酒井政秋

これから村とどう会社として個人としていくかを模索している最中、2011/3/11、東日…

酒井政秋

これから村とどう会社として個人としていくかを模索している最中、2011/3/11、東日本大震災が起こりました。夢は破れ、飯舘村での人生は砕かれました。想いを綴っています。どうぞ、皆様お読みいただければ幸いです。

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    お読みいただければ幸いです。飯舘村、社会問題、福島の事をそれぞれの想い、個人の想い。

最近の記事

グラッと。

団地が建ち並ぶ。 その中にひとりの不穏な雰囲気の家族がいた。 グラッとひと揺れ。 このところ地震が多い。 家族は無言で朝食を食べている。 誰とも目を合わせずに。 グラッ グラッ また、地震だ。 家族は地震が起きても、微動だにしなかった。 目を合わせずに、会社に、学校に出かけて行った。 緊急地震速報が鳴り響く。 家族は音のない世界に生きていた。 家族は景色のない世界に生きていた。 見えない世界に家族は今もなお生活している。 緊急地震速報のサイレンも聞

    • フィクション

      その日は酷く雨が降っていた日だった。 膝を抱え小刻みに震える女がひとり。 彼女の名前はアキコ。明るい子と書いて明子という名前だ。佇まいからは想像し難い名前だった。 僕はそっと傘を彼女の上に差し出した。 明子は小刻みに震えながら、その傘に目を向け、そしてうな垂れた。まるで、そっとしておいてと静かに怒っているようだった。 僕は、なぜ彼女に手を差し伸べたのか、なぜ彼女に目を向けたのか少し後悔しているような、しかしながら、放っては置けない、いつもの「いいひと」癖が、僕をそうさせたのだ

      • 幸福について

        「幸福になりたい」そうでありたいということは万人の願いである。 その「幸福」という価値観は、または定義はひとそれぞれに異なる非常に説明しがたいものである。人生満足度というものは自己・仲間・家族・社会・国家のどれをみても、全く一緒という事はない。 また、国家レベルの経済力と国民の人生満足度を検討した世界規模の調査でも、経済的繁栄は幸福感とほとんど無関係であったことが分かっている。 お金がある=幸福とはわからないものなのである。

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        • からとて・・・

          来年の3月に飯館村は形上では避難指示解除になるが、やっと飯館村に戻っても、決してホッとはできないだろう。その土地から放射性物質が消えたわけではないし、この5年は無自覚に避難場所の環境に身体も心も定着している。 若い人は環境適応力がまだある。しかし、中年配者はまた、避難した時と同じだけの環境適応ストレスがのしかかってくる。 わたしの祖母も新天地に馴染めず、仮設住宅を行ったり来たりの日々。 そうして、行ったり来たりしながら慣れていくしかない。 避難指示が解除されたからとて、

        グラッと。

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        記事

          生きることに執着している自分 その執着を解放したら楽になれるんだろな。 必要以上に執着から解き放たれたい。 日々の雑踏から離れ宇宙に行きたい。 全てから解き放たれたい。 地球も宇宙に一部。 ヒトも地球の一部。 さて、どう自然に生きるか。 人生かけての問いなんだな。

          生きることに執着している自分 その執着を解放したら楽になれるんだろな。 必要以上に執着から解き放たれたい。 日々の雑踏から離れ宇宙に行きたい。 全てから解き放たれたい。 地球も宇宙に一部。 ヒトも地球の一部。 さて、どう自然に生きるか。 人生かけての問いなんだな。

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          飯館村の夕暮れ2016.8.6現在

          飯館村の夕暮れ2016.8.6現在

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          ハナビラ

          桜の花びら一つ一つが魔物に取りつかれた化身のようであった。 あの清らかな、春めいた穏やかな春の日はもう訪れることのない幻の光となった。黒いものが横たわったその中を魔物の化身たちは踊り狂いをするようであった。しかしながら、それは矛盾するような美しさそのものであった。

          嫉妬・妬みという武器は捨てて旅をしようぜ

          嫉妬・妬みが目の前に立ちはだかった時、 何を思う。 自分の心を責めやしないかい? そして、傷ついた心を癒すために他人を妬む報復をしてないかい? それは、間違いだよ。 貴方が傷ついた武器を自分が持って、その嫉妬という武器を振り回して、本当に傷つけたい人じゃない人が傷つけているんだよ。 ちゃんと、その嫉妬と妬みの本質と向き合うと、ちゃんとその嫉妬・妬みは自分の必要なエネルギーに転換できるんだよ。 これぞ再生可能エネルギーじゃないかい? まだ旅は長いぜ。 ベンチに座って周

          嫉妬・妬みという武器は捨てて旅をしようぜ

          あの日の広島に想いを寄せて

          1945年8月6日 あの日、広島で何が起こったのであろうか。 タイムトラベルしてみようと思う。 1945年8月6日朝、一度空襲警報がなり、皆防空壕へと避難をした。しかし、空襲は起こらなかった。そして、皆、工場へ行く者、学校へ行く者、朝ごはんの片付けをする者、それぞれのその時のささやかな日々へ戻っていった。しかし、8時15分、空がピカっと眩いくらいの光が、その後ドンっと凄まじい音と熱風が街を襲った。 世界ではじめてリトルボーイという名の原子爆弾が投下された。

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          あの日の広島に想いを寄せて

          無題

          面倒くさいと誰もが言う。 でも。面倒くさいって逃げてることとおんなじ。 あの日。 生きるか死ぬかどうなるか分からない見えない恐怖を感じた。 むしょうに泣けてきたんだ。 明日の命が脅かされたとき、 この国のおかしさを知ったんだ。 目を背けたくなるようなことも、 煙たがれていることを自覚しても、 話さなければいけないことは話したい。 だって、生きてるうちしか話せないでしょ? だから 政治のこと 国のこと 今の気持ちを 伝えていくよ。 そして、この世にほんの1ミリでも生きてい

          置き去りのままに

          福島の表面上の明るい復興の陰で不安で夜も眠れなく過ごす人たちがいるのを貴方は知っているでしょうか? 2011年3月に撒き散らされた大量の放射性物質。直接的な謝罪もないままに6年目の夏が来る。

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          置き去りのままに

          コノヨトイウモノ

          この世は悲しみばかりだ。

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          コノヨトイウモノ

          情を感じること

          最近の貴方の周りはシアワセと言える環境でしょうか。 改めて見渡してみると、新たな視野が生まれるかもしれませんね。

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          ミエナイモノ

          ミエナイものと闘っていかざるを得ない場所それは福島だ。 科学的にミエナイもの。生まれたときからあるミエナイもの。

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          熊本地震6月撮影

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          熊本地震6月撮影

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          自然との対話

          自然に言葉があるなら、 自然に思考があるなら、 何を考え言葉にするのだろうか。

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