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本城直季 (un)real utopia展へ行く

皆さん、こんにちは。
いつもは山陰地方の記事を主に書いているのですが、今日は帰省を兼ねて行ってきた展覧会のお話です。

写真家・本城直季さんの初の大規模個展「(un)real utopia」。
各地を巡回し、恵比寿の東京都写真美術館(地下1階展示室)では2022年5月15日(日)までの開催です。

館内では作品の撮影が可能でしたが、以下のような注意事項があります。
・私的利用、非営利目的に限る。
・フラッシュ撮影は不可。
・三脚や自撮り棒の使用は不可。
・他の鑑賞者の鑑賞を妨げないこと。
また、SNS等へ公開する際には、東京都写真美術館「本城直季(un)real utopia」での展示であることを明記するようにとのことです。

以上のことから、遠慮なく写真を撮ってまいりました。
最初は深く考えずに作品の全体を収めようと、スマホの画面に額装の枠が入るように撮っていました。

Honolulu,Hawaii,USA 2005

撮影した画像を確認してみると、なんかいまいち迫ってくるものがない。
そりゃ、目の前にしっかりときれいに展示されている“作品”を、スマホで撮ったくらいでどうにかなるものではないとは分かっていました。
これはあくまでも見に来た記念だと自分に言い聞かせて。
ただ、ふと、「どうして、全体が入るように撮っているのだろう」と思いました。それはやはり、本城直季さんが完成品として提示している状態の作品をきちんと収めるべきだろうという意識が働いていたのだと思います。
でも、改めて見てみると枠は美術館に展示するために設けられたもので、作品としての写真には何もありません。そして、試しにグッと近づいて作品の部分を切り取るように撮ってみました。

これは前述のハワイの写真の中央からやや右側の部分をアップにして撮りました。自転車に乗っている人が右手、海の方を見ています。なんかその感じを目立つようにしたくて撮ってみました。いったい、何を見つめているのでしょうね。

作品の全体からある部分だけを切り取るのは、本城直季さんの本意には沿わないと思いましたが、展覧会の鑑賞途中にこのことに気が付いてから、受動的な気持ちで見ていた展示が、いきなり能動的な心持ちに変化しました。
「この部分にフォーカスしてみたら面白そうだ」
構図の中にさらに自分なりの構図を探してみる行為は、ますます本城直季さんには申し訳ないのですが、なかなか楽しい作業になっていました。
(※こんな風に撮影してSNSで投稿するのは注意事項に抵触するのかどうか不安になるので、たくさん撮影したのですが先の例だけをアップします)

なんか大発見のように書いてしまいましたが、帰って他の方のブログを拝見すると、同じように撮影している人が当然ながらおられました。
けれども、展覧会場で受けた閃きは、本当に頭の上で電球が光ったかのような瞬間でした。
誰かが言っていましたが、名画はその絵の中の一カ所だけを切り取っても名画になる。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
アート鑑賞の楽しみ方の幅が広がった思い出の展覧会となりました。

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