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技術による地域課題の解決に本気でコミットするチームで働く─マチマチ ITスペシャリスト兼Rubyコミッター 武者晶紀

「マチマチのメンバーインタビュー」シリーズ、略して「マチメン」。今回はITスペシャリストとしてマチマチの開発をリードする武者の登場です。

前編では、Rubyのコミッターとしても活躍し、様々なITベンチャーでエンジニアとして活躍してきた彼がどのような経験をしてきたのかを聞きました。

後編では、マチマチとどのように出会い、エンジニアとしてどう関わっているのかを話してもらいました。

千葉市出身、東京都杉並区育ち。慶應義塾大学経済学部在学中に起業、大企業向けの知財情報Web検索システムを開発。並行してOSS開発に傾倒し、FreeBSD、Ruby等のコミッターとして長きに渡り活躍。より大きな舞台を求めて数社を渡り、EC、モバイルCtoC、ブログサービス、チケット情報サービス、飲食チェーンアプリバックエンドなど多数の中〜大規模サービスで開発を主導し、信頼を築く。自身と家族の経験を振り返り、より生活に密着した問題解決ツールの必要性について創業者二人と意気投合、2017年6月株式会社マチマチにジョイン。
GitHubアカウントはknu

技術で地域の課題を解決できないか

ーーマチマチに転職するきっかけは?

もともと、マチマチ前CTOの藤村さんとはRubyのカンファレンスで知り合って、打ち上げなどで話す仲でした。どこかのタイミングでRailsを使ってローカルのSNSを開発しているという話を聞いて興味を持ちました。

当時、自分も位置情報を使ったサービスの開発をしていたので面白いなと思って。技術的な意見交換などのやりとりをしていたらマチマチを紹介されて、技術面でも自分のポートフォリオと合致する点があったので参加することに決めました。

ーーきっかけは蓄積している技術が活かせるというのが大きかったんですね。

技術面も大きかったのですが、自分にも家族ができて地域に課題を感じていたのも影響しました。家族ができて、子どものつながりで知り合った人たちと話すと、インターネットに地域の情報は上がってこないことがよくわかるようになって。幼稚園の連絡もとてもアナログで紙で回ってきますしね。

これまでも多くの人に使ってほしいと考えてサービス開発をしてきていましたが、その多くは現時点で子育てしている人に届くサービスではなかった。幼稚園から紙でお知らせが届いて、「あの紙どこだ?」みたいな体験をすると、「自分の仕事ってなんなんだっけ?」「楽しいけれど、社会を良くする役にはあまりなってないのでは?」と自問自答するようになってたんです。今のままだと子どもに胸張って「こういう仕事してるんだよ」ってあまり言えないなと思ったんですよね。

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ーー実際に地域で暮らす上で気になる課題を解決できないかと。

そうです。本気でビジネスとして挑戦しようとしていたことも大きかったですね。ボランティアとして取り組む人たちとともに、仕事とは別で関わるというやり方もあります。

ただ、僕はちゃんとお金や人が流れないと社会的な課題って解決できないと思っていて。継続して運営していくには、会社組織は大切です。1人ではその人が継続できなくなると止まってしまう、それはオープンソースの開発でも感じていたこと。

自分自身もやる気にムラがあるから、勢いで作っても更新できなくなってしまうこともある。いくら志があっても、継続的にやるには組織でやらないといけないっていうのが身にしみていたんです。

インターネットであまりスポットが当たらないユーザーのために

ーーマチマチの開発をしていてやりがいに感じるポイントは?

インターネットでこれまでスポットに当たってなかった中高年層や子育て層向けに、サービスが提供できているのはやりがいがありますね。マチマチでは、子育ての疑問や情報が共有されたり、中高年層のために地域情報が共有されて行動につながったりもしています。

今まで、インターネットで放置されてしまっていた人たちを放っておかない。Facebookなどは自分の肩書きで利用するサービスですが、お子さん2人が独立したおじいさんや、子どもがいない夫婦、子育て中のシングルマザーなど、その人がありのままで利用できるサービスはあまりないんですよね。

マチマチでは、「人」にフォーカスして必要なものを提供したり互助をしたりしようとしています。例えば、売買プラットフォームではモノにスポットがあたってしまいますが、マチマチは人間自身にスポットが当たるようにしたい。それは世代を超えたツールになるし、地域の縁はずっと続いていくものなので時を超えるものだなと。将来的には「父がお世話になりました」と、2代目がでてきたりするかもしれない。

ーーこれまでのインターネットサービスとは違う考えでの開発ができているんですね。

マチマチはステークホルダーが幅広いので面白いですよ。例えば、自治体向けにサービス提供しようとしたら、受託開発のような形で自治体と開発を進めるのがふつうです。ただ、そうするとビジネス視点が弱く、プロダクトとしての磨き込みにフォーカスしづらい。マチマチは、住人がユーザーでありながら、自治体と組んでいる。まだ実現できてないけれど、今後は警察や消防などの公的機関に事業者として関わろうとしている。

ステークホルダーは多いけれど、コアであるプロダクトをしっかりつくるのが大前提です。利用者が幅広いからファジーでも良いわけではありません。今は子育て世代にフォーカスするというミッションがあり、そのターゲットに向けて色々考えながらコンテンツや機能の提供をしています。

ーーステークホルダーが広いけれど、機能するプロダクトをつくるという点にやりがいがある。

そうですね。ただ、見えているけれど、すぐに解決できない課題もたくさんあります。例えば、社会的弱者の方など公的予算が配分されにくい対象の人など。そうした人のペインを解決しにいこうとすると、全体から考えると細かいニーズにフォーカスすることになります。

でも、僕たちはベンチャーで、資金も限られてるし、開発やデザインのリソースも限られている。だから、可視化されている困りごとであってもすぐに解決できない。それは辛いことではありますが、冷静に優先順位を付けて開発していくのは学びでもあります。ついつい、困っていることが可視化されたらすぐ開発しようとしちゃうので。

チームで働くために理由が明確なルールをつくる

ーーマチマチで実際に働いてみて、いかがですか?

