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変われない体質の中で何をどう変えていくのか

昨年10月、日本YMCAスタッフ対象の研修で「コロナ後の社会とキリスト教」をテーマに講義。全国9つの #YMCA から12人が受講し、コロナ禍を経て組織・社会がどう変わっていくべきか、教会の事例をもとに、#築地本願寺#学校ゆるくていいじゃん の事例にも触れながら共通の課題を一緒に考えました。

意欲的な受講生との活発なやり取りを通して、改めて取り組むべき働きの大きさと意義を再確認させられました。変わらない(変われない)体質を持つコミュニティの中で、次世代のためにいかに「よりマシ」な環境を受け渡していくか、そのために各々の持ち場で何ができるかを考え合う有意義な時間でした。

「難読漢字」に象徴される専門用語で身内の結束が強まる一方、排他的になりかねない点。世間に認知されず、新規の会員に「うさんくさい」と思われがちな点。決裁権を持つ立場が中高年男性に占められている点など、組織の保守性・閉鎖性は教会もYMCAも共通していると感じました。ファン層拡大が必須。

YMCA系列の自由な気風の教育機関で学んだ生徒たちが、いざ社会に出てからそのギャップで余計に苦しむのではないかと憂慮する職員の声も。確かに「社会は厳しい」というのが、理不尽な校則を押し付ける口実として都合よく使われてきた側面があります。校則だけでなく、卒業後の社会も変える必要がある。

コロナ禍を経てもなお変われない旧態依然とした企業の体質を変えるのは容易ではない。でも、あらかじめそういう理不尽な職場があることを教え、予防線を張っておくことぐらいはできる。無防備で戦場に飛び込む必要はない。尊厳ある個人として、自ら働き方を選ぶ知恵と逞しさを習得しておくことは大事。

今回、改めて受講生から感想をいただいたので、いくつか紹介します。半ばお世辞とはいえありがたい。

「意識的な世代交代とダイバーシティの確保は、今のYMCAに求められていることだと思います。共同体の中に、“ガチ”でない人を入れることの大切さ。キラキラWordの陰に潜む怖さなども共感しました」

「SNSについて、強引な勧誘に思われかねない情報ばかりを発信していたかもしれないと反省しました。ミッションに立ち返り、見る側の目線に立った情報を心掛けたいと思いました。必要に迫られれば変わることができる、逆に迫られなければ気づくこともできないにとが多くあったのかもしれません」

「キリスト新聞社のイメージは昔から発行されている文字版の新聞という印象でしたが、ゲームやアプリ(「モーセの海割り」)など、積極的にデジタル化されており驚きました。その後に拝見しましたHPはデジタル朝日のようなニュース調で情報発信をスマートにされている印象でした」

「SNSの積極的な活用はじめ、いろんなきっかけからYMCAに繋がれるように仕向けていく、身近な親しみやすさでファンを作っていくことが必要と分かりました。…なかなか既存の枠組みから外に出ることが難しいこともありますので、この辺りは勢いをもってやるところはやっていく勇気が必要と感じました」

「生粋のクリスチャンでありながら教会を批判的な視点から見て、社会の状況を敏感に感じ取って変わっていかなければならないという思いがひしひしと伝わってきました。牧師のワークライフバランスの話もあり、YMCAと通じるところもとても多く、私たちも変わっていかなくてはならないと強く感じました」

*YMCAとのご縁は2018年、こちらの会にお招きいただいて以来の関係です。


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