスなど若い才能の種を垣間見ることができました。
「遊び」から生まれる居場所
様々なコミュニケーションツールを仕掛けた背景には、我々まちのこ団の想いがあります。
まちのこ団は、子どもや若者、子育て世代が「地域に居場所がない」という課題感から、プレイバス(移動式あそび場)を用いた居場所づくりを行っています。
プレイバスに遊び道具を積み、道や公園、広場などで即席のあそび場をつくります。
「遊び」という仕掛けがあることで、どこからともなく子どもたちが集まってきて自由に遊び始めます。それを見守るお父さんお母さん。
子ども同士だけではなく、子どもと大人、地域の方や通りすがりの方など、人が集まりそれぞれが思い思いに過ごす。自然とコミュニケーションが生まれ、ゆるやかに繋がる。
そのような光景を、「Living Street Hitachi」でも見ることができました。
「子どもの居場所」から生まれるみんなの居場所
「Living Street Hitachi」ともうひとつ、イベントを同時開催しました。
商店街に隣接された建物、旧イトーヨーカドー4階が会場の「こどものまち・ひたち」という、こちらはこどもが主役のまちづくり体験型イベントです。
イベントの様子はこちらからぜひご覧ください。
同時開催の背景にあるのは、「子どもが幸せなまち」をつくるという考えです。
まちに子どもの居場所があることで繋がりやにぎわいが生まれ、それがみんなの居場所になる、それをつくっていくという思いを、今回のイベントを通して体現できたのではないかと感じています。
このまちに来ることを日常の一部に
「こんなににぎわいのある商店街を見たのは本当に久しぶりで、嬉しい」
パティオモール商店街の方からのお言葉は何よりの喜びでした。
今回開催した「Living Street Hitachi」は、「Living Street Project」として今後さまざまな地域に広げていきたいと考えています。
似た様な課題を抱えている多くの場所を、まちの居場所に変えていく。
その先駆けとして、まずは日立駅前を居場所にしていきたいと思っています。
何もなくても、ふらっと立ち寄って思い思いに過ごす空間。
そんなストリートの未来予想図が見えたような気がしました。
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