これまでのキャリアでは、僕は一人で働いていることが多かったんです。一人でゼロから設計〜運用まで全部やってきてた。だから、人の選択に乗っかるというのをやってみたいと考えていたんですよね。それまで自分がやっていなかったことに触れると、世界が豊かに広がる感覚がある。

これは年齢というより、自分の性格的な問題と自分がいた領域の問題ではありますが、必要に迫られてインプットする、理解を深めるという体験が少なくなっていたんですよね。そこを広げていきたいと考えていました。

マチマチはすでにプロダクトが存在していて、そこに乗っかるのはおもしろそうだなと。最初から自分が関わっていたとしたら、こうしないなって考えることもありました。でも、一つひとつのツールが使われている背景を理解していくと、自分とは違う考えで実装されてきたこともわかる。

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ーー自分とは違う考えで仕事をしている人たちと関わることが面白い。

そうですね。開発以外にも尖ったところがある人たちと働くことで色々と学んでいます。マチマチでは、日々自分にはない発想でいろんなことが生まれているんですが、一つひとつの行動には必ず理由がある。理由のわからないルールは運用されておらず、「このルールはこういう理由で運用されています」というのがチームの共通認識なんです。

マチマチは、思考の結果としてルールがあり、ルールをただインストールすればいいのではなく、ルールを作るのにも頭を使うし、組織にルールをインストールするのも頭を使うんですよね。合わないルールは削られるし、みんなが納得した上でルールを決められるのが働きやすいですね。

開発においても「こういう理由で、こうやります」ってルールがあります。例えば、コードレビューは自分のやっているタスクの中で優先してやりましょう、というもの。コードレビューが後回しになるとレビュー待ちの人が文字通りやることがなくて、手が止まってしまうから。ちゃんと理由があって納得できる。開発チームでもルールは理由が明確なのは健全なので維持していきたいですね。

事業に本気でコミットするチーム

ーーマチマチのコアバリューで一番気に入っているものはありますか?

3つ全て大事だなと思いますが、一番大きいなと思っているのは「Integrity」ですね。お互いが同じ目標に共感して集り、自分の専門性を発揮することでお互いが信頼できる。手を抜かないというレベルを超えて、最大の成果を出そうとしていることにお互い疑いがない状態。マチマチはそこを信じられているのが大きい。

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関わっているメンバーも、「ちょっとできそうだから力貸してよ」ではなくて全力。いろんなバックグラウンドがあり、それぞれの経験の中で培ったものをこの事業に本気で投入しようとしている。そういう組織であることをお互いに誇りに思っているし、疑うこともない。本気でやった結果、うまくいかなければその結果も認めるし、お互いに指摘し合うことも厭わない。大きな信頼の輪があるなと感じます。

本気で取り組んでいる結果、目標を前倒しで達成しちゃうケースもあります。OKR的にはよくないんですけど(笑)コンテンツチームが計画を立て、マーケティングの側面からいつまでに体制を作るという目標を掲げて、見事に達成できた。リモートで関わる人も含めて100人単位のチームをまとめあげて結果を出したのは、「Commitment」としてもすごいなと。僕もシステム面ではお手伝いしたのですが、それを実際に動かすのは並大抵のことではないなと。

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ーーマチマチのメンバーの雰囲気や、マチマチらしいなと感じる瞬間はありますか?

プレッシャーはあるんですが、ネガティブなストレスはないのがマチマチの良さだと思います。ネガティブワードが職場で出ているとじわじわ効いてくるじゃないですか。変な愚痴は全然ないですね。1人がポロッとネガティブな発言をしたりしても、すぐみんながどうやったら解決できるか話し合います。事業が前進するために、みんなで問題を解決していく。ネガティブなストレスを抱えながらではなく、仕事に集中できる状態を作ろうとしています。

だから、「本当はこうだったのに」と後出しジャンケンみたいなことはなくて。決定には全員関わるし、決定するプロセスの中で言うべきことは議論の俎上にのせておく。決定には関わり、かつお互い信頼しているので、実施したことが無駄になることはほとんどありません。

メンバーがそれぞれの強みを理解しているので、「彼に雑用させるのはもったいないから、雑務はなくそう」と考える意識がある。「本来ならこれだけやっていたい」という技能を持った人が、そういさせてもらえる場ではあるなと。組織としてもうまく回っていると思いますね。

ーーこの次に、マチマチでこういうことに挑戦したいなって思っていることがあれば。

技術的な負債を溜め込まないように開発はしていますが、サービスとして成長している途中なので新しい技術課題はいっぱいある。ぜひ、新しい技術を使いたい人にジョインしてもらいたいですね。自分が試したいと思って試せてないことを試すグランドとしても魅力的です。データもたくさんあるし、機能も多彩。さらに、それをいろいろと作り変えようとしているプロジェクトもあります。今まではバントを要求されてくすぶっていた人に、マチマチでフルスイングしてほしいですね。

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