からとて・・・

来年の3月に飯館村は形上では避難指示解除になるが、やっと飯館村に戻っても、決してホッとはできないだろう。その土地から放射性物質が消えたわけではないし、この5年は無自覚に避難場所の環境に身体も心も定着している。
若い人は環境適応力がまだある。しかし、中年配者はまた、避難した時と同じだけの環境適応ストレスがのしかかってくる。
わたしの祖母も新天地に馴染めず、仮設住宅を行ったり来たりの日々。
そうして、行ったり来たりしながら慣れていくしかない。

避難指示が解除されたからとて、決してストレスは減ることはなく、また別の質の新たなストレスが村民一人ひとりにのしかかってくる。

原発災害はコミュニティも、人々にも、自然も、過酷な状況しか産まない。
そんな災害は一度きりでもう充分。

明るく
前に
希望を

そんな綺麗事な言葉で終わらないのが原発事故なんだ。

私たちの問題でもあるけど貴方たちの問題でもある。

たまに質問される。

「わたしたちに何ができますか?」

まずは身近からできることをしてください。
例えば、ゴミの分別や山林などの不法投棄問題。
自分で植物・野菜などを育ててみるといかに実がなるまで大変かが分かる。そして、食材に対してありがたみが分かる。

あのー、全く原発事故と関係ないじゃないですか?とお思いのあなた。

関係あるのです。

ゴミ問題も社会問題で、大量生産、消費社会の裏で犠牲になっている人がいるということを想像してください。

植物や野菜を育てることは、食材がスーパーに出るまで生産者は並々ならぬ愛情と苦労を重ね出来ていることをまずは知ってください。
原発事故の時もそんな農家さんはせっかく育てた野菜や家畜、牛乳全ての命が失われたのです。そのことを想像してください。

そういうことなんです。

簡単に解決できないのが原発事故なんです。

そして、決して以前には戻らないのが原発事故なんです。

それでもひとは生きなくてはいけない。
そのためにはどうするか?を考え
生きなくてはいけない。

思ったことを淡々と書いて乱文をお許しを。

そんな思いの2016年の夏のおわりでした。

最後までお読みくださりありがとうございました。


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