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ドローンに乗って 人が移動できる時代がやってくる。

個人的に注目しているドローン業界。正確に言うと人が乗れるドローンの誕生を楽しみにしています。あるニュースだと2025年には商用利用されるといった話もあるようで、そんな遠くない未来にこれまでにない新しい空の移動手段が誕生しそうです。もちろん、空の移動には墜落事故といった不安な面もありますが、技術発展とともに安全な乗り物になるのではないかと予想しています。自動車も自動技術が進むことで、交通事故が減らせられるという話もあるので、空の移動×自動運転の組み合わせを楽しみにしています。

先日、スカイドライブというベンチャー企業が有人飛行試験レポートを発表しました。Youtube動画も3日間で100万回再生されたようで、かなり話題になっています。

動画では飛行時の音があまりわからないですが、プロペラから発生する音はかなり大きいと想像できます。以前、ドクターヘリ―が病院から飛び立つ様子を見たことがあるのですが、あまりの音の大きさにびっくりした記憶があります。ヘリコプターとの音の違いはわかりませんが、車が民家の間を移動するような感じで乗るのは難しいのではと思います。まあ、それでも安定してホバリングをしている様子を見ると、想像していた未来が近づいてくるのがわかります。

スカイドライブは本社が東京、テストフィールドが愛知県にある会社ですが、神戸にも面白いベンチャー企業があり、微力ながらお手伝いしています。スカイリンクテクノロジーズ株式会社といって、PPKP(パーソナル・プレーン・開発・プロジェクト)という有志団体の幹事会社です。スカイリンクテクノロジーズ社の機体は垂直離陸、水平飛行速度400km/時以上、飛行時間2時間かつ自動運転飛行を実現する機体が特徴です。

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動力源が電動バッテリーではなく、エンジン式であることも特徴のひとつです。現時点において、電動バッテリーの容量から飛行時間は30分程度が限界で、緊急時の空中待機などを考慮した場合、エンジン式の方が理にかなっているからです。個人的には、水平飛行速度400km/時という速度が電動ドローンとジェット機の間を取る絶妙な空の移動手段だと考えています。利用用途として、ビジネス出張、旅行、救急、物資輸送などイメージしやすいかなと思います。

タクシーのような近距離移動なら飛行時間が10分ほどあれば十分で電動ドローンが活躍するかなと思います。逆に移動距離が1,000kmを超える場合はジェット機が便利。移動距離が数10kmから1,000km未満の領域(中距離移動と呼ぶことにします)での移動手段として、スカイリンクテクノロジーズ社の機体が活躍できるのではないかと考えています。ですので、電動ドローンと競合ではなく、むしろ互いにドローン市場をけん引するプレイヤーになるのではないかと個人的に考えています。中距離移動におけるビジネス、自動運転飛行については改めて記事にしていこうと思ってます。

スカイリンクテクノロジーズ社の機体にはいくつかの特徴があります。見た目で一番目立つのは固定翼。これはチルトウイングと呼ばれるものでは、飛行状態に応じて、プロペラとともに翼も傾きます。ホバリング時の翼、水平飛行時の翼の角度を見ると、理解しやすいかなと思います。

●ホバリング時:固定翼が立つ。

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●水平飛行時:固定翼が水平にある。

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似た名前でチルトローターと呼ばれるタイプの翼もあります。これは以前話題になったオスプレイで採用されているもので、チルトウイングと混同している方がかなり多くいます。チルトローターはローターのみは飛行状態に応じて動きます。スカイリンクテクノロジーズ社がチルトウイングを採用している理由の1つに、プロペラとともに翼も傾くので、翼によって推力を阻害されにくいためです。下図を見ていただくわかるように、チルトローターの場合はプロペラの傾きによって、翼に風があたり推力が阻害されやすくなっています。

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また、高速飛行を実現するために4つのプロペラがあり、それぞれのプロペラ径は小さく設計されています。これはディスク・ローディングとホバリング効率の相関関係と呼ばれるもので、ウィキペディアの図がわかりやすいです。

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プロペラ径が大きいほど、ホバリング効率が高くなります。ヘリコプターはホバリング効率が高く設計されているため、結果としてプロペラ径が大きくなっています。一方で高速飛行を重視することで、必然的にプロペラ径が小さくなっているわけです。とは言ってもホバリング時の推力が必要なためプロペラが4つ搭載されています。ホバリング性能があり、かつ高速飛行を重視した設計になっているわけです。

現在(2020年10月時点)、スカイリンクテクノロジーズは試験による飛行試験を行っています。最近はメディアへの露出が増え、展示会の準備などが進んでいます。また、スカイリンクテクノロジーズ社ではメンバー募集を行っております。私はボランティアで広報チームのお手伝いをしておりまして、特に技術者の方には参画いただきたいと思っています。興味ある方はスカイリンクテクノロジーズ社もしくは私までご連絡いただければ嬉しいです。

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