アメリカは薬のサイズも特大なのだ!
アメリカでも流行るインフルエンザ&コロナ
前回に引き続きメディカルネタになりますが、実はこれ、前々から書きたいと思っていた「ザ・アメリカネタ」。今日はアメリカの薬についてです。日本も同じようですが、ここへきてアメリカでもインフルエンザが蔓延しています。コロナ感染も未だそこここで耳にしますしね。こわいこわい。
コロナ騒動でアメリカ人にもマスクをするという考えが生まれはしたものの、人にうつさないようにマスクをする、とまではなかなか定着しづらいようです。もちろん、人によりますけどね。大切なのは自己防衛。
お医者さんが遠いアメリカ事情
日本では風邪かな?と思ったら気軽に近所のクリニックを受診することができます。処方薬の方がよく効くし、しかも安いしで、日本にいる頃は本当に気軽にクリニックのお世話になっていたものです。日本の保険システムは本当に偉大。
一方、アメリカでお医者さんの診察を受けるとなると、そう気軽なものではないのが現状。仕事を通して保険に入っているとか、配偶者や親の保険に入っているとしても、お医者さんに診てもらいたいときにすぐに診てもらえないもどかしさがアメリカにはあります。時と場合にもよるとは思いますが、受診の予約がずっと先になることも。私の場合、予約の電話もできればしたくないな、なんて思っていしまいますしね。
緊急事態でとにかくすぐにお医者さんに、という場合はUrgent careと呼ばれる、クリニックの一種に行きます。予約も不要。Urgent careは、緊急の治療が必要だけど、救急病院の受診が必要なほど深刻ではない怪我や病気を診てもらう場所で、深刻な場合は大きな病院のEmergency Room (ER)に行くことになります。ただ、このUrgent careは専門医がいるわけではないので、痛み止めを処方されて終わりだったり、「後日、専門医のとろこにいってね」と言われて終わり、なんてこともあるので、本当に一時凌ぎの気休めって感じ。
そのせいもあってか、アメリカ人はちょっとの風邪や体調不良は市販薬 (Over the counter medicine)で自力で治す傾向が強いように思います。
アメリカンサイズの市販風邪薬
例えば、風邪薬の定番中の定番がこちら👇
眠気を伴わない昼用と眠くなる夜用がありますが、このサイズ、伝わるでしょうか?とにかく大きいんです。私のnoteに時々登場する私の愛すべき元仕事仲間兼お友達のぶちこちゃんは、アメリカに来たばかりのころに体調を崩し、この薬を渡され「無理無理、こんな大きいの絶対のみこめない!」となったと言っていましたっけ。ぶちこちゃんが手のひらサイズの小柄さんということを鑑みても、これには同感。形がでぶっちょで、小ぶりの飴玉以上の堂々たるお姿。私もこれを初めて旦那さんに渡されたときはちょっとビビったものです。これ飲むの?しかもふたつも?って。
基本的に日本人より大きめのアメリカ人を対象としているでしょうから、日本人がこの量を飲んでいいの?と多少なりと心配にもなりますしね。
処方薬だってアメリカンサイズ
そして、ごく最近、でかいのは市販薬に限らないんだということを学びました。
先日の入院から退院した際に処方された抗生物質のお薬2種がこれ👇
小さい方が、いわゆるよくある薬のサイズです。それと比べて大きい方の大きさといったら!間違いなくアメリカンサイズです。でも、この薬については、後日某看護師さんが「ほら、あのgigantic (巨大) なやつ」と言っていましたので、アメリカ人的にもこれは普通以上に大きいという認識はあるようです。
サイズが大きい=容量が多い
サイズが大きいということは、もちろん、そこに含まれる薬の容量も多いということになります。
それがよーく分かる、日本にいた頃の英会話の先生に聞いた実話を紹介しましょう。アメリカでお医者さんをしている先生のお父様が来日されたときのこと。頭痛がして、日本の薬局でよくある頭痛薬を購入したお父さん。含まれる成分、成分量を確認して計算した上で、服用した数はなんと8錠だったそうです。8錠!!!一回にですよ。こわくなる量ですよね。でも、そのくらいアメリカと日本の薬の基本的な容量には差があるのです。
もう何年も前になりますが、突然の膝痛でUrgent careにお世話になることがあり、例によって痛み止めが処方されるとのことで、日本の痛み止めの容量がアメリカと比べて非常に少ないこと、自分はその容量に慣れた日本人であることを慌てて説明した私。それを踏まえて処方された薬をもらいにドラッグストアに行くと、薬剤師さんから言われたのは「痛風の発作にでもなったの?」という言葉。十分強そうなんですけど… 恐れていたとおり、おなかの調子が悪くなり、市販の整腸剤のようなものと併用したのを覚えています。
アメリカ生活も長くなると、体もそれなりにアメリカの薬の容量を受入れるようにはなるものですが、それでも鎮痛剤などは本来2錠のところを、未だにビビって1錠しか飲まないことがよくある私です。平均的なアメリカ人のサイズと比べたらはるかに小さいし、私は日本人だし…というのが私のいい訳ですが、時として旦那さんに「痛いんでしょ?だったらなんで2錠のまないの?」と叱られることも。まぁ、確かに飲めば効くんですけどね。それに慣れてしまうのも、それはそれでこわいのですよ。そんなことを言っている場合でないときは迷いはしませんが、できれば薬はセーブしたい、これって日本的なのでしょうかね。
I miss 漢方薬
そんな強力なアメリカのお薬事情なので、ご想像に難くないかと思いますが、漢方薬なんていうものは、とんと目にしません。希望すれば処方してくれるのでしょうが、逆に言えば自分で希望しない限り、選択肢にもあがらない感じです。自然成分由来の市販の風邪薬たるものもあるにはあるようですが、少なくともメジャーではありません。薬に関しては完全にアメリカンな考えのうちの旦那さんに言わせれば「そんなの薬ではない」ということになるようです。きびちぃ~。
私も決して漢方薬派ではなかったのですが、いわゆる風邪の引き始めが懸念されるときなどは「葛根湯が欲しい」なんて思うもの。その時点であのどでかいアメリカンな薬を飲む気にはなれないですからねぇ。
風邪の引き初めに限りませんが、アメリカ人がよく利用する別のタイプの風邪薬がこちら👇
お湯に溶かして飲むタイプです。
これが普通においしくて飲みやすいのですが、よーく成分をチェックしてみると、通常の鎮痛剤以上の量が入っていたりで、実は結構パワフル。
もっと、優しいの、ないんですかねぇ。
やっぱ、漢方薬だな。
あの独特な臭いも味も「良薬は口に苦し」って言うし。
アメリカ人のみなさん、時には東洋医学もいいものですよぉ。
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