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商店街のストリートにこたつ。「遊び」から生まれる「まちの居場所」

こんにちは、まちのこ団です。
今回は、2022年4月2日・3日、茨城県日立市駅前商店街(パティオモール)で行われたイベント「Living Street Hitachi」の様子をお伝えします。

「Living Street Hitachi」とは
2022年1月のイトーヨーカドー日立店撤退に伴う、駅前周辺の活性化イベント。
日立駅前商店街のストリートに、日常の喧騒から離れたアウトドアシーンのようなリビング空間を想像することで、子どもから大人までそれぞれが快適に過ごせる体験を提供します。
「Living Street Hitachi」公式FBページより
公式ポスター(日付は延期前のもの)

商店街の真ん中に芝生。くつろぎリビング空間が出現

茨城県日立駅から徒歩すぐ。
駅前のにぎわいを支えていた大型スーパーマーケットの撤退に伴い、人通りがまばらになってしまった商店街。

ある日の日曜日、午後の光景

春の穏やかな陽気に包まれたイベントの日、大勢の人たちでにぎわう光景が広がっていました。

イベント当日たくさんの人が行き交う様子
芝生を敷いてアウトドアリビングに
こたつにハンモック、たくさんの遊び道具
フードやドリンク、物販などのお店がずらり
木の椅子やぬいぐるみでリビングのような空間に
ダンスや弾き語りなどが催されたステージエリア

“リビング=居心地のいい空間”をつくる

今回のイベントは、まちのこ団宛てに日立市より“駅前周辺の活性化イベント”のお話をいただいたのが始まりです。
地元日立市を中心に活躍されている方々やパティオモール商店街の方々と共につくりあげ、実施に至りました。

「Living Street Hitachi」は、「このまちに来ることを日常の一部に」をテーマに掲げ、「非日常」としての一過性のイベントではなく、「日常の一部」として過ごせる空間をつくることを目指しています。

それぞれが思い思いに過ごせる空間=居心地のいい空間をつくりたいという思いから、芝生やハンモック、こたつなどの「過ごす」仕掛けや、ビリヤードや様々な遊び道具で「遊ぶ」仕掛けをつくりました。

加えて一般的なマルシェイベントで行われている「買う」「食べる」要素も取り入れることで、長い時間滞在してもらえるよう工夫しました。

こたつで「過ごす」UNOで「遊ぶ」

ツールを仕掛けたことに加え、会場全体を「居心地のいい空間」にすることを、スタッフ・ボランティア含め皆で考え続けました。

初日、午前中のうちに日陰になってしまった芝生エリアを、2日目は陽当たりのよい場所に移動したり、芝生を1列から2列にすることでゆとりのある空間に変えたり、キッチンカーで買ったものをすぐに座って食べられるように、キッチンカーの前にテーブルを置くレイアウトに変更したり、隣の席とほどよく距離感を図るためにテーブルを斜めに配置してみたり。

イベント開始から夕方頃までずっと遊んでくれていたお子さんと、こたつに入って眺めるお父さん、ハンモックで揺られながら読書する男性、などなど。

結果として、2日目の方が長い時間くつろぐ姿が多く見られました。

地元の男性。微笑ましく眺める姿が印象的でした

また、思い思いに過ごしてもらえるよう、「ステージエリア」とは別に設けた「飛び入りステージエリア」では、弾き語りやダンスパフォーマンスなど若い才能の種を垣間見ることができました。

路上パフォーマンスを眺める子と遊ぶ子、それがLiving Street

「遊び」から生まれる居場所

様々なコミュニケーションツールを仕掛けた背景には、我々まちのこ団の想いがあります。

まちのこ団は、子どもや若者、子育て世代が「地域に居場所がない」という課題感から、プレイバス(移動式あそび場)を用いた居場所づくりを行っています。

カラフルなプレイバスで県内を走っています

プレイバスに遊び道具を積み、道や公園、広場などで即席のあそび場をつくります。
「遊び」という仕掛けがあることで、どこからともなく子どもたちが集まってきて自由に遊び始めます。それを見守るお父さんお母さん。

子ども同士だけではなく、子どもと大人、地域の方や通りすがりの方など、人が集まりそれぞれが思い思いに過ごす。自然とコミュニケーションが生まれ、ゆるやかに繋がる。

そのような光景を、「Living Street Hitachi」でも見ることができました。

「子どもの居場所」から生まれるみんなの居場所

「Living Street Hitachi」ともうひとつ、イベントを同時開催しました。
商店街に隣接された建物、旧イトーヨーカドー4階が会場の「こどものまち・ひたち」という、こちらはこどもが主役のまちづくり体験型イベントです。

イベントの様子はこちらからぜひご覧ください。

同時開催の背景にあるのは、「子どもが幸せなまち」をつくるという考えです。

まちに子どもの居場所があることで繋がりやにぎわいが生まれ、それがみんなの居場所になる、それをつくっていくという思いを、今回のイベントを通して体現できたのではないかと感じています。

このまちに来ることを日常の一部に

「こんなににぎわいのある商店街を見たのは本当に久しぶりで、嬉しい」
パティオモール商店街の方からのお言葉は何よりの喜びでした。

今回開催した「Living Street Hitachi」は、「Living Street Project」として今後さまざまな地域に広げていきたいと考えています。

似た様な課題を抱えている多くの場所を、まちの居場所に変えていく。
その先駆けとして、まずは日立駅前を居場所にしていきたいと思っています。

「土日に遊ぶ場所として、学校終わりに友達とおしゃべりできるような場所として、もう一度“日常の選択肢”に日立駅前が選ばれるキッカケになるようなイベントになればいいなと思っています」
「Living Street  Hitachi」実行委員の言葉

何もなくても、ふらっと立ち寄って思い思いに過ごす空間。
そんなストリートの未来予想図が見えたような気がしました。

■開催概要
Living Street Hitachi〜日立駅前ストリートでアウトドアなリビング体験〜
・日程:2022年4月2日(土)、3日(日)
・時間11時〜18時(ラストオーダー17時)
・会場:パティオモール商店街
(茨城県日立市幸町1丁目、旧イトーヨーカドー日立店前)
・主催:Living Street Hitachi実行委員会
・運営:Living Street Hitachi実行委員会、まちのこ団
・後援:日立駅前地区活性化委員会、日立市

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