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「みんなが○○だからあなたも…」という呼びかけへの違和感

(2010年10月16日「松ちゃんの教室」ブログ記事再掲)

以前、わが家で「こどもちゃれんじ」無料サンプルの恩恵にあずかっている、とブログに書いたことがある。最近のチラシはどこから入手したか、ご丁寧にも子ども一人ひとりの名前まで個別に印刷されて届く。子どもの暇つぶし程度には確かに重宝するのだが、先日届いたダイレクトメールには、こんな一文が。

●●(子どもの名)さんのおうちのかたへ
▲▲(親の苗字)様がお住まいの■■区では すでに4人に1人*の年中さんが「なぞりんマシーン」(商品名)を持っています!
……在庫には限りがありますので ぜひ▲▲様もお申し込みをお急ぎください!
*住民基本台帳人口要覧出生数データおよび○年○月時点の受講者数に基づき、シェアを算出したものです。

……大きなお世話だ。

物腰の低い丁寧な言葉遣いながら、「みんなやってますから、あなたもどうですか?」的な勧誘に、意地でも申し込むもんかと決意を新たにした次第。まぁ、もともと申し込むつもりはなかったんだけど……。無論、しまじろうに罪はない。

さて。

キリスト教の世界にはトラクト(チラシ)を配って伝道するという手法がある。先日、某出版社からいただいた新しいトラクトを拝見して、似たような違和感を覚えた。それは、「幸せな結婚」と題する一文。今年結婚60年を迎えるという一人の牧師による「証し」で、全体的には共感できる内容なのだが、引っかかったのは次の箇所。

最近、アメリカでは二組に一組が離婚するそうですが、礼拝に通うクリスチャン夫婦は千百十五組に一組しか離婚しないと言われています。……あなたが、まだ結婚していないなら、ぜひキリスト教会に行き、最良の結婚相手を神からいただいてください。すでに結婚しているなら、夫婦そろって子どもを連れて、日曜日に教会の礼拝に行ってください。

ベネッセ同様、物腰は低いし言葉遣いは丁寧だが、「離婚しないためには、教会で結婚相手を探しなさい」と勧めているような印象を受ける。結婚は神に祝福された関係であり、離婚率が低いのも事実だろう。しかし、これを受け取ったノンクリスチャンが果たして、キリスト教を信じてみよう!と思うかどうか……。もし、私がその立場だったら答えはNOだ。

商業的な広告とトラクトを比べるなど不謹慎と怒られるかもしれないが、広く大衆に語りかけるための「ことば」には、細心の注意が必要ではないか。自戒を込めて……。


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