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アメリカ人の謎のプレッツェル好き


プレッツェルとは?

プレッツェル(Pretzel)とは、ドイツ生まれのハート形のパンのこと。水酸化ナトリウム水溶液に漬けてから焼くことで、光沢のある独特な焼き上がりとなり、表面は香ばしく、中はむっちりの特徴的な食感が生まれます。「プレッツェル」の語源は、ラテン語の「腕」という言葉で、ハート型のあの形は腕組をした形なのだとか。

日本でも『馴染みのあるパン』とはなるようですが、その馴染み度はプレッツェルと聞いて「何それ?」とはならない程度のような…
それと比べると、プレッツェルのアメリカでの馴染み度、というか愛され度ときたら半端ありません。専門店はあるし、スポーツ観戦、映画館などのレジャー施設では定番フードのひとつで、スーパーマーケットのプレッツェル売り場面積は驚くほどの広さです。どういう訳かプレッツェルが大好きなアメリカ人。今日はアメリカのプレッツェルいろいろを紹介します。

小腹がすいたらプレッツェル?!

アメリカでは、スポーツ観戦や映画館などのレジャー施設で、ちょっと何か食べたいときに登場するもののひとつがプレッツェルなんです。
例えば大リーグの試合に行くと、日本と同じように観客席を売り子スタッフが巡回しています。ビールサーバーを背中に背負った若い女の子はいないですけどね。アメリカでは、ビールは冷えた缶ビールをクーラーボックスで持ち歩いて、その場で紙コップに注いで販売するスタイル。重い売り物の担当は若い男性スタッフが多いように感じます。その一方で、綿菓子(Cotton candy)やポップコーン、アイスクリームのような軽いものは、おじいちゃんスタッフだったり女性スタッフだったりする場合が多いような。基本的に野球場の売り子は女性より男性が断然多いので、旦那さんを日本の野球に連れて行った時、胸元にミニタオルを差し込んだ若くて細い女の子が重そうなビールサーバーを背負って笑顔でビールを売る姿が、彼には奇妙に見えて仕方なかったようでした。
話がそれました。アメリカの大リーグ観戦で売り子といったら、ビール、ポップコーン、綿菓子、アイスクリーム、ホットドッグ、そして、プレッツェルなんです。プレッツェルの売り子さんは、プレッツェルの写真を持って「プレッツェル、プレッツェル!」と売り歩いていましたよ。あの写真のサイズが実物大なのだと私は信じているのですが、かなりデカいです。顔サイズ。小腹がすいたから食べるサイズではない気がしますけどね。

こんなにいろんなプレッツェル!

プレッツェルと聞くとここまで書いてきたようなハート型のパンを思い浮かべますが、アメリカではプレッツェルというと袋売りされているスナックといくことにもなります。もちろんこちらもプレッツェルなので、形だって同じくハート形のものがデフォルトになりますが、食べ物として見ると全くの別物のような気もしますけどね。
でも、このスナックタイプのプレッツェルがまた、アメリカ人にはこよなく愛されている様子。それを証明するのがスーパーのプレッツェル売り場の広さです。例えばこんな感じ👇

アメリカの高級スーパーWhole Foodsのプレッツェル売り場です


そして、同じプレッツェルでも、ハート形に加え、いろんな形状のものやフレイバーがあるのも興味深いところ。
形として、ハート形の次によくあるのは細い棒状のスティック(Stick)。他にはバイト(Bites)と呼ばれる一口サイズ。そして、ぶっとい棒状がロッド(Rods)と呼ばれる釣り竿サイズです。プレッツェルというよりブレッドスティックっていう感じですよ。好奇心でトライしてみましたが、想像通りの食べ応えでした。
そして、つい先日見つけたのが、その逆を行くドット(Dot’s)と呼ばれる破片スタイル。こちらはまだトライしていませんが、見た感じでは絶賛販売中の様子です。

左上から時計回りで、Stick→Rods→Dot's→Bites


プレッツェルの魅力であるとともに、敬遠する理由にもなるのが塩気の多さ。表面に粗塩がついた状態で焼かれいて、そこがつい次から次へと後を引く美味しさともなるのですが、ちょっと躊躇するしょっぱさでもあることも事実。
そんな場合は、チョコレートでコーティングされたプレッツェルがおすすめです。ホワイトチョコレートなどのバリエーションもありますよ。プレッツェル独特の歯ごたえがチョコレートといい具合にマッチしてGood。

ハンバーガー屋でもプレッツェル!

アメリカのファーストフードというとやっぱりハンバーガーになりますが、時として、そんなバーガーショップの一押しアイテムになるのがプレッツェルバーガー。要するにバンズがプレッツェルなのです。こんな感じ👇

Pretzel burger!


こちらは食べたことはありませんが、美味しいと思いますね。
実は、以前働いていたベーカリー&カフェでは、週末限定でプレッツェルを作っていました。私が作ったプレッツェルは、マスタードバターにプロシュート(生ハム)を挟んで販売されていて、これが結構人気アイテムだったんですよ。前の晩に、焼きたてのプレッツェルにバターと余りもののハムを挟んで食べるのが、当時の私たちの週一の楽しみでもありました。あれは美味しかったなー。なので、プレッツェルをシンプルにサンドイッチ風にして食べる美味しさがありなのは知っているのです。

王道のプレッツェルといえばこれ!

アメリカで愛されて止まないプレッツェルですが、王道中の王道といったら、プレッツェル専門店のプレッツェル。ショッピングモールなどでよく見かけるのが「Auntie Ann's」というお店です。私がまだ日本にいた10年前頃には、日本進出もしていましたが、残念なことに今では完全撤退してしまったようですね。それこそショッピングで小腹がすいたら食べるプレッツェルって感じで子供にも大人にも大人気。その場でプレッツェルを作っているのが見られるのもいいのでしょう。
この記事のこともあったので、久しぶりに旦那さんを誘ってモールへ行ったのが平日の午後でしたが、近くにあるCinnabonにはない列ができていました。

ショッピングモール内のAuntie Ann's


最近のAuntie Ann'sは、ハート形のプレッツェルよりプレッツェルバイトと呼ばれる一口サイズのものが人気の様子でしたが、私は迷わずハート型を購入。それがこちら👇

さて、久々のAuntie Ann'sのプレッツェルに驚いたことがふたつほど。
まずひとつめ。その大きさ。「あれ~?こんな小さかったっけ~?」というなんともかわいいサイズ。といっても私の手のひらサイズはあるのですけどね。ひと昔前は、もっともっと大きかったと記憶しています。
ひとつには発酵不足という理由があるかと思いますが、それにしても小さくなったもんだ。

そしてふたつめがそのお値段。このプレッツェル、いくらだと思いますか?
なんと驚きの6.99ドル!!!現在の円安状態だと日本円にして1000円チョイ。1ドル100円で考えたとしても700円。どっちにしても高い!
普段はまず払わない値段ですな。でも、いい機会といえばいい機会なので、今回ばかりは怯むことなく購入し、旦那さんと仲良くシェアしてきました。シェアするにはちょっと物足りないサイズではありましたけどね~

ふと思いましたが、プレッツェルはある意味お煎餅と似ているのかもしれないですね。お煎餅も王道の丸形からアラレ、柿の種のようなバリエーションがあるし、ノリ、ゴマ、ザラメなんていうフレイバーもある… 
腹持ちがいい点も共通していますね。
手焼きせんべいを1枚買って食べたりすることを考えたら、アメリカ人のプレッツェル好きの謎が少し分かる気がしてきました。
ふむ、そういうことか。それなら分かる…かも?



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