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血液型が気になるのは日本人あるある



日本人が血液型から得る情報

日本人であれば、自分の周りにいる人たちの血液型が気になるのは普通のコトではないでしょうか。何型と何型は相性がいいとか、言動からその人の血液型を予想したり。血液型ごとの本が存在するくらいですからね。血液型を聞くことで、すごく大雑把に「この人はこう人なんだろうな」というアタリをつける感覚があると言ってもいいのかも。個人的に、占い系は「エンターテインメント」としてとらえている部分も多い私ですが、血液型に関しては大きな分類分けとしてはありなのではと感じています。なんだか不思議ですけど、家族や近しい友達の血液型を見渡す限り、納得するケースの方が断然多いですからね。これは、自分も含めて。ちなみに、私はO型です。

自分の血液型を知らないアメリカ人

日本ではかなりメジャーなこの「血液型は何型ですか?」という質問、アメリカでは100%勝手が違います。日本におけるこの質問の意味合いを理解しているうちの旦那さんに言わせるならば、『ナンセンス』らしい。何もそこまで言わなくても~とも思いますが、アメリカの、アメリカ人の実態を知れば、そう言うのも分からなくはありません。というのも、アメリカ人は、驚くことに自分の血液型を知らなくてもあたりまえなのです。事故に遭遇して、緊急で輸血が必要になったらどうするの、と思いませんか?そんな時は、その時点で病院で血液型が調べられるのだから問題ないし、心配もいらないそうですよ。まぁ、確かに。

ひょんなことから、同僚と輸血に行った時のこと

前のベーカリーで働いてた時のことですが、ある日、いつも通り出勤してタイムカードを押している私の姿を見つけたオーナーのKarenさん。
「Hi, Machiko! Are you ready to donate your blood?」と言ってきました。つまり、「あなたの血をあげる準備はできてる?」ということ。これまたなんて唐突な質問なんだろう?この裏にあるのは一体何?と思いながらも、「Su... Sure…(も、、もちろん)」と答えた私。
今のは一体何だったんだろう?と思いつつ仕事を始めていると、だんだんと状況が見えてきました。今覚えている限りでは、お店がある地域の消防隊員が、交通事故で亡くなって、彼のコミュニティーへの貢献に対して、家族が取り仕切る形で特別にその日に献血車が手配されていたのです。その献血場所が、私が働いていたベーカリーの道を挟んだ広場で、Karenさんのお店は地元コミュニティーとのつながりが強いこともあり、Karenさんが一人でも多くの人を献血車に送ろうと積極的に動いていたのです。今日は献血も仕事のうちとして考えていいから、嫌じゃなかったら行ってきて、ということでした。
私は、日本にいた頃に献血をした経験はありましたが、アメリカでは初献血。その点、お店の仲間と一緒に行けるのは私にとっては安心材料でした。
献血にあたっての必要書類に記入していたときのこと。当然のことながら、自分の血液型を記入する欄がありましたが、一緒にいたキッチンのおばちゃんが、自分の血液型を知らないと言っていたのには驚きました。ただ、私にとっては驚きでしたが、普通にあることのようで、その場で調べてもらって献血していました。献血後、彼女は「私はO型なんだって。初めて知ったわ~」なんて言っていましたっけ。

血液型とそれによるタイプは、万人共通

自分の血液型を知らなくてもあたりまえなアメリカにおいては、日本人が血液型である程度の性格診断をするなんていうことは、まさに想像外。なので、アメリカ人に「血液型は何型?」という質問は、常識的にあり得ないのです。ということは百も承知だし、日本にいる頃から、自分から人に血液型を聞くことなんてめったになかった私なのに、ここアメリカで生活していて、どうしても聞いてみたい衝動に駆られることが…

私はベーカリーでパンを作る仕事をしています。パン作りはお菓子やケーキと比べて長い工程がかかります。基本的には仕込み (Mix)→成形 (Shape)→焼き (Bake)という3工程からなり、この工程に、毎日最低でも二人の人間が携わります。人それぞれ性格が異なるように、働き方が違うのはあたりまえで、同じようにトレーニングをしても、しばらくすると各自が自分なりの方法に落ち着いていくものです。落ち着き先が仕上がりに悪影響を出していない限りは問題ありません。新人さんのトレーニングは、その人の理解能力、吸収スピード、器用さなどを見極めて、その人が受け入れやすいと思われる形で進めるのが醍醐味。

