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小さな体で頑張った娘と手術の決断 (二分脊椎の娘のあしあと②)

※記事には医療に関する内容が含まれますが、素人による記事ですのであくまで参考程度に読んでいただけますと幸いです。


カオスな中での娘の退院、ナニーさんとの天国のような生活。

黄疸の値が高く、入院が数日延長となった娘。

入院延長の連絡が遅かったため産褥ナニーさんが先に来てしまい、その間、謎にただ上げ膳据え膳の楽園で過ごした天国のような生活


その後孫フィーバーの実父がサプライズ訪問するという珍事 (!) に遭遇。


※また別に書きますが、要約すると、
 初海外・英語無理・WIFIヨクワカラナイ高齢者連絡なしで来星。
 その恐怖たるや、ほんともう、、(死)


なんか全部カオス!!


といった中で、産褥ナニーさん・実父・私達夫婦で迎えた娘ちゃん。(とはいえ、黄疸は下がらなかったのでしばらく通院が必要。)

それはそれはとっても可愛くて尊くて壊れそうで怖くもあり、目に入れても痛くないとはこのこと!って感じでした (※親バカ)

実父のサプライズ来星には (キレ…) 驚きましたが、生後1週間以内の可愛い娘に会ってもらえたことは、一生分の親孝行になったかと思います (いや、そう思ってくれ) 。

その後の生活も、産褥ナニーさんの献身的なケアによって、睡眠もぐっすりとれ、栄養のあるものをたくさん食べて、ほぼ家事もせず休めたので、


「ほんと天国、一生側にいてくれ!!!」


って感じでした。ナニーさん超オススメ。

そんな順風満帆な新生児との生活のなか、病気に関連する用語を調べては障害などネガティブな情報に不安を感じ、同じ病気を患っても普通に生活している人の情報を探し求めるなど、気持ち的には不安な日々を過ごしていました。

生後6週間、小さな身体で頑張る娘。

そうこうしているうちに、ナニーさんが母国に帰り、親子水入らずの生活

ナニーさんの教育のお陰で子育てに大きな不安はありませんでしたが、夜間の授乳を自分でやってみてその大変さを実感し、寝ている間に息が止まらないかな?なんて不安になったり、ナニーさん帰ってきて!!なんて思いながら過ごすこと2週間ほど。

そして生後6週間を迎え、いよいよMRIを受けることに。
当日は3時間前から絶食のため、朝6時半にミルクをあげ準備をして病院へ。病院で手続き後すぐに病院スタッフが娘を預かりに来てくれたのもあり、お腹が減って泣くことはありませんでした。

夫と私が待合室で待つこと3時間弱。
処置室から時折聞こえる娘の泣き声に胸を痛めながら、小さい体で頑張っているんだなと思いつつ、ただ時が過ぎるのを待ちました。

3時間弱後、病院スタッフに抱えられほぼ眠っている娘が出てきました。
MRIの部屋が寒かったからなのか、本当に体が冷たくて、


「大丈夫、、?本当に目を覚ます、、?」


と不安と可哀想な気持ちで胸が一杯に。

ただ空腹のあまり、娘が病院スタッフの腕をおっぱいだと思って吸おうとしていて、可哀想でもありつつ、少しほっこり。
スタッフの方も"So cute!"と連呼していて、こっちに何度も見せてきたりして、なかなか可愛かったです (娘もスタッフの方も) 。笑
冷たくなった娘を毛布で包み抱きしめつつ、


「本当に頑張ったね!!」


と何度も声をかけました。

日本とシンガポールの違い。

MRIが終わって娘の体温が元に戻るまで温めた後、帰宅。

日本では乳児に睡眠薬をできる限り使わずMRIを撮るようですが、シンガポールでは鎮静するのに睡眠薬を普通に使用するとのこと。この辺りは合理的なシンガポールらしいのかも。

睡眠薬を注射されると吐き戻しやすくなるとのことで、当日は少量ずつ分けてミルクを飲ませる必要があるとのこと。娘は幸い一切吐きはしなかったのですが、空腹すぎて少量のミルクじゃ足りず、もっとくれ!!とギャン泣き。なかなか不機嫌が治らず、、まぁ泣けるだけ元気ってことで一安心。笑