そんなパン作りの工程の中でも、人それぞれ性格が出るなぁとつくづく感じるのが、成形の工程です。大量のパン生地を秤で量りながら分割して、テーブルに置き、それを丸め (仮成形)、その後、最終的な形に成形していきます。例えば、分割した生地をとりあえず空いているスペースにポンポンと放り投げていく人もいれば、すごく律儀に端から並べていく人もいるんですね。ちなみに私は、何も考えなければポンポン派。でもある時、しっかりと並べている人の姿に気づき、結果的により効率的だろうと思い直し、今では同じ数を同じ順番に並べる派に落ち着いています。

少し前の話にはなりますが、私がトレーニングしたパン作り未経験のアメリカ人の青年がいました。嬉しいことに、彼はトレーニング初日からその楽しさに魅せられた様子で、日が経つにほどに、パン作りにも興味が沸いてきている様子でした。真面目で誠意のある、とにかくいい子。パン作りが楽しいから、良いパンを作るためにアドバイスもすごく前向きに受けとめるし、自分なりに工夫しているのも見えました。
その彼の成形の様子はというと、分割したパン生地を、それはきれいに端から順番に並べ、成形するときは、必ずパンパンパンパンパン!と5回生地を叩くのがお決まり。それも含め、彼の働きっぷりが、私には「A型」に見えて仕方なかったのです。
とうとうある日、聞いてみたい欲求を抑えきれず、聞いてみることにしました。まずは「変なこと聞いてもいいかな?」と慎重に切り出しました。了解を得たところで、「血液型は何型?」。あ~、なんて私って日本人(笑)。
彼はというと、「は?一体マチコは何を言っているのだろう」と返す言葉を失っている様子。そうだよね。
そこで、すかさず追加説明を。「日本ではね、変なんだけど血液型で性格を判断するところがあるの。で、君が何型かな~と思ってねぇ」といった具合に。
いい子なので、とりあえずその説明に納得した様子でしたが、返ってきた答えは意外なものでした。「はっきりは言えないけど、B型だと思う」。
えーーー?とかなり驚きつつ、私の驚きの理由を軽く説明し、A型だと思ったんだけどなぁ、と伝えました。すると彼は「お母さんなら知っているはずだから、昼休憩の時に聞いてみるね」とのこと。なんていい子。

しばらくすると、昼休憩から満面の笑みで彼が戻ってきました。
「お母さんに聞いたら、あんたはA型だって言われた。間違いないって!」
でしょう?!!!と満足げな私。そして、そんな私を見る彼の目を、私なりに解釈するならば「こわっ。マチコは何者なの?こわいんだけど…」ってところかな。ていうか、私が彼の立場だったらそう思うでしょうね。

こんな感じなので、アメリカ人に「血液型は何型ですか?」という質問をする場合は、細心の注意が必要かと。聞く人と聞き方さえ選べば、結構楽しいことになるかもしれないですけどね。

アメリカ人は、血液型ではなくコレを聞く

日本では、初対面の人同士の会話としてもありがちな「血液型」質問。これが超日本独自のもので、アメリカ人には通用しないとなると、初対面のアメリカ人には、血液型の代わりに何を聞けばいいのでしょうか?

よくある質問のひとつは、「What is your favorite ice cream flavor? (好きなアイスクリームの味は何ですか?)」のようです。どうも、それによってその人の性格を知るという考え方があるみたいですよ。日本人にとってはまさに「は?」な質問ですが、アメリカでは、初対面の人を知るべく定番の質問のひとつとしての意味合いがあるようです。検索してみると、好きなアイスクリームフレイバー別性格診断なんてページも出てきますからね。
血液型ほど根拠があるものとは思えませんが、アメリカ人と会話を始める手段のひとつ、そして、あなたのことを知りたいです、というメッセージを伝える役割は果たしそうですよ。
少なくとも「血液型は何型ですか?」よりは効果あり。
機会があったらお試しくださいませ~。

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