ちなみに今回は、小児クリニックの担当医から病気の懸念があるという診断を受け、出産した病院にてMRIを受診。MRI画像を見て出産した病院の放射線科医が診断を下した後、大学病院の脳神経外科の専門医の紹介を受けるという流れでした。
放射線科医が多忙であったためなかなか返答が得られずにやきもきしましたが、MRI撮影から2週間後に大学病院の専門医の診察に漕ぎ着けました。

初めての大学病院受診とブラックジョーク。

担当の専門医は自分と同世代の印象。
名刺を拝見すると、どうやら若いながらも診療科のトップの方のよう。
物腰も柔らかで、説明はわかりやすいし、


「いい先生に巡り合えたのかな、、?」


と少し安心した気持ちに。

今回、脊椎のMRIを撮影。
二分脊椎の場合、脊髄が係留して引っ張られることで小脳等が脊髄側に落ち込むことがあるようですが、娘の場合はそういった所見は認められず、脳は異常なしという診断結果に少し安心。
脊椎に関しては、脊椎の骨欠損部を介して皮下脂肪組織と連続する硬膜内脂肪腫があり、脂肪腫から皮下組織に伸びる洞管がある、いわゆる脊髄(円錐部)脂肪腫の一種のよう。脂肪腫に引っ張られ、脊髄の低位が見られるとのこと。

現時点で症状は発現していないが、将来的にざっくり30-40%の確率で足首から先が曲がったり、排尿・排便の機能障害が見られる可能性があるとの説明。
また、胴管を覆う皮膚が薄いので、万が一破れた場合は髄液が露出し感染症の懸念があるとのこと。

検索魔のお陰か、事前に想定していた範疇だったため、大きな驚きはなし。具体的な確率が提示されたことにより、やや現実味が増したように感じたのでした。

今後の治療方針として、担当医からは3つの選択肢の提示がありました。

1つ目は予防手術として、脊髄に通じる胴管を閉じ、脂肪腫をできるだけ取り除く手術を実施すること。
2つ目は同じく予防手術ですが、脊髄に通じる胴管のみを閉じ、脂肪腫はそのまま置いておいて経過観察を行い、症状の発現および発現の可能性が見られた場合に再度手術すること。
3つ目は、経過観察で様子を見るということ。

手術をしない選択肢もあるが、今回胴管があり感染症の懸念もあるため、担当医からは1か2をおすすめするという話でした。また、手術後に脊髄の再係留が起こり障害が出る確率は約10%程度とのこと。

手術後も再係留や症状の発現を確認するため、少なくとも成長期が終わるまでは経過観察が必要とのことでした。

その場で夫と選択肢について話し合いましたが、最初の選択肢で意見が一致したため、そのまま手術をするようお願いしました。
もし意見が割れていたら、下手すると喧嘩になったかもしれないし、大事なところで意見が一致したのは幸運だったなと、今振り返れば思います。

手術は全身麻酔に耐えうる約6か月以降の月齢で実施可能とのこと。リスクとしては麻酔や手術時に神経に触れてしまい障害がでることおよび、髄液の流出の懸念はあるものの、手術自体はそこまで珍しくないもので(シンガポールだと2-3か月に1回らしい)、神経の反応を見ながら神経に触れない範囲でできる限りの脂肪種を除去するため安心してほしいと説明を受けました。

ちなみに、費用に関して質問すると、


「あなたが出産したマ◯イー(費用が高いことで有名)の半分以下だよ!笑」


ブラックジョークをかまされて、シンガポールらしいなと。笑 (シンガポール人お金の話が好き。笑)

日本でこんな軽口叩いたらクレーム入れられるがな。笑

麻酔医が多忙で事前の確保が必要なため、おおよそ6か月を迎える約4か月半後にひとまず手術の予約を入れ帰宅。

一応、病気の全容が見えたことには安心しつつ、


「こんな小さな赤ちゃんなのに手術って、、。。」


と可哀想な気持ちと不安な気持ちにも苛まれました。
とはいえ、障害を防ぐための前向きな手術だし頑張るしかないよね!と自分の気持ちを立て直したのでした。

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